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創作の時間

31
他の小説シリーズに収まらない創作です。一部、関連エッセイを含みます。
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記事一覧

《絶滅危惧職》保存館にようこそ(短編小説改訂&全編掲載;9,000文字)

「じゃ、いってきます」 「いってらっしゃい。今日もあちら? このところ、ずっとね」 「ああ…

谷 俊彦
3日前
37

海獺(ラッコ)の季節

出稼ぎ中の娘が連休に帰省した。 寄生 ── あ、いや、帰省するのはいいけれど、海獺が2匹目…

谷 俊彦
2週間前
57

夫業のコツ

1.愚痴は最後まで辛抱強く聴く 「それでね、……だからね、……そうしたらね、……なのよ、…

谷 俊彦
4週間前
56

誰もがハチ公(短編小説;2,500文字)

「キミ、今日から?」 「はい、先週採用されたばかりで……」 「そうかあ……なるほど、……向…

谷 俊彦
1か月前
36

『夢を実現』するのではなく(短編小説;5000文字)

「……御社を志望したのは、ネットに出ていた人材募集のコピーに感銘を受けたからです」  採…

谷 俊彦
1か月前
58

硬い? いや、柔らかい? え、また硬くなった?

自分の書きモノにクセがあるのはわかっています。 たまに同居人に創作を読んでもらうと(めん…

谷 俊彦
2か月前
58

鬼は内に…(短編小説;1,900文字)

「そろそろ帰った方がいいんじゃないか? ── 今日は節分だろ?」  職場の懇親会が終わり、同期の福山を2次会に誘ったらこうだ。 「節分? ……豆撒きのこと言ってんの? やらないよ、そんなの……ほら、賃貸マンションだし、豆が部屋に散らばって、子供が口にいれたら不潔だって女房が言うし……」 「そうか。いや、ウチは一応オレが鬼の役で9時に登場することになってるから……悪いな、これで」 「……ったく、節分の豆まきなんて、今どきアナクロだろ?」  初めて入った、カウンターだけのバーだ

『原作者』のひとり言

改めて経緯をたどることはしませんが、『原作者』と『原作改変』をめぐって悲しいできごとがあ…

谷 俊彦
3か月前
133

今年のnote創作をふり返る

1年を振り返るのは、── 特に自分が為したことを振り返るのは ── あまり好きではありませ…

谷 俊彦
4か月前
50

最後のページで読者を唸らせる傑作絵本『おさる日記』;和田誠はすごかった!

「これはすごい!」 と思う小説やTVドラマといえば、全体の流れの中で『ひねり』があるのは当…

谷 俊彦
5か月前
65

進化Ⅱ(短編小説;2,700文字)

 ギーギーッ。  二段ベッドの梯子だろう、木がきしむ音が聞こえた。それに続いて、緩慢だが…

谷 俊彦
6か月前
71

甲羅が邪魔で(短編小説;4,600文字)

「睡眠障害ですか?」  部屋のソファにかけるなり、彼女は、手にしたファイルから顔を上げ、…

谷 俊彦
7か月前
55

進化(短編小説;2700文字)

 仕事を終えて帰宅すると、ソファの上に海獺がいた。  濃密な茶系統の体毛に包まれたそれは…

谷 俊彦
9か月前
90

時代は「カウチポテト族」から「ラッコ族」へと《進化》を促した

15年ほど前にアメリカで買った3人掛けソファがかなり擦り切れてきたので、買う買わないはともかく、いくらぐらいするかな、と「家具のアウトレットセール」に出かけました。 家族数が少なくなったので2人掛けか2.5人掛けで十分のはず、と言うと、同居人は即座に《却下》しました。 「だめよ、それじゃ横になれないじゃないの!」 《再勉生活》を送っていた1990年代前半、「カウチポテト/カウチポテト族」なる言葉をよく聞きました。 (うーむ、このマガジン、しばらく更新していないな……) 《