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「なんでアメリカ人好きなの?」と聞かれたものの

カナダでの生活を始めて1週間、時差ボケが残る中「サマータイム」がやってきました。冬が明け、日の出の時刻が早まり日照時間が長くなるのに合わせ、時計の針を1時間進めて太陽が出ている時間帯を有効活用しようという制度です。トロントでは3月上旬の日曜深夜2時に1時間時が早まりました。とはいえ難しいことはなく、iPhoneの時計は自動的に変更されるので、それに従えば問題なし。やることといったらアナログの時計を1周分巻くだけでした。

時間に正確な日本では導入が難しいかもしれませんが、「時間」ではなく「太陽」に生活を合わせるスタンスは、なんだか原始的でクールな発想だなと思います。

……そう、そうなんですよ。なぜか私はいつでも「欧米文化=カッコいい」とすぐに思ってしまいます。その考え方にメスを入れられるようなちょっとした出来事がありました。

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こちらに来てからというもの、政治や世界史が話題にでることが多いです。私は恥ずかしながらそういうことに疎く、その度に冷や汗をかき、結局身のある話にならず終わっていくことがほとんど。

そんなある日「日本人が持つアメリカ人のイメージを教えて」と聞かれました。私は「ジャンクフード、すべてがビッグサイズ、フレンドリーで会話好きな人々」と答えました。すると「アメリカ人がフレンドリー? 本当?」と眉をひそめられ、「原爆投下されたのに、友好的だと思ってるのはなんで?」と質問が返ってきたのです。日本人はアメリカ人に酷いことされたんだから、悪いイメージを持って当然だとその人は思っていたようです。

私は拙い英語で「もちろん原爆は悪いことだけど、時代は変わった(今を生きるアメリカ人が原爆を落とした訳ではないから、直接の非はないと私は思う、と言いたかった)。むしろ日本はアメリカナイズが進んで、欧米文化=クール、真似したいと思う人は多いと思う」というようなことを言いました。

「なんで好感を抱いているのか」という質問には答えきれてなかったため、腑に落ちない顔をされたものの、私はそのほかのことが言えず、その話題は消化不良に流れていきました。しばらくしてじわじわじわと、悔しくなりました。英語力のなさ以前に、そもそもこの議題に対し、私個人の意見が正直ないに等しいからです。自分のからっぽさに恥ずかしくなりました。もし私に十分な英語力があっても、その話は膨らまなかったと思います。

なんで私はアメリカ人が好きと思えるのでしょうか。欧米文化がカッコいいと思えるのでしょうか。確かに歴史上では酷いことをされている。でも中学時代に原爆のことを習った時、「アメリカ人ひどい!」とは思わなかったような。どの国のせいというか、戦争自体のせいだと思った気がします。もし教科書にアメリカ人への非が色濃く書かれていたら、今のような気持ちにはならなかったのでしょうか。あ、でもそれでいて、欧米人を目の当たりにすると怖そうとも思う自分もいる。それって根っこをたどれば原爆が絡んだりしてるのかな。うーーーん……。

私の一意見、アメリカ人に好感を抱く日本人は多いように思います。実際、北米に行くと言って「カッコいいね」とか「いいな」とか、たくさんの好意的な反応をもらいました(そう言うしかなかったからかも…)。皆さんはアメリカ人は好きですか。なんでそう思えますか。

「男性より女性の方がコミュニケーション能力は必要か」
「外見の良さは、友達の多さに比例するか」
「頭のいい人間=話下手か」
政治以外にも、語学学校ではいろんなテーマで意見を求められることが多いです。私を含め日本人は、最初に発言できなかったり、前の人の意見に乗ったり、「It depends(場合による)」の一言で片づけてしまう方が多いように思います。私もめっちゃ言っちゃうし、そういう場になると消極的100になります。だってそんなこと考えなくてもこれまで生活できてましたし、現に会社に勤めてた時は、忙しいを言い訳に何も考えちゃいなかった。しかし、ここでは少し勝手が違うようです。今の私にはお金はないけど時間があり、そして環境があります。もともとこの旅はいろんな人の話を「聞く」旅にしようと思っていましたが、ちゃんと、いろいろ、「考える」旅にもしようと思いました。

以上、自分がからっぽだと気づかされ、やっぱ英語ってただの手法でしかないんだなと思った話でした。英語を面白く話せるようになるには、私自身が面白くなきゃならないのです。あーでも英語も勉強しなきゃ。

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