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自動車教習に通い始めた超真面目な25歳看護師のお話①

25歳看護師シュリ。いよいよ自動車教習所に通い始めました。

通うまでは家族に大口叩けるほどの自信家だった私。今日、思い知らされました。
「私、運転上手から!(免許なし)」と言っていた過去の私に伝えたい、教習所卒業までの運転物語を記録します。


「メモ、いりますやん(大号泣)」

題名の通り、シュリは超がつくほどの”真面目”。
入校時に学科教本と運転教本を受け取っていましたが、「多分、技能の1回目は車の乗り降りとか名称の説明とかで終わるのだろう」と思っていました。

いよいよ初めての技能1の受講。気になっていた指導員さんも、とても優しいオジサン指導員さんでした。
ご挨拶を済ませて車に乗り込みます。シュリは習ったことをメモに残そうと、手にペンとメモを持っていました。(看護実習並みの心意気で受講していました)

するとなんということでしょう、
「メモは大丈夫ですよ、何も入りません」
とオジサン指導員は言うのです。

真面目でもあり素直さも兼ね揃えているシュリは『そうかそうか』とメモとペンをリュックにしまって乗車しました。
ですが、オジサン指導員は耳を疑う発言をします、
「今日はたくさんいろんなことを言うので、覚えてくださいね(ニコッ)」

たくさん・・・?いろんなこと・・・?覚える・・・?
手元にメモ帳のないシュリは、福神漬けのないカレーライスと同じです。
25歳という老いを感じる脳みそで、ご指導いただく内容を覚え切れる自信は全くありませんでした。

もうでも仕方がありません、どうにもできないのです。この老いかけた脳みそを奮い立たせて、可能な限りを覚えるほかないのです。
腹を括って「頑張ります(ニコッ)」と最大限の笑顔で返事をしました。


「もう運転ですか?」

最初に乗車時の注意点について説明を受け、実際にエンジンをかけるまでやってみる。車の中心は自分が思っているより右側だと考えて道路を走ると良い・・・。なるほど、色々と教えてくれます(当たり前)。脳みそも良い刺激を受けたのか、活性化している気がする。

『お、意外といけるな。体を動かして覚えることは得意だな。へへ』

と鼻の下が伸びかけていました。
『さあ次はどんなことを教えてもらえるのか・・・』

「じゃあ、実際に走ってみましょうか。」

驚きました。超真面目25歳のシュリ、驚きのあまり声がでません。
やっとのことで絞り出したのが
「もう運転ですか?」

オジサン指導員は笑顔で答えてくれます、「そうです」と。
仕方がありません。震える手を瞬時に落ち着け、覚悟を決めてハンドルを握りました・・・。


「そんなそんなあ(天狗になるシュリ)」

いよいよ運転です(教習所内を)。
たかが教習所内の運転で、横に指導員も座っています。何が怖いのか、自分でもわかりません。
今思えば、車という巨体を自分自身でコントロールし切れる自信がなかったんでしょう。

「最初はブレーキもアクセルも踏まずに、流れに身を任せてカーブでハンドルを回しましょう」

「な、流れに身を任せて・・・!?」
オジサン指導員は、変に考えるのではなく、”習うより慣れろ”方針で「流れに身を任せて」と言ってくれたと思います。
ですが超真面目シュリは『こんなポッと出の何も知らないペーペー初心者がハンドルを握って流れに身を任せたら、教習所どころかアナタの命まで奪ってしまう・・・!』と考えたわけです。

そんなことを心の中で考えながら、でも走り出してしまったらハンドルを回すしかありません。もうどうにでもなれと心のどこかで思いながら、ゆっくりとカーブでハンドルを回します。

「お、上手ですね。いい感じです。」

『じょ、上手・・・?褒めてもらった・・・?ペーペー初心者、褒めてもらったのか・・・?』
左まわりにカーブを曲がっただけです。嬉しい嬉しい嬉しい。褒めてもらった。よし、さっきの調子で、もう一度。

「そのまま行きましょう。ハンドル切るタイミングも良いですよ。」

ありがたいことに何度かお褒めの言葉をいただき、出てきてしまいました、ヤツが。
「そんな、そんなあ・・・👺(ニヤニヤデレデレ)」

こんな感じのやり取りで左カーブをぐるぐる回り続けるだけでしたが、大変気分良く技能1を終えることができました。
『なんか、自分、もしかしてやっぱり運転上手いんじゃん・・・?ふへへ』と鼻がピノキオ並みに伸びて鼻の下もデレーっと伸びた状態で、技能2までの10分休憩を迎えました。


次へ続く。


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