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父の勤める小さい会社が全焼する話

今日は『父の勤める小さい会社が全焼してしまったお話』を。

ちなみに、現在はまだお先真っ暗状態。また会社を再建するのか、はたまたハローワークに通うことになるのか?3月3日に大叔母も交えて話をしてから、検討することになりそう。


いつもの深夜呼び出しか?

2024年2月22日(木)。1:30頃まで寝落ちしていたけれど、ムクっと目覚めてお手洗いへ。
1階へ降りると、2階の父の部屋で寝ているはずの柴犬が1階にいる。玄関には父のスリッパ。

「あ、会社から呼ばれたんだな」

今でこそ深夜に呼び出しをくらうことがなかった父ですが、昔会社が安定するまでは機械トラブルが起きればすぐに父が召喚さレタ。
というのも、父が勤めるのは大叔母が経営する町工場。かくかくしかじかで、父は若い頃から大叔母の会社で勤務している。
社員人数も最低限で、父は工場長的な役割だった。

「父ちゃん帰ってくるまで待っとこうね〜」なんて柴犬に話しかけて私も父の帰りを待つつもりが睡魔に勝てずバタンキュー。
『夜遅くに呼ばれてお疲れ様。明日の弁当は私が作るからね』とラインを入れて、就寝。


え、めっちゃ大事やん。

「おはよ〜」と目覚めると、玄関には父のスリッパ。

「まだ帰ってきてないの?」と母へ確認。
すると

「大変なの。会社、火事で燃えたって。」

!?!?!?
火事!?燃えた!?もう頭がついていかないし、理解できない。
どれくらい燃えたの?すぐ仕事できるくらい?従業員は無事なの?色々な疑問が頭に浮かぶも、母も詳細把握しておらず。いつもの、父の、スローペース報告のために現状把握が全くできていない状態だった。

大急ぎで着替えて、会社へ。自転車で迎える距離だったのが幸い。元々水分摂取量が少ない父のために、コンビニで飲み物も調達した。


本当の火事。

会社に到着、消防隊や警察がゾロゾロ歩いている。「立ち入り禁止」の黄色いテープも道路に張られていて、奥に会社は見えるけれど入れない。
でも、会社の外観自体は黒くなっただけで、なんだか大丈夫そうな印象を受けた。ひとまず父へ電話。

私がいるところへ来てくれて合流。「なんか、大丈夫そうじゃない?」と聞く私に、「だめ。何もなくなった。見る?」と会社へ案内してくれる。

本当に、何もなくなっていた。建物の外観こそなんとか保たれたものの、中は真っ黒いすすが見えて焦げ臭い。消防隊からは「数日は建物に熱が加わって崩れやすいので、入らないで」と説明を受けたらしい。

ああ、終わった。これから色々と、大変になるな。


火の不始末?放火?

聞いてみると、父の勤める会社含む工場一帯、約7軒ほどの工場が全焼したらしい。火元は父の勤める会社の隣の工場だと。
幸いにも、怪我人・死者は出なかった。

原因について警察が調べるうちに、放火の可能性もあると説明があったそう。
火元の会社で、素行の悪い2名を解雇したばかりらしく、その人たちが犯人か?と工場関係者の間で話題になった。

なんでもいい。火の不始末だろうと、放火だろうと、結局被害者たちはなんの損害賠償も受けられないのだから。結局、お先真っ暗なんだから。


裏の工場は家族経営だったらしい。最低でも年に1回は機械を全て外に出して大掃除をして、埃ひとつ残らないように、火事の原因を作らないように、対策していたらしい。その人たちの気持ちを考えると、心が締め付けられる。


やっと、落ち着いてきていた経営

大叔母が経営する会社。約35年経営してきたが、最近やっと会社の借金返済が終わってお金の心配がなくなった時だった。
父にとっても、新しい機械を導入できたことで不良品が出る頻度が減って、仕事が楽になってきた時だった。

全てが落ち着いてきた時だった。

でも台無しにされた。

私や母にしても、今回の火事の被害者である父には何も言えない。

もう、生きるために働くしかない。



この日から、父は無職になる可能性のある休職者となった。
これからどうなるのかな。

私が就職していて、看護師を続けていることだけが母の心の中で数少ない救いとなっていることを願う。

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