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小論考宿輪ゼミ6いつ為替介入が入るのか?


 
経済学博士による経済・市場・金融・経営の解説
 
「為替相場」につきましては「第3回YouTube宿輪ゼミ」でもコンパクトにしておりますので、ぜひご覧になって下さい。
 
さて、多くの宿輪ゼミ生からリクエストが寄せられているのが、この「いつ為替介入が入るのか?」ということでした。この原稿を書いているのが4月25日(火)で、ドル円の為替相場は現在、1ドル=155円、そして155円50銭も突破して取引がされています。
 
先に権限の話をしておきますと、「日銀バズーカ」とかいう表現は誤りです。正確には「財務省バズーカ」です。

日本銀行は介入の“事務”を行うだけで、介入の判断は、「財務省」、正確には「財務官」にあります。財務官とは、財務省で、公務員としてトップは「次官」ですが、無理に番号を付ければ、その次のナンバー3で、市場や国際金融関係の責任者になります。ちなみに、財務省で一番偉いのは財務大臣で、これは一般的には国会議員など外の方が業務を行います。霞が関の財務省の4階に国際関係の部局があり、財務官室は2階にあります。
 
基本的には、最近では、為替の「レベル」(水準)での介入は致しません。以前、日本が円高で苦しんでいたころ、「レベル」を変えるような介入を盛んに行っていたのですが、は米国をはじめとして諸外国からのクレームで中止せざるを得なかったようです。
 
要は、現在の日本も参加している国際通貨制度は変動相場制です。それは、様々な経済的な要因によって自律的に動く相場制度です。(詳細は、筆者が書いた 『通貨経済学入門(第2版)』(日本経済新聞出版社)をご参照ください)
 
固定相場制は、たとえその為替レートが経済の実力と乖離していても、通貨当局が介入などして、無理にでもその為替レートを堅持しようとする制度です。そのため、通貨の投機筋に狙われ、通貨危機を起こすことになりました。
 
現在の為替介入の理由となりえるのは・・・・
 
 
 
 
 
 


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