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新卒人事に赤裸々に聞くシリーズ「就活生生は後から知ると損になってしまう企業の情報も質問で聞きだしてほしい(とそのやり方)」あじゅまるさん(1/n)

あじゅまるさんプロフィール


メーカーの人事。新卒の採用も担当。自動車メーカーの営業から転職した経験を持つ。
あじゅまるさんnote:あじゅまる|note
 
 
 


就活生からもっと質問をして欲しい

ーあじゅまるさんが人事として就活生と接してて、もう少し「こうやってほしいな」とか、思うことっていうのは何がありますか?


 
『そうですね。やっぱり質問が結構なかったりってことが多くて、それって「なんか大丈夫なのかな」ってちょっと思ってるっていうところがありますね。』
 

ー説明会とかで「学生さんから質問ありますか?」という場面で結構「シーン…」みたいなことありますよね。


 
『そうですね。なんかまあたぶん、「なに聞いていいか分かんない」みたいな感じだと思うんですけど、人事としては「聞かないとギャップ埋められないよ」って思っちゃうんですよね。』
 

ーいや、確かに。どういう事を聞いてほしいとかがあるんですか?


 
『そうですね。やっぱり「ギャップになること」は聞いたらいいなと思っていて、後から知って損になるようなネガティブ情報を聞いたほうがいいと思うんですよ。』
 

ーなるほど。


企業のネガティブ情報を聞きだす質問術


 
『ただ、ネガティブ情報を聞くにしても、いきなり「御社の悪いところを教えてください」なんて、企業の人にそんなことは言えないと思うんですよね。普通にそんなこと学生側から言えないってハードルが高いと思います。なので、説明会とかであれば多分メモしてると思われるんですけど、自分の中でこの会社の「ここ良かったな」とか「共感したな」みたいなポイントの感想をまず言ってもらったらいいなと思いますね。』
 

ー「社員同士がすごく仲良くて」とかですよね。


 
『あ、そうですね。例えば、「社員同士のコミュニケーションがすごい盛んなイメージなんですが~」とか「御社の商品は世界にすごい流通してる点が~」みたいな。「私もそのような煌びやかな世界で働いてみたいと思ったんですけど、その点に関して課題としている部分ってあるんですか?」みたいな。
 
「良いとこと悪いとこ」っていう言葉なんですけど、「魅力と課題」って言葉に置き換えることができて、質問するときには先に「あなた(御社)の魅力はこんなふうに感じるよ」って言っておけば、基本的には課題は答えてくれるかなっていうのがあるんです。』
 

ーそれってビジネスでなんかよく使われるテクニックみたいな感じなんですか?


 
『ビジネスでもあるかもしれませんが、僕が就活生の時に編み出したというかよく使っていたパターンですね。』
 

ーでも結構社会人になっても使えそうですね。


 
『そうですね。
 
いきなり「課題って何ですか?」って核心やネガティブ情報から入ると会社側も警戒心が出るんで、「そんなこと言われたら話したくなくないな」みたいな気持ちになると思うんです。

企業側にちゃんと課題があったら「○○な部分が悪いと思っているので、□□のように変えようとしている」ってみたいな話になってくると思うんです。ちょっと心理学的なテクニックになると思いますが、まずは褒めて警戒心を和らげてから悪い点を聞くみたいな感じですね。』
 

どれくらいの就活生が実践しているのか

ーそういう形で課題を聞き出した就活生とかっていたりしました?


 
『えっと、僕は今まで見てきた中ではほんと数人いたかなぐらいですけど、選考が進んでフォローしてく中で、「こういったふうな聞き方したほうがいいよ」ってアドバイスして取り入れてる子たちは1,2割くらいいたかなって感じですね。』
 

ー あ、そんな少ないんですね。接してきた就活生の全体が何人ぐらいですか?


 
『毎年200~300人ぐらい合ってると思うんですけど、5、6年なので、1500~2000人ぐらいかなと思います。』
 

ーそれでもそういうところまで聞き方ができてるのはフォローしても1、2割までって感じなんですね。


 
『そうですね。やっぱり「分かってても言えない」とか、「そういうのはやっぱりやろうと思えない」みたいなところもあるのかもしれないですよね。「こう聞き方あるよ」って伝えても、就活生側に抵抗感があるみたいなんです。多分、「本当に言っていいんだろうか」みたいな。』
 

企業の課題を聞いてくる就活生への人事の率直な気持ち

ーそういう質問をしてきて採用の現場はどう思うんですか?「鋭い事ついてくるな」なのか「結構嫌な学生だな」って思うのかだと。


 
『それが多分、企業ごとに全然違うかなと思ってて、嫌がる企業さんも全然あると思います。僕の働いている会社や僕を含めた採用メンバーは逆に「あ、嬉しいなって」率直に思ってて、ちゃんと課題のところ、悪いところを聞いて、それを踏まえて入ろうかっていう判断してくれようとしてるなっていう捉え方になるんですけど、企業によっては多分、本当6割、7割くらいの企業は「ちょっと嫌な質問だな」と思ってるじゃないかと思いますね。
 
答えづらいとか、ネガティブなことを言うと結局学生が引いていくし、みたいな。』
 

ーたしかにそれもあるんですよね。企業側にも。


 
『そうですね。』
 

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