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新刊のご案内【集英社文庫4月刊】

みなさんこんにちは。
集英社文庫noteです。

4月を迎え新生活が始まった方も多いのではないでしょうか?
環境の変化に戸惑うことも多いかもしれませんが、ピンチはチャンス!
新たなものに踏み出す自分を鼓舞しながら日々頑張っていきましょう。
悩んだときは読書をすることで学びを得ることや、気持ちの整理ができるかもしれませんよ!

さて、4月19日に集英社文庫の4月刊が刊行されました。
今月は13作品。ジャンルも様々です!
こちらの記事では、それぞれの魅力をご紹介していきます。
みなさんのお気に入りの一冊が見つかったら幸いです。


終末医療のあり方を考える。
Yahoo!ニュース|本屋大賞 2020年 ノンフィクション本大賞受賞作!

まずはこちらをご紹介。

『エンド・オブ・ライフ』
佐々涼子

「理想の死」ってなんだろう。
自身が余命宣告をされた“看取りのプロ”は、残された時間をどう過ごすのか。
Yahoo!ニュース|本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞 受賞作

死ぬ前に家族と潮干狩りに行きたい——。
死にゆく人の望みを献身的に叶える医師と看護師がいる。
その一人、訪問看護師の森山文則は、自身がステージⅣのすい臓がんであることを知る。
「看取りのプロ」は病とどう付き合い、死とどう折り合いをつけるのか。
著者は、自らの母の病気とその看病をする父の話を交え、死を迎える人と寄り添う人を活写する。
終末期のあり方を問うノンフィクション。

最初にご紹介するのは、大きな話題となった受賞歴のあるこの作品。
『エンド・オブ・ライフ』
訪問看護師の著者の友人にすい臓がんが見つかり、彼のそばでその最期の日々を見つめるノンフィクション。これまで200人以上を看取ってきた”看取りのプロ”である彼の仕事に同行し、出会ってきた在宅医療の患者とその家族、そして著者自身の母の病気を交えながら“生きること”に真摯に向き合い、人生の終わり方を見つめる一冊です。

日々の中でくすっと笑えるエッセイ&家族小説

続いては楽しく読めるこちらの2作品をご紹介!

左から『小福ときどき災難』『ハロー・グッドバイ 東京バンドワゴン』 

『小福ときどき災難』 
群ようこ

荒ぶる天候に揺れる体調……ストレスフルな毎日だからこそ、
誰もが自分のそばに必ずある、小さな福を見つけられますように。

よいことばかりが起こればいいけれど、実際はそうもいかないのが人生です。
猛暑にコロナ、年金問題。だけど、災難続きの日々の中にも小さな〝福〟は必ずある! 
ぴったりくるメイク用品と出会ったり、かわいいハガキを見つけて思わずスキップしたり、ベランダにやってくる鳥たちの愛らしさに心を和ませたり……。
毎日がきっと楽しくなる、悲喜こもごもの群さん流「小さな幸福探し」エッセイ!

『ハロー・グッドバイ 東京バンドワゴン』 
小路幸也

出会いは別れの始まり。別れは出会いの始まり。
「東京バンドワゴン」の物語は、まだまだこれから――!
大人気下町ラブ&ピース小説

堀田家は朽ち果てそうな日本家屋で〈東亰バンドワゴン〉という古書店を営んでおります。
隣接するカフェでは、ついに夜営業が始まりました。
千円札の挟まった文庫本が連日置き去りにされたり、ひとりでにギターの和音が店内に鳴り響いたり。
不思議な事件とともに、懐かしい再会や新たなご縁が舞い込んできました。一方、この家から旅立っていく仲間も——。
大人気シリーズ、変化と転機の第17弾!

ほっこりなごんでくすっと笑える日常を描いた2作品。
『小福ときどき災難』
大人気群ようこさんのエッセイ!
日々にちょっとした幸せを見つけると、一日が少しだけ楽しくなります。
悲喜こもごも、全部がうまくいくわけではないけれど、その中でもご機嫌に過ごすヒントを貰える一冊です。
『ハロー・グッドバイ 東京バンドワゴン』 
こちらは人気シリーズ最新刊!
堀田家に持ち込まれる数々の不思議な事件の中で、出会いや再会、別れがやってきます。にぎやかな大家族の日々の楽しい会話と共に、人と人とのつながりの大切さ、あたたかさをしみじみ感じられるシリーズです!

時代の中で懸命に生きる人々を描いた本3冊

次は、こちらの3作品を。

左から『宗棍』『本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦』『虹を待つ 駆け込み寺の女たち』

『宗棍』
今野敏

最強の武道家、琉球王朝にあらわる。
彼を知らずして武道は語れない。真の強さを追い求めた空手家の一代記。

本当の強さとは何か。
松村宗棍は13歳の頃、高名な武術家の照屋に武の才を見出される。
首里王府の役人になる試験に合格し照屋の弟子となった彼は、御前試合で城内屈指の強豪たちに挑むことになり——。
国王との交流、女武士の妻との出会い、好敵手との決闘、猛牛との戦い、弟子の自害、そして琉球王国の崩壊。
江戸から明治へと変わる激動の時代、真摯に武道を追い求めた男の生涯を描くエンタメ長編。

『本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦』
梶ようこ

幕末の江戸。つつじ栽培の内職に勤しむ鉄砲同心一家に次々と騒動が⁉

鉄砲の代わりに鋏を握る丈一郎が難題に立ち向かう。
悩ましくて愛おしいお江戸家族小説。

幕末の江戸。
鉄砲同心礫家の丈一郎は三十過ぎだが、つつじ栽培の内職に専心する毎日。
父の徳右衛門が老いても家督を譲らぬためと、小禄の家計を助けたいからだ。
ある日、父を訪ねて同役だった貫田が来る。
田安家家老の俳諧の会に入りたいから仲介してくれというのだが……。
銃の代わりに鋏を握る丈一郎が、礫家を巻き込む様々な事件に果敢に立ち向かう。
笑いも喧嘩も絶えない大家族を描く時代小説。

『虹を待つ 駆け込み寺の女たち』
遠藤彩見

ここは、人生の雨宿りをするための場所。
妻から離縁の申し立てができる縁切寺、上州満徳寺。
事情を抱えた女たちが、今日も駆け込んでくるが……。
人生に悩むあなたに贈りたい時代小説No.1!

妻から離縁の申し立てをするには、縁切寺に駆け込むしかない——。
夫の浮気に悩み、この世にたった二つの縁切寺の一つ、上州満徳寺へやってきたなつ。
だが、そこにいたのは夫の情女で!? 
憤るなつに、美しき尼僧・慈白は、ここで助け合って暮らすように言い……。
事情を抱えた女たちは、笑い泣き、時に励ましあいながら、人生の〝雨宿り〟の場で何を見つけるのか。
迷えるあなたへ贈る連作時代小説。

【特集ページはこちら】

江戸から明治にかけて、激動の時代を生き抜いた人々の小説3冊をご紹介。
『宗棍』
琉球王朝時代もっとも偉大な武術家と言われた松村宗棍の生涯を描いた武道エンタメ作品。
そもそも空手が琉球発祥だ、というのは皆様ご存じでしたでしょうか?
宗棍激動の生涯を追うことで今に通じる”強さ”の本質が見えてくるかもしれません。
『本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦』
幕末の江戸でつつじ栽培に勤しむ鉄砲同心一家の物語。父が家督を譲らず、またお役目だけでは食べていけないため、つつじ栽培の内職に専心する丈一郎。日々巻き起こる様々な事件に立ち向かい、己の在り方を考えます。あたたかな大家族と共に描かれる、笑いあり涙ありの人情物語です。
縁切寺に駆け込む様々な女性たちの話を綴った『虹を待つ 駆け込み寺の女たち』
事情を抱えた彼女たちですが、寺で共に暮らし互いに励ましあいながら自分なりの答えを見つけていきます。
連作小説なので読みやすく、時代小説に慣れていない方にもおすすめ!
新しい環境で一杯一杯になった時、悩み答えがわからなくなった時。私たちにも心の雨宿りをさせてくれる一冊です。

愛ゆえに、情ゆえに、衝撃的な2冊

続いては深く考えさせられるこちらの2作品をご紹介。

左から『百合中毒』、『最愛』

『百合中毒』井上荒野

25年前に家族を捨てた男の突然の“帰宅”。
妻は、娘は、愛人は、それぞれの不都合な現実と向き合う――。

25年ぶりに父が帰ってきた。
イタリア人の若い女と恋仲になり、家族を捨てた男が。
だが、園芸店を営む母・歌子にはすでに恋人がいた。
次女の遥は父を許せずにいる一方で、職場の既婚者と不倫中だ。母と働く長女の真希は、隠し事をしている夫に不信感を抱いていて……。戻ってきた「異物」によって浮かび上がる、不都合な現実。夫婦とは、家族とは? 7人の男女の目線から愛を問い直す長編小説。

『最愛』小杉健治

闇バイトで殺人容疑者に!? 愛の暴走が生み出す冷酷な犯行の真相とは──。
連続する殺人の謎を解き明かすため奔走する弁護士の活躍!
書き下ろしミステリー。

鶴見弁護士は、同期の的場から強盗殺人容疑の栗林の弁護について相談を受ける。
栗林は、闇バイトで強盗に入ったことは認めたが、殺害は否認。
バイト仲間のイチローが殺したと主張するも、その男の存在が証明出来ないという。
一方、鶴見は撲殺事件の容疑者の弁護を引き受ける。半グレだった被害者を調べると、栗林の事件と繫がりが……。〝愛〟という魔物が生んだ凶行の真相とは!?長編ミステリー。

愛にまつわる2作品をご紹介しました!
『百合中毒』
こちらは、25年前ぶりに家に帰ってきた父親とその存在を通してお互いの現実と向き合うある家族の話です。
忙しない日々の中で”なんとなく”のまま良しとされていたものが、炙り出されていくさまが何ともリアル。不在だった父親の帰宅、という些細なきっかけで絶妙なバランスが崩れていきます。
『最愛』
鶴見弁護士が活躍する書下ろしシリーズ最新作!
鶴見京介弁護士は同期の的場弁護士から、彼女が担当する闇バイト強盗殺人事件の相談を受けます。その後、鶴見弁護士は廃品回収業者の社長が撲殺された事件の弁護を引き受けますが、調査を進めていくうちに闇バイトの事件とも関連性が見えてきて……。”愛”ゆえに巻き起こる事件から目を離せないミステリーです。

フレッシュな筆致で描かれるエンタメ小説!

お次はこちらの3作品をご紹介

左から『神曲プロデューサー』、『ウィンズテイル・テイルズ 時不知の魔女と刻印の子』、『剝製の街 近森晃平と殺人鬼』

『神曲プロデューサー』
杉井光

私は、音楽やめるくらいなら、音楽やめるよ・・・・・
仕事として音楽に関わってきた〈何でも屋〉と「音楽以外なんにもない」世界的な歌姫の出会いが運命を変える――。
30万部突破『世界でいちばん透きとおった物語』の杉井光が贈る、音楽でしか生きられない男女が惹かれあい導きあう物語。

作曲・編曲・演奏・執筆などを兼業する音楽業界の〈何でも屋〉蒔田シュン。
自作曲のMVがネットでバズり、カリスマ歌手・海野リカコの「三十日連続一位を止め」たことから彼女と知り合う。
しかしバズった曲に盗作疑惑が持ち上がり……。
歌手、スタジオミュージシャン、アイドル、映像作家、プロデューサーなど、音楽に人生を託す人々の生き様と、大人のボーイミーツガールを描く連作小説集。

『ウィンズテイル・テイルズ 時不知の魔女と刻印の子』
門田充宏

突如現れた、謎の巨大生物に文明を奪われ、大地を無機質な石英で覆い尽くされた、近未来地球。
世界を取り戻す鍵は、少年少女に託された――。

漆黒のゴーレム〈徘徊者〉による侵略が続くこと百二十年。
地球上のあらゆる文明が異界に吞み込まれ、大地の大半は無機質な石英と化していた。
うなじに特殊な刻印を持つ少年・リンディはこの日、町守見習いとして初めての仕事へ向かう。
その眼前に、いきなり巨大徘徊者が——。
失われゆく世界の最前線・ウィンズテイルで、人類を救うための最終決戦が始まる。
大迫力のSF×バトルファンタジー!

【作品紹介ページはこちら】

『剝製の街 近森晃平と殺人鬼』
樹島千草

RIKU(THE RAMPAGE)推薦!
「人間の内側に潜んでいるモノ、秘めている事、それを抱える事で人はどうなるのか。
少し怖いですが、自身を見直すきっかけにもなるかなと思います。」

失踪した人が半年後に剝製として発見される——。
そんな怪事件が続く街で探偵事務所を営む近森晃平と、幼馴染の美貌の青年・彗は、被害者遺族からの依頼をきっかけに事件の調査を始める。
事件を追ううち、11年前に起きた猟奇連続殺人事件「キャトル事件」との関連が見えてくるが、実は晃平は、その事件で両親を殺された被害者遺族で……。
過去と現在、猟奇と耽美が絡み合う長編サスペンス。

世界観が際立つフレッシュなエンタメ小説3冊をご紹介しました!
音楽業界が舞台の連作短編集『神曲プロデューサー』
やりたいことに本気でぶつかる大人たちの青春物語になっています。
物語の中から彼らの熱量が伝わって来て元気を貰えること間違いなし!
新生活にもピッタリな一冊です!
『ウィンズテイル・テイルズ 時不知の魔女と刻印の子』
2カ月連続刊行の近未来SF×バトルファンタジー小説!
突如現れた未知の巨大生物〈徘徊者〉によって文明が衰退した地球で、脅威に立ち向かう少年少女たちの戦いを描いた壮大な物語です。
来月に第二作目も発売されますのでお楽しみに!
『剝製の街 近森晃平と殺人鬼』
平和な街で起こる猟奇殺人をめぐるサスペンス。
探偵・近森晃平のもとに殺人事件の被害者遺族からの依頼が舞い込みます。美貌の幼なじみ・慧と共に捜査をしていくと、晃平とも関連のある、とある事件との結びつきが見えてきて……。
恐ろしいけれどつい読んでしまう! ドキドキハラハラの事件簿です!
平凡な晃平と非凡な慧のやり取りも軽快で楽しく、さらっと読めるサスペンスを読みたい方はぜひ。

読み応えずっしりのノンフィクションと歴史改変小説

最後はこちらの2作品を

左から『沖縄密約 ふたつの噓』、『プロット・アゲンスト・アメリカ』

『沖縄密約 ふたつの噓』
諸永裕司

国は昔も今も我々を欺いてきた。

1972年、政府の隠蔽を告発し、国家によって葬られた西山太吉氏の足跡を追ったルポ。
西山氏本人ではなく、彼に近い二人の女性の視点から追うことで「沖縄密約事件問題」の核心を本質的にとらえる試み。

米統治下にあった沖縄の返還を前に交わされた日米間の密約。
それを告発した新聞記者の西山太吉氏。
しかし女性事務官から機密を入手した取材手法に問題をすり替えられた。
密約が米公文書によって裏付けられたのはそれから30年近く後。
本書は西山氏の妻と弁護士、二人の視点から描くという独創的な切り口で、西山氏の功罪を照射する。
沖縄の問題にとどまらない、政府の闇を暴くノンフィクション。

【特集ページはこちら】

『プロット・アゲンスト・アメリカ』
フィリップ・ロス 
訳:柴田元幸

ありえない。まさか。合衆国大統領だなんて。

1940年、もしもヒトラーの友人で反ユダヤ主義者のリンドバーグが米大統領になっていたら……。
ありえたかもしれないファシズム擡頭をひとりの少年の目から描くフィリップ・ロスの傑作。

切手集めに情熱を注ぐフィリップ少年は7歳。
営業マンの父と快活な母、絵が上手な兄サンディとニュージャージーのユダヤ人地区で暮らしていた。
1940年、そんな平穏な生活を揺るがす大事件が起こる。
ヒトラーの友人であり反ユダヤ人主義のリンドバーグが、ローズヴェルトを破ってアメリカ大統領に当選したのだ。
——じわじわと差別が広がり、人権が蝕まれていく混乱と恐怖を、少年の目で描いた傑作。

ずっしりとした読み応えの2作品をご紹介しました。
『沖縄密約 ふたつの噓』
沖縄返還前に日米間で交わされた”密約”を告発し、国を相手に闘った西山太吉氏の足取りを、西山氏の妻と弁護士の2人の視点から追うノンフィクション。
単行本刊行時から約10年の時を経て、その後の顚末を大幅に書き下ろし収録しています。
『プロット・アゲンスト・アメリカ』
”あったかもしれない”アメリカを描いた名作。
作者と同姓同名の7歳の主人公フィリップ・ロスはユダヤ人。アメリカ大統領としてリンドバーグが就任したことによって、じわじわとユダヤ人差別がアメリカでも広がっていきます。
アメリカでドラマ化もされているこの作品。巻末には資料として各登場人物の正史も載っているので、物語と対比して読み込むのも面白いですよ!

いかがだったでしょうか?
今月もバラエティ豊かな集英社文庫でした。
来月の刊行もお楽しみに!

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