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勝手に期待して、勝手に怒っていませんか?

今回はビジネスにおける「怒り」の感情について考えてみたいと思います。
まず怒りという感情について見てみます。

怒りは第二次感情と言われます。第二次と書く通り、怒りが発生する前には第一次感情があります。それは、「悲しい」「不安」「怖い」といった感情です。

例えば、食事の約束をしていたのに、直前に相手から来られないと連絡が入った場面を想像してください。まずは悲しいという気持ちがやってきます。その後、すぐに「前々から約束していたのになんて人だ」と怒りの感情がこみあげてくるという流れです。

今回は怒りそのものよりも「ビジネスでは勝手な期待が怒りを生んでいる」というテーマですので、そこにフォーカスしたいと思います。

怒りを生む第一次感情には「落胆(がっかり)」があります。これがビジネスでは非常に厄介です。
なぜかと言うと、ビジネスでは「うまくいかないこと」の方が多いからです。

1年かけて提案してきた案件がぽしゃった、3年かけて育成してきた部下が転職した、などなど落胆してしまうケースというのは非常に多いです。こういった時に、せっかくここまで親身にしてきたのに、なんて奴(奴ら)だ!と怒りが生まれます。

ただ、考えてみて下さい。「落胆(がっかり)」とはなんでしょうか?
それは、期待を裏切られることです。

先ほどの例でいえば、「1年かけて提案してきたのだから、契約してくれるだろう」「3年かけて育ててきたのだから今後も働いてくれるだろう」という期待です。

相手がそんな約束をしていなければ、それは勝手な期待です。

このように考えると「期待」がいかに怖いか見えてきます。人は勝手に期待を抱いてしまう生き物です。
「今度入ってきた社員は〇〇大卒で〇〇でも経験を積んでいるし、こんな活躍をしてくれるはずだ」とか、プライベートであれば「家族(パートナー)なんだから仕事で疲れて帰ってきた日には〇〇してくれて当然だ」とか。

こういう勝手な期待が裏切られると人は怒りを覚えてしまいます
皆さんも普段無意識のうちにどんな期待を誰に対して持っているか考えてみませんか?

少しビジネスから離れて考えてみます。日常生活は多くの期待によって円滑に動いています。
電車を降りる時は「乗ってくる人は降りる人を待ってから乗ってくるはずだ」と思います。そんな中、自分が降りるより前に急いで乗ってくる人がいたら身勝手な人だと怒りが生まれます。

また、人によって期待値が違うというのもあります。
例えば、困っているときに家族が助けてくれなかったら怒りが生まれるかもしれませんが、見知らぬ人が助けてくれなくても怒りは生まれません。
それは、家族に対する期待と見知らぬ人に対する期待が異なるからです。

しかし、期待が全て悪いわけではありません。期待とは予測にも近いものです。
今回頑張って〇〇という施策を打ったので、〇〇という結果が得られるだろう。これは期待ともいえるし、予測とも言えます。

問題は予測の中でも願望に近いものです。
今回頑張って〇〇という施策を打ったので、〇〇という結果になって欲しい。これは願望です。

同じように、もう新入社員じゃないんだから〇〇くらいはできていて欲しい、というのは願望です。

予測は悪いことではありませんが、それが願望になってしまっていたら要注意です。そうなると、勝手に期待をして、裏切られると怒りが生まれることに繋がってしまいます。

最近、怒りを感じたことがあれば、その背後に「勝手な期待」が潜んでいなかったか思い返してみて下さい。または、周りを見渡してみて、人に対してどんな期待をしているか振り返ってみて下さい。その期待は願望ですか、予測ですか?

もし勝手な期待を抱いていたとしたら、願望は捨てて、正確な予測に基づいて行動をしましょう。
そうすれば、余計なイライラや怒りから少しだけ解放されます。


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