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「仕事ができると」は何か?#3 なぜ人の忠告が聞けないのか、「過失割合」という考え方

これまで仕事ができるとは何か?をソフトスキルの観点から見てきましたが、今回はビジネスでの「マインド」の持ち方について話したいと思います。

マインドと言っても、マインド全般の話ではなく、ミスをした時にどう立ち振る舞うかという話です。

ミスから学べる人、学べない人の違い

人は誰しも間違いを犯します。人から指摘を受けて改善できればなんの問題もありません。
しかし、人からの指摘や忠告が耳に入らないという人は案外多いものです。
いまこの記事をお読みになっている方でも「自分は素直に人の忠告を聞き入れられる」と思っている人は多いと思いますが、私は懐疑的です。(すみません。。)

なぜなら「100%自分が悪い」(と自認している)場合は自分に非があることを多くの人が認められますが、ほとんどのケースは100%どちらが悪いとは言えないからです。「20%自分が悪い」ケースや「50%自分が悪い」ケースでは、残りの相手が悪い80%、50%の部分で言い訳をする余地が残ってしまいます。

具体的にこのようなケースを想定してみましょう。
あなたは上司から資料作成の依頼を受けました。資料は金曜朝に上司の上司である部門長とのミーティングで利用します。そのため、そこまでに資料内容を上司とすり合わせる必要があります。
あなたは頑張って2日前の水曜日夕方に資料作成を終えました。そこで、上司と木曜日夕方に事前すり合わせの時間をセットしました。
しかし、急遽、木曜日になってから上司に取引先の訪問予定が入ってしまい、上司との事前ミーティングができなくなってしまいました。
結局、金曜日の部門長ミーティングでは、資料のすり合わせができていなかったため、説明がうまくいきませんでした。
ミーティング後にあなたは上司から「もっと早く私に見せるべきだった」ときつく指導を受けました。
あなたはこのようなケースでも自分が悪いと思えるでしょうか?

多くの人がこのような場合では「私は頑張って事前に見せようとした。直前にリスケしたのは上司の方だ」と上司の忠告が耳に入りません。
上司からしてみたら「急遽予定が入ることもある。それを見越してスケジュールを組むべきだ」と考えています。

ここから何が学べるでしょうか。

過失割合という考え方

私自身も似たような体験は山ほどしたことがあります。相手にも非があると思うと、そこばかりに目が行き、相手の忠告が耳に入ってこないのです。

話は少し変わりますが、ある時、免許の更新で久しぶりに交通ルールについて考える機会がありました。
自動車同士の事故は発生件数が非常に多いため、あらかじめ起きた状況に応じて基本の過失割合を定めているそうです。

例えば、あなたが優先道路を走っているときに、交差点に進入してきた車と事故を起こしてしまった場合を想定してください。優先道路を走っていなかった車の方が悪いのですが、それでも10%の過失割合が優先道路を走っていたあなたにもあるとされています。

過失割合

それは優先道路を走るあなたにもスピードの出しすぎや前方不注意などの何かしらの落ち度があったと考えられるからです。

これは仕事でも同様のことがいえると思います。相手が悪い!と思っていたとしても、振り返ってみると自分に全く非がないということはむしろ稀だと思います。

そんな時に過失割合という考え方を思い出してみて下さい。
「確かに相手に90%の過失があるけれど、自分にも10%の過失があるな。この10%を次回から気を付けよう。」
このように冷静に捉えるだけで、どんなに最初理不尽だと思えたことでも学びに繋がります。

さて、冒頭の問いに戻りますと、人の忠告に耳を傾けられないのは、みんなが頑固だからではなく、相手にも非があるケースの方が圧倒的に多いからです。
そんな時、相手を責めるだけではなく、自らの非も受け止めて次に繋げられるかどうかで、その後の成長に大きく影響すると考えています。そのためには仕事においても過失割合があり、自分の過失割合から学ぼうという姿勢が重要なヒントを与えてくれます。

今回はマインドについてお話しました。

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