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宗教的断食とは?宗教ごとにサクッと紹介

ラマダンもついに残り一週間となったタイミングと、イースターもあったということでちょっと宗教の話をしようと思う。

カナダで生活をしていると、移民国家なので多文化・多人種・多宗教に毎日触れる。世界三大宗教である、キリスト教・イスラム教・仏教の他にも本当にさまざまな宗教を信仰する人も多く生活している。ただ、ほとんどどの宗教にも共通して行われる習慣の一つに「断食」がある。

日本だとやはり根底に仏教の文化が根付いているので、断食と聞くと飲まず食わずで何日も過ごす、というイメージが強いと思う。しかしラマダン、いわゆるイスラム教徒式の断食は日の出から日の入りまで何も口にしてはいけないというルール。他にも、その期間は性的なことをしない、悪口や暴言を口にしない、積極的に人を慈しむ活動をする(募金など)などのルールがある。

つまり目的としては、神様や宗教とのつながりを改めて強くしていくための期間。

飲み食いできない分、その時間をお祈りの時間に充てて神様ともっと交流をしたり、飢えを感じることでよりいつも当たり前のようにできている食事がいかにありがたいか知ることができる。私は空腹の時はより頭が冴えているとすら感じるし、普段使っている言葉もより丁寧に発そうと意識する。

さらに一定時間飲み食いをしないことは、実は科学的にも立証されているほど健康にもいいのだそう。細胞の回復力が高まり、がんの予防にもつながると言われている。もちろん、ルールの中に「健康に問題がある人、妊婦などは例外とする」とあるのであくまでも無理のない範囲で行う。

さて、キリスト教の断食について。キリスト教が断食するイメージはあまり知られていないかと思うが、先日イースターがあり、日本でもなんとなく聞いたことがある人も増えてきたのではないだろうか。

イースターはキリストの復活を祝う、キリスト教にとっては最も重要な日である。復活祭の46日前の水曜日からキリスト教はいわゆる断食を行う。断食とは言っても、現在では完全に食事を断つわけではなくその46日前の水曜日(灰の水曜日)とグッドフライデーと呼ばれているイースター直前の金曜日に行う。

ルールとしては一日に一回のみの十分な食事と、朝食と間食の時間にほんのわずかな食事を摂り、肉類を食べない。というものだ。

仏教の断食はいわゆる日本でよく知られている、何日も食事を摂らずに水のみで生活をし、回復食として重湯やお新香から始めて徐々に通常の食事に戻していくというやり方。ただ、お寺などによって期間は異なるようで、3日の場合もあれば一週間の場合もある。言い伝えによるとブッダは3週間が限界とされている断食を2ヶ月続けたという。

もちろん世界には他にもさまざまな宗教があり、ルールも異なるが目的は似ていると思う。いつもよりも「当たり前」に気がつき、悪い行いを正し、より良い行いをしようと心がける。

断食は苦しそうというイメージがあるが、まあ本音を言うと容易ではないと感じる瞬間ももちろんある。でも、日が落ちた後に口にする最初の一口の水や食事がまあ美味しいのなんのって。それを一ヶ月続けてもまだ毎日感謝する。そして達成感もあるし、日々精神的に鍛えられている気もする。

まだまだ、精神的にきつい日もある。でも、自分を信じて、神様を信じて今やれる最大の努力をしようと思う。

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