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Ethiopian Football News (vol.10)

こんにちは、シュウです。

ハッピーバレンタイン!!と言うことで…過去のレポート紹介です。

一応、記念すべき第10号です。

どうぞ、お楽しみください!


2017.4.26
エチオピア滞在9ヶ月目

新年度を迎え、気持ちを新たに活動に精力を出していきたいと思います。先日、サッカー分科会が無事に承認されました。この分科会は、エチオピアでサッカー指導に関わる隊員を中心に活動していきます。
また、分科会のプロジェクトとして「E-プロジェクト」が新にスタートします。このプロジェクトは、エチオピアの各地方に行き、「サッカー教室」と「暴力根絶活動」を併せておこない、スポーツを楽しんでもらおうというプロジェクトです。E-プロの“ E ”は、Ethiopia, Everyone, Every day, Every place, Enjoy から付けました。エチオピアの人々が、いつでもどこでも楽しめるプロジェクトにしたいです。
さて今月は、そのE-プロジェクトの第1 弾の話題からスタートします。

1.E-プロジェクト in ティグライ州(マイチョウ、アラマタ)

4 月10 日から22 日まで北部のティグライ州にあるマイチョウとアラマタという町にE—プロジェクトを行ってきました。マイチョウは、アディスアベバよりも標高が高く少し肌寒い場所でした。近くには、ティグライ州で一番高いと言われているチベットという山があり、周りを山に囲まれている町です。中でも一番有名なのは、ライヤービールという地ビールの工場あることが有名で、町のシンボルのひとつになっています。 この工場は、ドイツの会社がサポートし、ドイツ仕込みのビールを作っています。そのため、味に苦みとコクがしっかりあってとても美味しいです!!サッカー連盟もそうですが、ドイツが至る所にいい感じでエチオピアをサポートしているのに驚きました。
さて、サッカー教室はというと、当初4 日間の予定でいましたが、金曜日がGood Friday という謎の祝日があることを現地に入ってから知り、火水木の 3 日間になりました。年度末に購入した新品のボールを 10 個持っていき、カバンからボールを出した時の子どもたちの表情が輝いていました。今回は、3年生を対象にドリブルの練習とゲームを行いました。男女関係なくボールにたくさん触れてもらい、笑顔がたくさん見られてよかったです。気が付くと学校の校庭の周りには、うらやましそうにサッカー教室を見つめている子どもたち・・・時間があればみんなにもやらせてあげたいなと思いました。

サッカー教室やるぞ!の後
ドリブル練習
隊員も一緒にプレー
やっぱりゲームが1番楽しい
ほんわか

週が明けて、17 日からアラマタという町に行きました。アラマタは、大きな幹線道路を中心に栄えていて、人口も急増している成長著しい町でした。といっても、ほとんどの田舎町が幹線道路沿いに栄えているのですが・・・。
また、大きな湖が近くにあり、水が充実していると言いたいところですが、人口増加に伴い断水が多くある地域で、最終日には、ガス、水道、電気が止まるという普通の日本人では死んでしまうような過酷な状態に陥りました。しかも、めちゃくちゃ暑い・・・これも大切な経験ですね(笑)
そして、活動の方は、3 年生2 日間、4 年生2 日間で予定していました。でも、すんなり予定通りいかないのがアフリカあるある・・・最初の 2 つ日間、3 年生は、子どもが集まって順調に行うことができましたが、4 年生の日になっても 4 年生たちは来ません・・・。心配になり、学校に行ってみると約束の時間に授業をしているではありませんか。校長先生に話と違うといっても「1・2・3 年生が午前シフト、4・5・6・7・8 年生が午後シフトだから、4 年は午後に授業だ」・・・出た、出た、月曜日に紙に書いてまでして日程を確認したのに・・・そのときは、何も言ってなかったのに・・・、「じゃあ明日、朝だったら大丈夫だよね?」と聞くと、「チギリイェンレン(問題なし) 」という約束を取り付けて、その日の活動は終了。4 日目の朝にグラウンドに行ってみると、また誰もいない・・・さすがにイライラしながら、また校長のところにいくと「今日、ミニテストがあるから、午前は勉強させたい」という・・・、勝手に話が変わっているよね(苦笑)
他の隊員と、キレそうになりながら・・・実際キレていましたが、切り替えてグラウンドで暇そうにしていた子どもたちを集めて、ゲームをしてなんちゃってサッカー教室を行い一緒に遊びました。だけど、なんとなくすっきりしない・・・でも、参加した子どもたちが満足そうに帰って行ったので、これはこれでいいのかと言い聞かせながら、今回は終了しました。
現地の人からすると、我々がいってサッカー教室をすることにそんなに価値を感じていないのか、わざわざお金を払って重たい荷物を持って来てまでやっているのに・・・と思ってしまいました。そう思うのは、多少なりとも自己満足したいからなのだろう。けれど、そうならない活動にしたいので、現地の人たちと会話、対話していく必要性があると改めて感じました。

並べるのにも一苦労
すげぇ沢山いたんだよね
礼儀は大切
ボールを夢中で追いかける
狭いスペースが立派なピッチに
みんなカメラが好き

2.スーパーリーグの練習参加

エチオピアのサッカーリーグは、大きくプレミアリーグ、ナショナルリーグ、ハイヤーリーグ、スーパーリーグと 4 つに区分けされています。プレミア、ナショナル、ハイヤーまでが一応プロ選手がいるそうで、スーパーリーグはアマチュアの最高峰リーグになっています。先日行ったアラマタには、スーパーリーグのチームがあって、隊員が指導に入っています。せっかくの機会だったので練習に 2 日間混ぜてもらいました。練習といっても、エチオピア体操(日本で言うブラジル体操みたいなやつ)、6 対2 のボールポゼッション、ゲームというシンプルなものでした。一応、チームには監督がいて、練習メニューを考えているそうですが、隊員いわく新しい練習メニューを提案しても、 監督が理解できないからなかなか実施してもらえないという。 ここでもまた、新しい物への抵抗感が半端ないエチオピア人の性が出ちゃいましたね。だから、発展していくのに時間がかかるのだと思う反面、エチオピアらしさがいつまでも残っているのだと思います。何事もバランスが大事だと思いますが・・・。
さて、練習に実際に交じってみて、厳しいようだけど「サッカーになってない」という感想でした。これでアマチュア最高峰なのか・・・という逆に度肝を抜かれました。ボールをポゼッションすることだけが大事という感覚で、目の前にゴールがあってもシュートを狙わない、 かといってポゼッションできる技術もなく、目標なきボール回しが永遠と続き、ただただ蹴りまわしている感じでした。それでも、楽しそうにゲームをしている青年たちをみて、本人たちが満足しているならこれはこれでいいのかなと思いました。色々と型にハマらず、ダメな意味での規格外・・・でも、そこに満足感があれば、それで十分なのだろうと考えさせられました。エチオピアにいると、どんどん欲が無くなりますね(汗)
少し話題が変わりますが、アディスアベバに戻る日に、U-15 のセレクションをやるから手伝ってほしいと現地の隊員に言われました。もちろん OK なので行ってみると、セレクションを受けるが誰かわからないくらいたくさんの人がいました。選手をチェックするのも一苦労・・・、順番という概念がないのか、我先にと前に割って入り、ケンカになる・・・とほほ、と思いながらも、いざゲームが始まると、輝く原石がいるのですね。2 人で選手をチェックしながら、 「あの子は、センターバックで活きそうだね」 、「この子は、ボールを持ちながら顔が上がるね」など、ワクワクする感覚を久々に受けました。現地の隊員は、来月からチームを立ち上げて、スーパーリーグの指導から U-15 の指導に変わるそうです。若い選手を選考しながら、「来月から楽しみです!」といっていた彼の表情が印象的でした。未来のスーパーリーグで活躍する選手を、いやプレミアリーグで活躍する選手を輩出してくれることを期待しています。

やんちゃな奴ら
この子たちが選ばれた
選考の様子
結果の発表

3.マテリアル ブズブズ アッレ!!情報不足は恐ろしい・・・。

とある平日、アディスアベバの中心街ピアッサでぶらぶら他の隊員と散策しました。そしたら、スポーツショップがブズブズアッレ(たくさんある)、9 カ月間「物がない」と嘆いていた他のスポーツ隊員と即情報共有(笑)
ボールもミカサやモルテンの製品があり、スパイクもアディダス、プーマ、ナイキだけでなく、ミズノの製品もあり、帰国報告会で先輩隊員が「バスケのリングが無い」と笑いを取っていたが、バスケのリングも売っていました。手作りで得点ボードを作成し「これが私の活動の成果です」と誇らしげにいう隊員もいたが、得点ボードも売っていた・・・もちろん、現地の人が買える値段で・・・。
過去に、様々なボランティアや NGO などの団体が「物を与える」支援をしてきたせいで、 「物がない」と言えば何でももらえると思っている人が多くいます。エチオピアには、物乞いも多くいて、また宗教的にも「与える」ことが文化としてあることは確かだけど、「必要な物は何か」「それを獲得するためにどうするべきか」などの知識や情報の共有が必要で、 少しずつ支援する内容が変わってきているのではないかと思います。 (といっても、何を目的にしているかによって話は変わってくると思いますが・・・)
エチオピアのサッカー連盟や陸上連盟は、国際大会があり海外のネットワークも多く、情報量も他競技に比べてとてもたくさん持っています。そのため、連盟の人たちは「物には困っていない、今欲しいのはノウハウや知識、情報だ」と口をそろえて言います。でも、それ以外のスポーツ団体では、他の隊員から聞く限り、本当に情報量が乏しく感じます。例をあげると、バドミントン連盟に配属されているボランティアから 「エチオピアでは、ラケットやシャトルは買えないから、 任国外旅行のついでに買わないと・・・」という、勿論、ラケットやシャトルもヨネックスの日本製がピアッサのスポーツショップに売っていた。
バトミントン連盟の人は、ピアッサのスポーツショップの情報を知りませんでした。というより、探さなくても「物がない」といえば、誰かが与えてくれてきたから、探さなくても良かったのかも知れません。もしくは、物がないから「何もできない」「仕事ができない」と理由を作っていたのかも知れません。バドミントン連盟に配属されている隊員も活動がないと毎日ボヤいて腐りかけています(汗)
話の落としどころがわからなくなっていますが、赴任当初にエチオピアには物がないから「物が欲しい」と言っていた自分が恥ずかしい。また、バスケリングや得点ボードがあれば、先輩隊員たちもより充実した活動を生み出すこともできたはず・・・。そう考えると「情報を得る」ということは、今後の活動のキーワードになると思いました。

サッカー隊員たちと
いちごのチマキ
現地隊員の大家さんの弟だったかな
良い眺め
山の民
地割れ

4.最後に

新たに立ち上がったE-プロジェクトですが、隊員間で「E-girls みたいでカッコいいし、何かの縁でE-girls とコラボできるのではないか」という、浅はかな夢を抱きながらプロジェクトを進めていきたいと思います。何事も遊び心が大切と、言い聞かせながら(笑)


結局のところ、言うまでもなく、E-girlsには会うことはできませんでしてね…笑。

ではまた!

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