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【シャニマス】鈴木羽那をプロデュースして感じた「アイドルじゃない人達が持つアイドルに対する身勝手な願望と期待」

enza版シャニマスに鈴木羽那郁田はるきが実装されて早1週間経つが、ようやくこないだ羽那のプロデュースができたのでその所感を書こうかと。
(割りかしネタバレ全開の話になるので閲覧する方はご注意を。はるきのプロデュースはまた追ってします……)

enza版より先にシャニソンからの登場ではあったが、個人的に割りかしバックボーンなどが気になるタイプなので何故アイドルになったのかという経緯を知ってからじゃないと手が動かんなぁと思いCoMETIKをプロデュースするのは後回しにしていた。

ネットでは思わせぶりな言動や距離感がバグった振る舞いが目立ち過ぎたせいで脳をやられてしまうオタクが散見されていたが、既に拗らせ切っていた自分は「ぜってぇこんな女に騙されるかよ」と息巻いていた。
後述する彼女のパーソナリティや後に彼女を取り巻いていく環境を知ってからはごめんなさいという気持ちでいっぱいだ。

シャニPがたまたま見かけたSNSの動画がきっかけで鈴木羽那はアイドルになる道を選ぶことになるんだが、その動画は「#可愛すぎる友達」というハッシュタグがついたものだった。
どのくらい可愛すぎるかというと、都内在住であろうアイドル事務所のプロデューサーがわざわざ彼女が在学する高校に連絡を入れアポイントを取り、わざわざ彼女の居住地である岡山まで足を運ぶ程だ。
(どういうフットワークしてんだよこの男は)
それだけ光るものを見出したのだろう。

校門でプロデューサーを見掛けた女子生徒のセリフからも分かるように、その整った容姿や溢れ出る清廉潔白さ故に学校でも有名人らしい。
ひょっとしたらアイドルになってもおかしくないとか、寧ろアイドルになるべきだとか感じる生徒も多かったのではなかろうか。

しかし、羽那がアイドルになってもすぐに大成する訳ではなかったらしい。ルックスや人間性は褒められる一方、撮影は苦手でスタッフの思い通りに行かないことがあったり、商業施設のステージでパフォーマンスを披露するも通行人には「盛り上がってんね」程度の感想しか持たれなかった。
磨けば光るのだろうが、どうもシャニPは納得いっていないみたいで「新人アイドルとしては素晴らしいイベントになっていると思う。だけど、羽那に似合うステージはここじゃない」と感想を述べていた。

何故、スカウトした本人がここまで嬉しそうじゃないのか。
個人的にまずそこに引っかかった。
あんた自身がわざわざ地方に出向いてまでアイドルにしたかった女の子だろ、その子が望む空に羽ばたかせるのがあんたの仕事だろ、その最初の一歩をなんで喜べないのかよ、と非常に思った。

シャニPは鈴木羽那に対してどこまでのポテンシャルを望んでたんだろう。
私がなんでここまで怒ってるかというと、他の283プロのアイドルに対してはここまでの感情を垣間見せてなかったからだ。

櫻木真乃をスカウトした時、シャニPは最初から最後まで応援の言葉を送り、心象描写からしても彼女が進む一歩一歩全てが糧になるように望む想いが伝わってきた。
七草にちかをプロデュースしている時、彼女の性格の難儀さやバックグランドについて慮りつつも彼女が幸せになれるように共に歩む覚悟を決めていた。

それがなんだ、あんたは鈴木羽那に対してどれだけ自分勝手な願望を抱いてるんだ。それがとても気に食わない。

そしてふと、昔橋本環奈がネットを騒つかせた頃の事を思い出した。

もう10年程前になるだろうか。ネットに投稿された「1000年に一人の美少女」という一枚の画像が世間を賑わせた事があった。
当時無名の地方アイドルだった橋本環奈の名前が凄まじい勢いで日本中に知れ渡った出来事で、それを境にCM出演やテレビ番組のオファーが殺到する事態になったという。

その頃の私はアイドルというものに一切の関心がなく、橋本環奈という人が有名になっている! という世間の動きに対してもへぇ、そうなんだぐらいにしか思っていなかったが、唯一引っかかったのは「1000年に一人の美少女」という触れ込みだった。

年端も行かない少女が多くの人々にこんな持ち上げられ方をされたらどんな気持ちになるんだろうか。ひょっとしたらプレッシャーとか責任とか相当感じてるんじゃなかろうか。
周りの人たちの勝手な期待によって、皆が望む「橋本環奈」でなければならない事を本人はどう思っているんだろうか。その事がとても気がかりになっていた。
結果として今や世間に引っ張りだこの有名女優として活躍されているから良かったとは思うけど。

話を戻すと、そのぐらいの期待というものをシャニP一人で抱えてるんじゃないかと感じる。
この子はもっと羽ばたける、羽ばたかせなきゃいけない、この位の高度じゃ物足りる筈がない、みたいな焦りが文脈から察せられるので「おいおい、あんた大丈夫か? なんでそこまで必死なんだよ?」という疑問が絶えない。

Twitterなどを見ていると、
シャニPと羽那の関係 ≒ 天井社長と八雲なみの関係
なんじゃないかみたいな感想が散見された。
確かに私も近しいものを感じたし、皆それ程の危うさを感じてるんだなぁとも思う。

今から述べる事は本当に極個人的な感覚なので怒らずそっとしておいて欲しいんだが、鈴木羽那という女性は「アイドルが持つべき素質を最初から何も持っていなかった」人物なんじゃないかと思う。

当然アイドルにはファンやファンになり得る人が目を引く容姿や雰囲気、人間性が必要なんだと思うが、当然それ以外の要素も必要な訳で。
283プロのアイドル達は、少なからずそれを持っていたからこそアイドルになれたんじゃないだろうか。
ひたむきな努力、ファンに対する熱意、貪欲な姿勢、好きだからこそ続けられるというポテンシャル、負けたくない気持ち、自分より凄い人が隣にいるという劣等感、ステージで輝くための決意、誰にいわれずともスキルを習得していく吸収力、みたいなものどれかに当てはまるものを持っているからアイドルとして活躍できてるんじゃないかと思う。

鈴木羽那に関しては周りが勝手に持ち上げた結果アイドルとして生きていくモチベーションがわからないままステージに立ってしまったのではないか。
彼女の他者に対する振る舞いはとても人懐っこく素直なもので、見方によってはまるで何も知らない無垢な幼子のようにも感じた。
(だからこそ距離感がバグったり勘違いしてしまう人を生み出してしまうんだろうけど)

この無垢さに本人以外の勝手な期待が加わることで最悪の結末を迎えてしまうことも想像に難くない。
そしてそれが恐ろしくてしゃーないねん。私は。

信頼とか期待って、かなり自分本位な行為だと思う。
他人が自分の思い通りに動く訳ないのに、その人との関係性やパーソナリティを担保に自分の都合のいいように動いてくれる事を勝手に思っている。

単にこうしてくれますように、とかこうなってくれますようにという願いや祈り程度なら共感できるが、上記のそれは明らかに一線を超えて押し付けがましさが際立っているから嫌いだ。

シャニPが羽那に対して思っている事は個人的に度を越した感情だと思う。
羽那自身が超絶能動的にアイドルにのめり込んでない以上、それは良くないことだよ。

それでもそのスタンスを変えないのであれば、同じく容姿や雰囲気、カリスマ性を持っているが故にスカウトした子達に一言でも同じ事を伝えてからにしてくれ。

という感じで色々とお気持ちを述べたが、実装されて日が浅いしこれからもっと色んな話が展開していくのだろうからこの時点でこんな感想を持っても仕方がないことなのかもしれない。

今回感じた事がただの杞憂である事を願う。


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