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新ことわざで遊ぶ辞典「いっそ,カバと回れ」

いっそ,カバと回れ
【いっそかばとまわれ】

【意味】
 物事を急いで成し遂げたいというのなら,その思いがたいへん強いというのなら,いっそのことカバに追っかけられるくらいの必死させで目標達成を目指せという,上から目線のありがたい教え。
 「急がば回れ」みたいな,悠長なことは言ってられねえんだよ。こっちは一か八かで必死でやってんだ,馬鹿にすんな,という人にはぴったりのことわざだ。
 えっ,カバ?とカバと聞いてなんとなく軽く見ちゃってるあなた。それカバ馬鹿にしすぎです。カバは巷で思われてるような温厚な,なんなら愚鈍なお人好しな生き物ってイメージとは真逆の存在なんだから。
 メチャクチャ凶暴で,俊敏で優秀な殺し屋。それがカバ。馬鹿にすんなよ。生息地のアフリカでは年間500人は殺してるんだ。これはライオンの100人を優に超える。ゴルゴ13も真っ青だ。だから,現地では,ライオンなんかより遙かに恐ろしい生き物として認知されているんだ。
 何しろ成獣ともなれば体長数m,体重数トンとなり,その体重なのに時速40kmのスピードで走るらしい。馬鹿にすんなよ。生きたトラックが,時速40kmで追っかけてくるんだぞ。世界一速い男でも追いつかれちゃう。そして,恐ろしいのは,追いつかれた後に待っているあの大きな口とでかい牙だ。噛む力は1トン。バラバラだ。
 だが,何よりもやっかいなのは,馬鹿みたいに凶暴だってこと。何でそんなに怒ってるのってくらい怒ってる。何で?
 なになに?お前たちが,カバカバ言って俺のこと馬鹿にしてるからだって?
 いやいや,そんなことないって…カバカバって…あっ!ほんとだ。馬鹿入ってる。カバカバ…カ馬鹿バ,この文章もほんと馬鹿ばっかり。

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