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シリーズEラウンドで2.8億円調達したAI搭載NAVI開発会社とは!? ジンが記す週刊SmartPitch [AI業界]2023/10/06

執筆者紹介🖌

執筆者は2023年3月末にSmartpitch運営にインターンとして参加した通称ジン。SmartPitchの認知度拡大と最適化に奮闘する中で、資金調達やM&A、業務提携情報が一括でまとめられたメディアの有用性に注目して週刊SmartPitch発行を決意した。
日頃は新しいもの・ことに常にふれながら、個人の裁量が大きなこの職場で、第3者かつ学生独自の視点を活かしつつ、様々なことを実行に移しPDCAを回し続けることを心掛けている。


今回のPick Upニュース
実業家の孫正義氏がAIに無知な人へ向けて警鐘を鳴らしました。我々も今一度AIの活用方法を検討し、AIがどのような発展を遂げているのか注視していかなければなりません。そんなAI業界のスタートアップの資金調達、資本業務提携や最新情報を余すことなくお伝えします。


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がんスクリーニングAI開発のBoston Medical Sciences社、シードラウンドで4億円調達

ハーバード大学医学部、およびマサチューセッツ総合病院で教員・研究者を務める医師が2023年4月に設立した、Boston Medical Sciences株式会社は、Beyond Next Ventures株式会社から第三者割当増資を実施した。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が提供する2023年度「ディープテック・スタートアップ支援事業(STSフェーズ)」にも採択され、エクイティ・助成金を合わせて総額4億円規模の資金調達となる。

大腸がんは国内がん種別罹患数1位、死亡数2位を占め、これらの数は増加し続けている。世界的にも巨大な疾病負荷を持つこの大腸がんによる死亡は、早期発見と早期医療介入により十分に回避することが可能であるにもかかわらず、「精密検査を受けることへの抵抗感」が最大の障壁となっている。大腸がんの精密検査は、多量の下剤服用が必要であること、内視鏡の挿入、検査準備および検査時間の長さなどによって、多くの要精密検査者に忌避される傾向にある。
当社はAIの研究開発、医療画像解析、臨床医学への強力な技術・経験をバックグラウンドとして、「下剤不要のバーチャル内視鏡検査システム」である「AIM4CRC」を世界で初めて、日本から臨床実装することを目指す。身体的・精神的侵襲性の低い高精度検査を実現し、精密検査忌避者を検査の場に呼び戻すことで、大腸がんによる死を根絶することが私たちの願いだ。調達資金の使途は、1. 特許出願済みのコア技術をベースに、さらなる高精度化とプロダクト化に向けた研究開発、2. 臨床検証と共同研究の推進(ハーバード大学医学部/マサチューセッツ総合病院 3D Imaging Researchを含む)、3. エンジニア/リサーチャーの採用強化、4. 薬事・QMS/臨床開発の採用強化、となる。当社は「早期発見・予防の力で世界から大腸がん死をなくす」という理念の下、研究開発およびビジネス戦略のプロフェッショナルらが集い、最速・最短での当該技術の臨床実装を推進している。


AIによるSNSマーケ支援の株式会社NelsonがシリーズAラウンドにて資金調達を実施

2023年8月にサービスを開始して以来、さまざまなビジネスやイベント発信者に【SNS文章作成ツール】としてご利用いただいてきた「Message Post booster」はシリーズAラウンドにて資金調達を実施。
「Message Post booster」は、ChatGPTとLINEを使ったSNS投稿文章自動作成ツールである。ChatGPTのAIで文章を自動的に作成し、SNS販促における文章作成の一旦を担い、業務効率の改善や時間削減を実現する
。その他に同社は、ウイルスがユーザーのPCに届く前に阻止する「MS1000」の提供もしている。今後もさらなる成長に向けてAIによるDX事業やunreal engine5の関連事業にも積極的に取り組み、新たな価値を創造していく方針だ。


エッジAI向け半導体開発・設計のエッジコーティックス、追加で約30億円の資金調達

日本発祥のエッジAI向けファブレス半導体開発・設計を手掛けるEdgeCortix株式会社は、本日、国内ベンチャーキャピタル(VC)のSBI インベストメント株式会社ならびに半導体投資で実績のある日米協業型VCのグローバル・ハンズオンVC等から2,000 万ドル(約 30億円)を調達した。

エッジコーティックス( https://www.edgecortix.com/ja/ )は、高速でありながら低消費電力で柔軟なエッジAIに特化したプロセッサを、ソフトウェア・ファーストのアプローチで一から設計するという斬新な考えのもとスタートした。当社が独自に開発したソフトウェアおよびAIチップ製品群は、コンピュータビジョン、自然言語処理、生成AIアプリケーションのためのAI推論タスクを、データセンター外の複雑なシステムで、超低消費電力、低レイテンシーかつ高速で実現することを可能にする
エッジコーティックスの最大のミッションは、エッジにおいてクラウドレベルに近いAI性能を実現するという課題を解決することで、既存のCPU、GPUその他の汎用プロセッサの10倍以上も高いパフォーマンスとエネルギー効率を達成しながら、機械学習などのソリューションへのアクセスを高め汎用化を実現してきた。
ここでは、独自の特許技術である「協調探索エンジン」を駆使し、AIに特化した斬新なランタイムで再構成可能なプロセッサを一から設計している。

今回の資金調達により、AIに特化した新世代の半導体製品のリリースを視野に入れた技術人材の獲得や、エッジデバイスに低消費電力のマルチモーダル生成AI、自動生成AIや最適言語モデル機能を提供するなど、革新的なエネルギー効率の実現を目指していく。
当社が注力するエッジAI推論市場は、グローバルベースで急成長を遂げている。2025年までには、企業が管理するデータの75%以上がデータセンター外かクラウド外(総称してエッジ)で作成・処理され、その想定市場規模(TAM)は840億ドル(約12.5兆円)に達すると予測されている。


鉄スクラップAI解析システムのEVERSTEEL、シードラウンドで2億円の資金調達

鉄スクラップAI解析システム(鉄ナビ検収AI)を開発する株式会社EVERSTEELは、米シリコンバレーに拠点を置き、世界的有力ベンチャーキャピタルとして知られるDCMベンチャーズより2億円の資金調達を実施した。鉄は世界で最も多く使用されている金属でグローバルマーケットは350兆円の巨大産業。同時に全産業の中で最大の二酸化炭素排出産業でもある。
そのような状況の中鉄鋼業界では、石炭を燃やして鉄鉱石から鉄を作る「高炉法」から鉄スクラップを電気で溶かしてリサイクルにより鉄を作る「電炉法」への未だかつてない大きな転換期を迎えている。
しかし、鉄のリサイクル原料である鉄スクラップには鉄以外の不純物や爆発物等が混入するケースがあり、各鉄鋼メーカーではベテランの作業員が目視で品質チェックをしなければならず、人による判定のバラツキや見逃しが品質面・安全面から深刻な課題となっていた。
EVERSTEELは、代表の田島が東京大学での鉄鋼材リサイクルの研究とスイス工科大学での画像解析技術の研究をもとに創業し、鉄リサイクルに特化した画像解析技術の研究開発に注力してきた。これまでに電炉最大手の東京製鐵を始め、複数の業界大手鉄鋼メーカーとの実証実験を経て、国内10社以上で実際の操業現場への導入検討が進んでいる。
この度調達した資金は、多くのお客様のニーズに答えられるようにプロダクト開発及びその実現に向けた組織拡大への投資を予定。
プロダクトにおいては、鉄スクラップの品質を判定するAI、危険物や非鉄金属を検出するAI、厚み・サイズ・鋼材の種類などパーツレベルで判定できるAIの開発、お客様の様々な工場環境に適応するためのハードウェアの開発、工場の基幹システムとの連携機能の開発、現場での使い勝手を追求したアプリケーション開発に取り組む計画だ。
組織拡大においては、事業開発、AIエンジニア、ソフトウェアエンジニア、プロダクトマネージャー、等幅広い職種の採用を行い、鉄鋼業界での環境課題解決に向けて、より一層事業を推進していく。
現在は鉄リサイクルのフローの中でも「検収」に特化した開発をしているが、今後は「調達」「配合」「製造」までサポートし、技術の力で新しい製鉄の形を作っていく。


AI独自モデル展開のアクセル、連結子会社のaxがセルシスへの第三者割当増資を実施

株式会社アクセルは、グループ会社のax株式会社が株式会社セルシスとの戦略的パートナーシップを一層強化するため、第三者割当増資を実施する。
アクセル及びaxは、200種類以上の学習済みAI独自モデルを用意し、独自開発のAIフレームワーク「ailia SDK」を核としたAIソリューションの展開
に焦点を当てており、この増資はaxとセルシスとの戦略的パートナーシップを一層強化し、成長を加速させる重要な一歩となる。axとセルシスは、2019年からAI分野で技術協力を行ってきたが、今回の資本関係の強化により、双方の協力関係を一層深め、AIに関する研究開発及び実用化の体制を強化する。axは、この増資によって新たな資本を調達し、AI技術及びサービスの開発・拡充を推進していく。一方、セルシスはaxへの資本参加を通じて、axの成長と成功を支援し、両社の協力関係を一層深化させることを期待している。axは今後、技術革新を一層推進し、セルシスが提供するクリエイター支援プラットフォームの拡充に貢献していく。この戦略的パートナーシップは、AIの実用化に向けた新たな展開と協力の機会をもたらし、お客さまへの価値を向上させるものと確信している。今後とも、アクセル、ax、及びセルシスは、更なる成長と成功に向けて協力を深め、革新的なソリューションを提供し続けていく。
セルシスは、「クリエイションで夢中を広げよう」をミッションに掲げ、クリエイションを取り巻くすべての人をデジタル技術でサポートする。イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」や「CLIP STUDIO」などの創作活動をサポートするサービスを通じて、世界中のみなさまが、クリエイションを通じた多彩な体験を楽しんでいただけるよう支援を行っていく。


資産形成コンサルのボルテックス 「Funds(ファンズ)」を通じた資金調達

「区分所有オフィス®」を主軸に資産形成コンサルティングを行う株式会社ボルテックスは、ファンズ株式会社が運営する手数料無料で1円から貸付投資ができる貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」を通じて、当社の一般事業資金を調達した。今回の募集金額は2億円だったが、募集開始より早期に満額成立となった。
当社は2023年8月、株式会社エイチ(以下エイチ)との資本業務提携を締結し、「VORT AI assist」を共同リリース。「VORT®」シリーズに入居されているテナント様に、AI技術を用いた問合せ対応や経費精算、出張・会議室・ワークペースの手配などをワンストップで完了する業務効率改善サービスを提供し、より快適なオフィス体験をお届けしていく方針だ。
今回の出資により得た資金は、こうしたサービス開発を推進するための一般事業資金として活用する。
このたびは募集金額が2億円に設定された。スキームとしては、Fundsを運営するファンズ社の100%子会社であるファンズ・レンディング社がファンドの組成企業となり、当社とファンズ・レンディング社の間で金銭消費貸借契約を締結し、資金調達したものです。公開から7日間は一度もファンズで投資をされたことのない初回投資家の方に限定して募集が行われました。


薬剤耐性菌問題を解決する株式会社GramEye、第三者割当増資による資金調達を実施

AIとロボティクスの技術力で薬剤耐性菌問題へのソリューション提供を目指す株式会社GramEyeがシリーズAラウンド・2ndクローズとして、DEEPCORE及びSTATION Aiファンドを引受先とした第三者割当増資により、資金調達を実施した。
GramEyeは、世界的な公衆衛生上の課題である薬剤耐性菌問題にアプローチするため大阪大学の医師と医学生が立ち上げたスタートアップ。グラム染色を人工知能でアップデートし、抗菌薬の適正利用を目指すAI・ロボティクスソリューションの開発を行っている。
近年、抗菌薬の誤用や乱用の為に薬が効かない細菌である薬剤耐性菌が世界中で増えている。仮に今後何も対策が講じられず、現在のペースで耐性菌が増え続けると、2050年の時点で世界で1,000万人もの方が命を落とすと想定され、がんによる死亡者数を超えると報告されている。
GramEyeが開発中のAI・ロボティクスソリューションは、適切な抗菌薬を選ぶために行う微生物検査グラム染色をアップデートした。

グラム染色の実施には多くの手間と知識、経験が必要になるため、大規模な医療機関でも夜間休日には実施されていない、画像として保管されず検査技師の主観によって報告されてきたという問題があった。
弊社の開発しているAI・ロボティクスソリューションにより、グラム染色工程における手間を省き、AIが顕鏡をサポートすることで、より迅速かつ正確な検査結果を反映するシステムを構築することができる。結果として、医療現場における医師や臨床検査技師の負担を軽減するだけでなく、適正な抗菌薬投与を推進できる。

これまでGramEyeは国内10施設の医療機関と共同研究契約を締結し、AI開発と市場調査を進め、試作機を使ったデモやヒアリングを実施してきた。
GramEyeは今回の調達を活用し、グラム染色工程のAI・ロボティクスソリューションを臨床現場へ導入し、ユーザーの皆様の声に応えるよう更なるAI強化、およびハードウェア改良を行う。


AIキャラクターパートナー開発のDevesion株式会社 プレシードで1500万円の資金調達

GenerativeAIを用いてAI仮想キャラクターとの会話を実現するDevesion株式会社は2023年7月に設立しSkylandVenturesよりシードラウンド1500万円の資金調達を実施した。GenerativeAIを用いたAIキャラクターとライブ配信やアプリでさまざまな形で交流をすることができる。

21世紀の課題として「孤独」がある。この孤独をGenerativeAIを用いたAIキャラクターとのパートナー化を実現できれば解決できるのではないかと考え、AIキャラクターの24時間配信やいつでもどこでもアプリでAIキャラクターと会話できることで、AIキャラクターがパートナーのような存在になると考えている。
今回の資金調達により、機材や人材の体制強化を行い、動画配信プラットフォームでの動画配信やAIキャラクターと交流ができるアプリの開発を行っていく。
開発者は、GenerativeAIが出てきたとき、会話能力の高さに驚いたと同時に可能性をとても感じたと話す。ただ、自分が起業するという選択肢は持っておらず便利程度で考えていたが、SkylandVenturesさん主催の「荒波2nd」に出場したのがきっかけで、起業についてさまざまなことが体験でき、ついに起業することができたという。

「孤独をなくす」という企業理念のもと、AIキャラクターが将来的に人のパートナーであることが当たり前の世界観を作り、さまざまな形の孤独を無くすサービスを提供していく所存だそうだ。


Mapboxがソフトバンクグループから新たに2億8,000万ドルの資金調達を実施

トヨタ自動車、ゼネラルモーターズ、BMWのナビゲーションを支える位置情報プラットフォーム、Mapboxは、ソフトバンクグループとその関連会社が主導する2億8,000万ドルのシリーズEラウンドの資金調達を実施した。

Mapboxは長年、モバイルアプリや物流のための位置情報プラットフォームとして、The Weather Companyのレーダーマップのレンダリングから、Instacartによる食料品の配達支援まで、幅広く活躍
してきた。
今回実施した資金調達により、あらゆる道路環境で機能するADAS機能やAIを活用した製品開発が加速する。Mapboxの地図ソリューションでは、位置情報に関わるデータを世界中で1日に280億回以上、車両やデバイスで共有することを可能にしている。自動車に搭載されるセンサーがますます高度化される中、これらのデータをもとに迅速な意思決定を可能にするAI技術が世界中の自動車メーカーから求められている。

またこれらの投資を受け、生成AI(人工知能)を搭載したカーナビを開発し、自動車メーカー向けに販売する。カーナビは「Map(マップ)GPT」の名称で提供する。標準モデルでは米新興のオープンAIの大規模言語モデル(LLM)「GPT-3.5」を搭載する。搭載する生成AIは自動車メーカー側が選択することもできる。
MapGPTは既存の音声ナビとは異なり、希望する条件をAIに音声で伝えれば、最適なルートや目的地を提案してくれる。例えば「家族4人で楽しめる近くのレストランを紹介してほしい」と伝えれば、内蔵したアプリの情報などを基に条件に合ったレストランと、そこまでの経路を案内してくれる。
スマートフォン決済のPayPayの機能も搭載しており、車内から買い物やサービスの支払いも可能となる。MapGPTに搭載するアプリは自動車メーカーが自由に選んでカスタマイズすることもできる。今後は世界の自動車メーカーを対象に導入を目指していく。


余談ですが…

最近、左下にこのマークのあるHP増えましたよね。

AIによって描かれたHPであることを指している表示ですが、このマークがなければ気づかないほど精巧に作られています。日々様々な分野で進化し続けるAIに目が離せません。


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AI関連事業も2023/10/06現在約70件掲載中!
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