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「アンビエント仏教」再考

昨晩というのか今朝というのか、AM2:30〜6:30の時間で、ECWのオンラインワークショップに参加しました。ECWはこんなプログラムです。

エグゼクティブ・チャンピオンズ・ワークショップ(ECW)は、世界中の様々な組織のシニアリーダーが、同じような志を持ち、同じような課題に直面している仲間とより深い対話をしたいという思いを強くしてきたことから、長年にわたって成功を収めてきました。このプログラムでは、著名な参加者が参加することで、重要な問題について深く考え、対話するための独特の空間を一貫して生み出してきました。ECWはトレーニングセッションではありません。また、典型的な会議でもありません。同僚同士の深い会話だけが可能な方法で、個人的でありながら実質的なものでもあります。プレゼンシング・インスティテュートとのコラボレーションで開催されるエグゼクティブ・チャンピオンズ・ワークショップ(ECW)は、急速に変化する今日の経済的・社会的状況の中で、エグゼクティブ・リーダーの間で新しい考え方や関係性を育むための特別な場です。ECWは、変化の担い手であるエグゼクティブを対象に招待制で提供されていますが、このワークショップは反省し、リフォーカスし、再充電するためのユニークな機会です。(DeepL翻訳)

僕は前から「U理論」に興味を持っていたのですが、U理論界隈のカリスマというべきオットー・シャーマー氏とピーター・センゲ氏が中心となってもうかれこれ20年近くも開いているらしい特別なワークショップ(米ヴァーモント州のテントで3days)があると聞き、数少ない日本人参加者のI夫妻に紹介してもらって、ここ三年ほど招待をいただいていました。しかし、毎年開催日が必ず日本のお盆のど真ん中にぶち当たっていることと、それなりの参加費がかかるということで(個人事業主ひじりにとっては覚悟が要る)、参加できずに今日まで来ました。それが今年はコロナで縮小1Day&オンライン開催(しかも無料)となり、日本にいながらにして時差ボケになるスケジュールではありますが、万難を排して参加しました。全体70名弱のメンバーのうち、日本人は3名でした。意外なことに、東アジア系はその日本人しかいませんでした。

ちなみに以前(もう5年ほど前)、U理論をお寺の経営に活かすためのレポートを書いたことがあるので、それはそれで近日中にnote記事にまとめるとします。U理論に興味のある方は、そちらをご参照ください。

さて、今回のワークショップでは、僕らが個人なり組織なり社会なりで抱えている課題を、氷山の頂点(Event)から掘り下げて、パターンと行動(Patterns&behaviors)そして、さらに下層にある構造(Underlying structures)を、メンタルモデル(Mental models)と遺構(Arte fact)から明らかにするべく、4〜5名の小グループに分かれてお互いにシェアしながら深掘りする議論を行いました。

ワークショップの詳しい内容は割愛しますが、いくつか感じたことを書きます。一つは、オンラインながら、場の空気(バイブレーション)が良かったこと。参加者はアカデミックとビジネスの人が主体で、宗教関係者はほとんどいなかったと思いますが、その場の空気そのものを重要な価値としているワークショップなのだということが、モニターを通じても感じられました。それは「音」からも伝わってきますね。始まってすぐに、ピーターのメッセージでもあるInterdependence(仏教で言うところの縁起)がお互いに感じられるような場となっていて、特別なことはないんですが、特別なことがないからこそ、そういうのが伝わるんだなと思いました。自分も日頃からワークショップ的なことに関わっているので、感じるところがありました。

ピーターがオリエンテーションの際に、仏教に言及していたことも、印象的でした。宗教に関わるような話は、仏教くらいだったと思います。なるほど、世界のこういう文脈で仏教が発見されているんだなという、そういう空気を知るのって、大事ですね。ピーターが言及していたのが『Awakening of Faith』で、そこで言っているfaith(信仰)は「Enlightenment is possible(悟りは可能である)」という信仰なんだ、という話。

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このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじ…

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