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祝・新作発表記念 ー首都高バトルの思い出を振り返ってみたー Part.6 「首都高バトル01」

※BBB様の解説動画のリンクを掲載させて頂きました。「衝撃のホワイトドッグ」に関する一連の記事の執筆の機会を頂けました動画ですので、皆様もぜひご覧頂ければと思います。

シリーズを愛するファンにとっても、あるいは長年開発に携わってきたスタッフの皆様にとっても悲願であった完全なる実車収録に加え、東名阪の都市高速の収録が遂に実現したという意味でも、それまでのシリーズの魅力は踏襲しつつ、新しいシリーズの方向性を提示する作品となったのが「首都高バトル01」である。

既にご存知の方も多いとは思うが、この作品には自身も「衝撃のホワイトドッグ」として悲願の出演を果たしている。要するに、長年シリーズに親しんできたユーザーが、本当にゲームの世界に飛び込む感覚を疑似体験できたのも「01」なのである。作品に間接的に携わる機会を頂けたおかげで、20年の時を経ての「再会」も「新たな出会い」も頂けているので、その意味でも本作は自身にとっても非常に思い出深い作品であるし、今後もそのことが揺らぐことはないであろう。

何より間違いなくこの作品も、リブートされたシリーズきっての傑作であり、集大成と言えるのではないだろうか。走行時における天候の変化やエンジンスワップも含め、新要素も数多く取り入れられただけでなく、ロータス・ヨーロッパも含めた「貴重車種」も含め、多様な新規車種の追加も実現している。個人的にはZEROの「US感も何もごた混ぜ感」の世界観の方が好みではあるのだが、01の車種のラインアップにもスタッフの皆様の拘りが感じられるので、今改めて眺めてみても味わい深いものはある。

こうしたライセンス許諾の恩恵を多方面に享受する一方で、この作品には致命的な欠落も発生してしまった。それは発売前から社会事情に絡んで噂されていた「ホンダ車の総リストラ」である。「衝撃のホワイトドッグ」も、そうした未収録の煽りを受けて歪に爆誕した、ある意味では非常に不運なキャラクターでもあるのだが、その影響はシリーズを長年彩ってきた「ライバル」にも大きく及ぼすことになった。一連の余波に関する解説については、BBBさんが簡潔に下記の動画にて纏めてくださっているので、併せてぜひご覧いただきたい。

上記のサムネイル画像の右側に映る「紫色のEKシビック」がまさにそうなのだが、自身のネット上でのハンドルネーム「衝撃の13歳」の元ネタである「衝撃のジョー」、及び彼がリーダーを務める「Queen's Paradise」も、ホンダ車未収録の煽りを受けて呆気なくリストラされてしまっていた。一部のライバルは車種の変更を受けて継続されたものの、大きくキャラクターの特色が変化してしまった印象も受けてしまい、なんとなくシリーズを通じて培ってきた「各々の物語」が否定されてしまったようで、一抹の寂しさを覚えてしまった。

ホンダが当時、象徴的なエンブレムも含めた著作権の使用を許諾しなかったのは、「大阪でのローリング族問題に絡む、関連会社への家宅捜査」が大きく影響していると噂されている。当時は社会問題となっていた、阪神高速を拠点とし、主にシビックのような小型車で構成される「ローリング族」が、子会社である無限のパーツを装着していたことで、大阪府警から関与を疑われ、その無限の関連施設が家宅捜索を受けた経緯が帯を引いており、仮に01において「サポートカー」という魔法の単語を用いることで、競合が車からの許諾は得られることになったとしても、競技対象外の車両が競技フィールド上に存在するゲームには、一切許諾しない方針であったのだという。(※スピンオフ的作品「街道バトル」は、アザーカーの存在しない峠道を舞台としているため、ホンダ車の収録は問題なく実現している)

そうでなくとも、ホンダは企業的にも交通安全への姿勢が他社比較でシビアであると噂されており、それでこそ某都知事による復興事業としての「三宅島マン島レース計画」に、安全性への強い疑念から、最後まで首を縦に振らなかったことで、あの元都知事を酷く苛立たせたという話も記憶に新しいので、仮に大阪府警絡みの件がなくとも許諾しなかったであろう説も、強ち間違いではないのかもしれない。

しかし、シリーズを長く遊ぶファンの方々の間にも、ホンダ推しの方は決して少なくなかったであろうし、もちろん自身もまたその1人でもあったので、願わくば収録が実現してくれれば…という気持ちは正直強かった。仮に実現したのなら、チャンピオンシップホワイトを纏ったシビックに搭乗する「真・衝撃のホワイトドッグ」も登場していただろうし、人気マンガシリーズの「ナニハトモアレ」へのオマージュ満載のライバルも実現していたのであろうが、そうした部分も懸念しての許諾拒否であったのかもしれないと思うと、企業倫理と表現の自由の兼ね合いの難しさも痛感させられる。

うん…ホンダ未収録の嘆きは、十二分に書き連ねさせて頂いたので…(笑)ここからは、当時の思い出を振り返ってみることにする。

首都高バトル01は、グランツーリスモシリーズ向けに開発された、ロジテック社製のハンドルコントローラー「GT Force Pro」にも対応している。ハンドル右側にシーケンシャルシフトも搭載され、ゲームによっては左右の舵角も270度にまで対応した、当時としてはかなりの本格派の逸品であったが、勿論01で遊ぶにも大いに重宝する代物であった。特に操作性においては、実はひっそり旧型モデルのハンコンに対応していたZEROと比較しても格段に向上していたので、ハンコンなしに01の世界に足を踏み入れるのは物足りないと感じるほどに、各高速道路を走破する楽しみを享受させて頂いていた。

※上記では「270度と90度」と記載させていただきましたが、正しくは合計900度…左右2.5回分と200度とのことでした。失礼致しました

これはシリーズ全体に共通する話でもあるが、都市高速道路を実際に走行する前のリハーサルとしても大いに重宝させて頂いたのは、やはり高い再現性を誇った01であったと思う。コース幅もすら緻密に再現されている上に、当時の各都市高速の風景や案内まで拘って再現されているから、この作品を通じて構造や経路を覚えてしまったという方も、決して少なくはなかったであろう。もちろん自身も例外ではなく、20代に地元の仲間を連れだしての、深夜の首都高ドライブに大いに役に…(ファミリーカーを用いての安全運転でしたので、ご安心を/笑)

作品の難易度については、確かにZEROと比較すると高くなっている印象はあったが、特に苦戦させられたのは連戦からのボスという流れであったと思う…関西のボスチーム「Darts」のしんどさは、シリーズでも随一であったと記憶している。勿論、ホンダ車未収録の制約こそあれど、今作でも個性あふれるライバル陣の魅力は健在で、収録エリアが拡大したことでより一層地域性も含めた個性が際立つようになったのも、やはりシリーズの集大成としての気概も感じられた。

そして、自身がライバルとして事実上初出演を果たすことになる「衝撃のホワイトドッグ」との初対面も、遂に実現することになったのだが…それについては、下記の記事を改めてご覧いただければと思う(笑)

※Rivals様よりポストを掲載させて頂きました。

01でも強烈なインパクトを放っていたという、直6スワップのドノーマルヴィッツ…当時は到底実現などしようもない代物であったのだろうが、これが令和という時代にリリースされたグランツーリスモ7で、あろうことかほぼほぼ再現できることになってしまったのだから、世の中の進歩というものは本当に恐ろしいものである(笑)

というのも、当時の該当車種に相当するヤリスクロスに、まさしく「トラウマ級の速さ」の元凶であった「直6エンジン」へのスワップが可能となり、駆動方式等いくつかの点で異なれど、事実上の「ホワイトドッグ仕様」が完成してしまうのである。ただ、これが全く乗りこなすことなどできない代物で…自身のソレは、残念ながら今もガレージの肥やしとして静かに保管されている…いやぁ、「衝撃のホワイトドッグ」って、確かにトラウマ級に凄かったんですね…(笑)

冗談はさておき、仮に次作でホンダ車の収録が許諾され、当時希望していた「シビックR」の収録が実現すれば、「真・ホワイトドッグ」が20年越しに爆誕することになるのだろうから、それはそれで本当に感慨深い瞬間を迎えられると思うのだが、当初は負の象徴であったものの、結果的に自身が皆様にひそかに再注目して頂けるきっかけとなった、「営業車みたいな面してクソ速いヴィッツ」に乗る「元祖ホワイトドッグ」も、昨今の注目の経緯を考慮すると決して捨てがたい心境にも陥っている。

いっそのこと、セダン系チームのメンバーの名前にあったような「本家ホワイトドッグ VS 元祖ホワイトドッグ」という形で実現するのも理想に思えるし…いやいや、そもそも出演すら夢物語なのに、一人ではしゃいでしまってどうするよ(笑)

※追記 @wiki様の解説を通じて思い出してみた

〇1VS3のバトルの難しさと、奥の深い粋な演出

01はバトルのシステムにおいても革新的な要素が多く導入された作品である。中でも、1対1のバトルではなく、複数のライバルと対峙する機会も登場しており、しかもSPゲージがそのまま引き継がれながら、より強力なライバルとも対峙しなければならなかった故に、この攻略が中々シビアであったこともよく憶えている。

こうしたシステムが巧みに演出の上で意気に採用されたのが、「衝撃の〇〇歳」時代に大変お世話になった「Team MSR」の、pouさん&ミストラルさんの師弟コンビの登場シーンである。確かミストラルさんとのバトルを有利に進めた後に、師匠に当たるpouさんが助け舟として表れる形であったと思うが、こうした粋な演出をしれっと入れてくる感じも、当時のスタッフの皆様の創作性が感じられて本当に粋を感じてしまうのだ。

〇サブガレージという限界拡張機能

首都高バトル01では、保有可能台数が5台に大幅に縮されてしまったのだが、所有台数を補填するために「サブガレージ」という機能が追加され、機能自体は確かに有難かったものの、やはり収録車種を隅々まで愉しむには、その拡張機能ですら物足りなさを感じてしまったのは否めない。恐らく、ハードディスクを内蔵するPS3でのリリースであれば、こうした機能を必要としなかったのかもしれないが…その意味では、01の実現が少しばかり早すぎたのかもしれない。

〇未だに自身にもトラウマとなっている「ノーマル・ヴィッツ」

「衝撃のホワイトドッグ」のトラウマ化は、トヨタ・ヴィッツの外装カスタムへの自由度が皆無であったことにも起因する。加えて、車体の色が白であったことも含め、まさに「営業車のような見た目をした直線番長」が爆誕してしまったのだが、今となっては「不幸中の最大の幸い」として大いにネタにさせて頂いているものの、スポコン車を大いに期待していた当時としては、非常に落胆する見た目であったことは否めない。

実際にヴィッツのエアロパーツが一切収録されていない事情は未だに不明なのだが、もしかすると「シビックを収録できない故の代替」であったために、パーツを収録できる期間もないまま、急遽採用が決定されたためであったのかもしれない。

事実、BBBさんも先の動画で説明されていたと思うが、低スペックでお世辞にも強烈な存在ではない小型車のヴィッツが、名古屋高速でのクエストを大幅に進めないと購入できない矛盾も、よく考えれば不思議な現象ではあるのだが、まさにそうした「ホワイトドッグ事情」も絡んでいたとすると、確かに「シビックの代替」という仮説も説得力を持ってくるのだろう。

そうした背景の有無は別として、いずれにせよ当時のご担当のスタッフの方が、JDM(現地で流行していた「純・日本産パーツ」を多用したカスタムを暗に指す)傾向の強いコンパクトカーという、キャラクターの搭乗車種の根幹のコンセプトの維持に努めてくださったことは紛れもない事実であり、その点でも本当に今でも感謝の気持ちは絶えない。

〇首都高バトル01 オンラインタイムアタック大会

これは、次回の記事でまとめさせていただきたいが、首都高バトル01はオンラインでの公式タイムアタック大会も開催されていた。自身も勿論参加させて頂いたのだが、何しろ全国から猛者の皆様が集まるレベルの武闘会なので、「衝撃のホワイトドッグ」のトラウマなど足元にも及ばぬような、現実のぺーぺープレイヤーな自身が食い込めるはずもなく…(笑)

そして、そのタイムアタック大会では、非常に奇妙で面白すぎる光景が広がっていたので、その点は改めて次回の記事で触れさせて頂きたいと思う。大げさに勿体ぶる話でもないのかもしれないけど、ゲームバランスの調整の難しさが如実に露わになってしまったという意味では、確かに興味深いんですよね…(笑)

〇おまけ

「衝撃のホワイトドッグ」に関して、上記のRivals様への返信として、とても有難いコメントを頂きましたので、そちらも併せて最後に掲載させて頂きたいと思います…尚、ご本人は自身が作成者であることはご存知ないと思いますので、その点は予めご留意頂ければ幸いです(笑)

「このライバル嫌いですよ、ショッキングってのは正しいですね」

本当に、その節はご迷惑をおかけいたしました…(笑)

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