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日本から世界を照らすソーラーランタン

 2009年2月、カンボジア地雷撤去キャンペーンという博多のNGOが主催するスタディツアーに参加した。私にとっては初めての途上国への訪問だったは、カンボジアの人々と関わる中ですぐに大好きな国になった。ツアーにツアー中に理事長から、名古屋で当NGOの団体の責任者を引き受けてほしいと依頼され、それ以来、カンボジアへの渡航を8回ほど経験してきた。


 カンボジアは、都市部こそ電気や水道があるが、都市部からほんの2~3km離れると、インフラは未整備の状態である。電気も水道ももちろんガスもない。医療面でも予想以上に遅れていると感じた。私たち日本人は観光客用にホテルに滞在するため、ある程度快適な生活はできるし、水はペットボトルを安く購入することができた。しかしながら、特に1975年から1993年までの紛争の負の産物である地雷原に近い村では、子どもたちも牛もため池の茶色い水を飲んでいて、大変なショックを受けた。村の人たちが暮らす家は貧しさが一目でわかるような造りだ。もちろん電気などない。カンボジアは雨季と乾季の2つの季節しかない。乾季には全く雨が降らないので、雨季の豪雨の際に、水を大きな甕にためて乾季に備える。決してきれいな水とは言えない。電気がないので、朝日が昇り、夕日が沈むまでしか明るさがない。

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