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思考したことをまとめたエッセイ

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宇多田ヒカル「traveling」の歌詞ってすごいよねという話

宇多田ヒカル「traveling」の歌詞ってすごいよねという話

宇多田ヒカルの「traveling」が綾鷹のCMで流れていたのを聞いて、唐突に語りたくなったので書いてみます。
ベストアルバム「SCIENCE FICTION」にRe-Recordingが収録されていますが、オリジナルは2001年に発売ということです(時が経つのがはやい)

前提:世界観について

紀里谷和明監督によるPVが印象的すぎて、その世界観で歌詞を読んでしまいがちになるのですが、この歌詞は

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消滅都市の話

消滅都市の話

2024年2月27日、消滅都市のサービスが終了します。

2014年5月のサービス開始からほぼ10年。ライトフライヤースタジオの処女作であり、自分がディレクターを務めながらゲームデザイン、メインシナリオを手掛けた、とても大切なタイトルです。
なんだかさみしいような、切ないような、不思議な気持ち。

TVCMを経験させていただいたり、アニメ化を経験させていただいたり、キティちゃんのリボンを外させてい

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製品を作り、届けるために考えるべきこと(2021版)

製品を作り、届けるために考えるべきこと(2021版)

昨年から引き続き、何かを発信することはほとんどないまま、製品に潜る1年でした。

とはいえ、いろんなことを考えました。
滝に打たれる修行僧のように自分の思考の奥へと潜りながら(打たれたことないから適切な例えなのかは分からないけどイメージとして!)、製品作りの方法論をアップデートしています。

組織について考えることが多い時期は「組織論」をアップデートし、マーケティングについて考えることが多い時期は

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生きる(あらゆる刺激は、麻薬である)

生きる(あらゆる刺激は、麻薬である)

あらゆる刺激は、麻薬である。
刺激に慣れると、それを求めつづける。
ひとは、その原理原則から逃れることができない。

つまり、

生きているということは、
いま生きているということは、麻薬なのだ。

ーー

のどがかわくということは、麻薬である。
木漏れ日がまぶしいということは、麻薬である。
ふっと或るメロディを思い出すということは、麻薬である。
くしゃみすることすら、麻薬である。

生まれたての

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“State of Imagency” how beautiful to be

“State of Imagency” how beautiful to be

馴染みのバーで深夜、bjorkが流れはじめた。

新型コロナウイスルの感染者数が再び増えはじめた中で「State of Imagency」とアイルランドの女性が高らかに歌い上げる曲が流れていることがなんだかおかしくて、

久しぶりに聞いたストリングスの音が心に引っかかって、調べてみたら1997年、今から24年も前の曲になるらしい(事情があっていまこの時代と向き合っていることも、引っかかりに影響を与

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タマシイの或る場所(居場所のつくりかた)

タマシイの或る場所(居場所のつくりかた)

何を大事にしてチームを作っていますか?
と、面談などで訊かれることが増えてきて考えたこと。

ずっと考え続けていたことがあって、ようやく答えが出た気がするのでここに記しておきたいと思います。

それは、タマシイはどこにあるのかという話です。

---

タマシイは、いったいどこにあるのでしょう。
あなたのタマシイは、いったいどこにあると思いますか?

もちろん「自分の中」というのが普通の答えでしょ

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情けない自分を赦すこと

情けない自分を赦すこと

つづくリモートワークで心の風邪にかかる人が多い。

もちろん向いている人、向いていない人はいて、それは背が高いとか、足が遅いとか、目が大きいとかと同じように個人差のあるものだと思う。
ただ、対面で話すことを制限されたこの世界線の環境は、どんな人にもきっと少しずつ影響を与えている。

比較的鈍感な、僕個人としても思う。
いまの自分は環境から影響を受けていると考えた方がいいのかもしれない。

他人との

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はじめてのファンレター(孤独を愛するということ)

はじめてのファンレター(孤独を愛するということ)

大学に行って、若くして子どもができて、社会に出る前にお母さんになった、高校のクラスでは一番くらいに可愛かった女の子。それが彼女のプロフィールだ。

その子からもらったのが、僕の人生ではじめてのファンレターだった。不意に手渡されたそれはラブレターではなく間違いなくファンレターで(実際文面にそう書いてあった)、その経験が僕の人生をどれだけ豊かにしてくれたことかと思うと、感謝してもしきれない。

自分の

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ハート型のライター、あるいはインターネットの話

ハート型のライター、あるいはインターネットの話

その頃僕は19歳で、横浜に住んでいた。

大学は都心だったけれど、田舎から首都圏に出てくるときにどうせならと先に単身赴任していた父親と住みはじめたのだった。

通学にそこそこの時間がかかることもあり、大学の友だちと過ごす時間が増えれば増えるほど自宅に帰る回数は少なくなり、しばらくの間、横浜の周りに何があるのかを知らないままに過ごしていた。

これはそんな時期に短いデートをした、ひとりの女の子との、

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ナラティブ、自己愛、目を合わせるということ。

ナラティブ、自己愛、目を合わせるということ。

まずはオススメの本を紹介する。

人と人との間に起きるコミュニケーションの多様な問題について、なぜ起きるのか、どう解決すべきかを、シンプルなひとつのモデルで示した良著だ。

この本には以下のようなことが書かれている。

・人はそれぞれ異なる「ナラティブ」を持っている
・「ナラティブ」のズレが組織課題を生み出す
・互いの「ナラティブ」間に橋をかける必要がある

この「ナラティブに橋をかける」ための具

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サウナの満たした潜在需要(私たちを取り囲む優しき世界)

サウナの満たした潜在需要(私たちを取り囲む優しき世界)

週に一度か二度はサウナに入る。最近は通勤途中で下車して立ち寄る「かるまる池袋」がお気に入りだ。

もしサウナがなかったら、僕はいま人生に迷っていたんじゃないかという気がする。
いまも全く迷っていないとは言い切れないので「より迷っていた」という表現が的確かもしれないけれど、でもまあとにかくサウナは、自分の人生の方向性を整えるために役立っている。

そして、実はそういう人って多いんじゃないかなと思って

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サスティナブルとは、少しの居心地の悪さを受け入れること

サスティナブルとは、少しの居心地の悪さを受け入れること

サスティナブルという言葉がある。
持続可能な、という意味らしい。

はじめはファッション関連の言葉かと思っていたけれど、最近は「サスティナブル経営」「サスティナブルな組織」と、様々な用例で聞くようになった。

環境問題に配慮して、という意味だけではなく、組織の構造とか、ビジネスの座組みについても使われているようだ。

また、AKB48も「サステナブル」という歌を歌っている。

アイドルの中心が乃木

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