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ザンビア隊員のマラウイ旅行記

Muli bwanji.

アフリカのザンビアという国で活動中の青年海外協力隊のしょーたです。

1週間マラウイというザンビアの隣国に行ってきたので忘れないうちに記録します。

マラウイに関する基本情報等は他者の記事で詳しく書かれたものがあるのでそちらへGO。

ここでは著者フリーハンドによる完全に感覚的、独断と偏見を書きなぐりますのであしからず。

では、気張っていきましょう。※七海健人


出国準備

マラウイは南部アフリカでは珍しくビザが必要です。
電子ビザで申請から2日ほどで取得できました。
注意点は3点

・宿泊先予約の証明書になるcovering letterが必要
・ビザ取得用の顔写真が必要
・手数料で約50USDが必要

covering letterは宿泊全てではなく、部分的でOKでした。
私の場合、宿泊地A1泊→B2泊→A3泊でしたが、宿泊地A1泊分でOKでした。複数人で予約していましたが、問題なかったです。

ビザ取得用の顔写真は何でもいいと思います。私は直近の証明写真の電子データを使いました。

手数料は正直痛いですが、仕方ないです。くそぅ。

ザンビア国際空港

Google mapではKenneth Kaunda International Airport。

市内中心部から車で約25分の所にあります。
大きい幹線道路で一直線なので非常に楽です。
乗り継ぎが1回必要ですが、ミニバスでも行けるようです。
ザンビア赴任時に来たことはありますが、空港内をよく見る機会は初めてだったので少しご紹介します。

空港内は綺麗でカフェや免税店、お土産屋さんなどありました。コンパクトなので迷うこともないですし、田舎者の私にとってはかなり使いやすい空港です。案内や荷物持ちを提案してくるスタッフはたまにチップを要求します。

空港内にはトイレ、喫煙所の他にPray Roomという部屋があり、待ち時間にお祈り行事もまっとうできるようになっている所がおもしろい。

ザンビア⇔マラウイ間は1時間15分ほどで、毎日便があります。ジンバブエ、ザンビア、マラウイを飛ぶ飛行機なので、日によってはジンバブエを経由することになります。

ザンビア⇔マラウイの往復で約450USDでした。条件は、手荷物のみ、キャンセルによる返金なしです。エチオピア航空のサイトから購入しました。日によって100USDも違うので若干注意です。

同期がジンバブエ発で搭乗していて、かなりの遅延の連絡を受けていましたが、ザンビア空港内でのアナウンスはありませんでした。
物理的に飛行機が来ないので搭乗口から離れてもいいかスタッフに聞くと、10分以内に帰ってこい。とのことで、1時間近く搭乗口で待ちました。

ザンビア空港
ザンビア空港2

マラウイ国際空港

Google mapではKamuzu International Airport。
航空券購入時やビザ発行時色々な名前でしたのでどれが正式なのかよくわかりません。

入国時の注意点は以下2点
・入国時にいちゃもん?で足止めをくらう可能性あり
・e-visaは印刷物を持っておくべし

あっという間に着いたマラウイですが、検疫官にパスポートを見せた瞬間、他の乗客とは異なり何やら検疫官の様子がおかしい。

イエローカード(黄熱病接種証明書)の提示を求められ、提示。本来それで十分ですが、その後B型肝炎や破傷風など種々のワクチンの接種証明を全て見せろと言うのです。

持ち合わせていない私はしっかり入国拒否されました。

そんな情報どこにもない。JICAの証明書やザンビアでのワークパーミットを見せて、これが全て接種済みの証明だ。など中学生レベルの英会話で怒涛の講義申し立てをしましたが一貫して返事はNO。

手法は読者のご想像にお任せして、結果的に入国できたんですがめっちゃ苦労しました。途上国?アフリカ?海外?の洗礼を受けた気分でした。

あと、入国時にe-visaの印刷物を回収されたので、念のため持ってきておいてよかったです。

マラウイ国際空港のご紹介を少しすると、めっちゃ小さい空港です。日本の支援もあり、搭乗口はとても綺麗です。カフェや売店は2個ずつくらいありました。

出国時の話ですが、わかりやすい受付がないので、数少ないスタッフや警備員に聞いて案内してもらった方がスムーズかもしれません。手荷物検査のスタッフにチップを要求されましたがしつこくなかったです。

空港に入る時にも手荷物検査があります。お見送りだけでも。レストランに入るには約100円必要です。

日本でも田舎の方では道端に放置され朽ちた車などを見かけることがありますが、ここマラウイではあれの飛行機版があり、スケールの違いを見せつけられました。

空港→市内まではマラウイ隊員が手配してくれたタクシーで移動しました。公共交通機関やタクシーアプリに乏しい国なのでこうした個人のつながりがかなり重宝されます。

マラウイ国際空港
マラウイ国際空港2

SIMカード

海外旅行で必須のSIMカード取得。飛行機の遅延もあり露店で契約しました。原因は不明ですが設定がうまくできず再度登録してもらうなどバタバタしました。時間に余裕があれば店舗で全てお任せした方がいいと思います。数百円で十分な容量とSIMカードが入手できます。

露店

Monkey Bay

同期隊員の任地、モンキーベイへ。市内からは車で4時間ほど。これも個人手配の車を利用しました。

途中パスポートの提示や手荷物検査などもありましたが、特に問題なく到着。道路も整備されており、特にしんどい思いはしなかったです。

道中は基本同じ景色でしたが、小さな村が道路両側に広がっていたり、民族衣装の子供がいてチップを要求していたり、牛群が道路を通せんぼしていたり。

ザンビアのように道の駅的な役割の場所はなく、トイレはガソリンスタンドに併設されたものを使いました。水の流し方はその辺のマダムに聞きました。

さて、モンキーベイという町。
とっても田舎で外国人は自分だけなのではないかと思うくらいです。子供たちはすごく人懐っこく可愛いです。マラウイ湖が近いからか、砂がサラサラした海岸の砂のようでした。

ほとんどがキリスト教のザンビアとは異なり、イスラム系の人も一定数いるため、スカーフを巻いた女性も見られました。

同期隊員のお家にもお邪魔しましたが、多くの人が想像する協力隊員のお家のイメージ通りの光景でした。運んだ水をろ過して使い、停電もしょっちゅうあるようです。街中にもショッピングモールのようなものはなく、首都隊員の私としては、こんな環境での暮らしもしてみたいなーと羨ましくもありました。

道中(街中→同期隊員のお家)
近所の子供たち
クローズで見たことある
ヤギのホルモン(腸)。うまい。
よく見る大きさの村。道の駅化したらいいのに。
民族衣装のこども

Cape Maclear

さて、最終目的地のケープマクレアに到着です。
モンキーベイからは車で1時間弱。

道中、スピード制限のために石が綺麗に並べられていました。
通常、スロープを作ると思うんですが、現地の方の知恵ですね。

道路が破損してできた穴を砂で埋めた少年たちがチップを要求するのもまたマラウイらしい一面かと。(埋めた穴はまた掘ってるのかな・・)

マラウイは国土面積が小さく、マラウイ湖というアフリカで3番目?くらいにでかい湖を有する国です。イメージ、滋賀県みたいなもんですね。

元滋賀県知事の嘉田由紀子さんはこのマラウイ湖に関する調査研究を熱心にされていたとか・・。

マラウイ湖は圧巻のスケールで、ビーチでは現地の方々や観光客などがゆっくりと時間を楽しむ様子が見られ、まさに"何もしないをする"ことができます。

やったことと言えば、近くの離島まで小舟で行き、タカのエサやりや夕日を眺めるアクティビティくらいでゆっくりと2泊3日を堪能できました。

ロッジエリア内にバーもあるし外ではスナックや飲み物なども安価で購入できます。湖があるため魚介料理もあり、なまずも食べてみました。脂がすごく、分厚いウナギのような感覚ですごくお腹に溜まります。

初日の夜に停電し、汗だくの中、チェックアウトまでずっとこれが続くのではと恐怖を感じましたが、夜中12時を回った頃に復旧しました。

停電していることもありシャワーも浴びれないので、綺麗な月明かりの下、さざ波を聞きながら皆でござを敷いて満天の星を眺めていました。

残念ながら夕日ま見れず
小舟で移動。働く少年。
スピード減速のための石
マラウイで1番うまかった飯。モスよりうまい。
同期たち
ロッジからの眺め
なまず

Wildlife Centre

ケープマクレアからリロングウェ市内に戻り、この辺りで同期たちとはお別れです。

マラウイ国内の旅に出たり、エジプト、南アへ向かったり皆色々です。そもそも私は1人でザンビアからマラウイへ来ましたが、他の友人たちも色々な所からマラウイに集まっていて、協力隊の行動力に驚かされます。

さて、私は1人リロングウェ市内に残ったわけですが。特にしたいこともなかったので適当にWildlife Centreという所へ。さすがマラウイ。イギリス英語ですね。

野生動物の保護地区で、往復10kmほど森の中を歩き、野生動物を観察します。

結果的に猿くらいしかいなかったんですが、観光客ゼロ、ぼっち、雨、森、の条件下、野生動物を見たい気持ちと出会ったらやばいという恐怖でなんとも言えない気持ちの中歩き続けました。

目の前でワニやカバと出会ったらどうしたらいいんだ・・。

折り返し地点にはEducation Centreという新しい建物が並んでいました。数名の教員たちがワークショップを開催しており、きちんと活用されているようでした。

Education Centre
Wildlife Centre
施設内

OVOP SHOP

OVOP SHOPは一村一品のアンテナショップのような所で、JICAが支援してできたそう。

各村からハチミツや茶葉などが出品されている小さな店です。

ふーん。って感じで終わる本当に規模の小さいお店ですが、地方の収入向上のための架け橋になっているんだと思います。

OVOP SHOP
店内

カフェ

Google mapで適当に調べて、マラウイにあるカフェも2店ほど行ってみました。Cafe92とBaobab Bookshopです。

Cafe92はバーも併設されているわりとおしゃれなカフェで、南部アフリカあるあるだと思うんですがアイスコーヒーはメニューにありません。直談判でオーダーできました。

Cafe92
店内

Baobab Bookshopは店内に大量の本があり、雰囲気はまさに映えるようなカフェです。4時には閉まってしまいますが、隣にはスパ&ロッジもあり、ゆったりと過ごせる所でした。

ばえ?
BAOBAB SHOP
9と4分の3番線?

Korea Garden Lodge

リロングウェ市内で計4泊で利用したロッジです。
シングルだと2023年12月現在日本円換算で5000円程度する決して安くないロッジですが過去に日本人の利用者が多く、途上国ということもあって安全第一で利用しました。

スタッフは丁寧で、施設も綺麗でした。お湯が出ない、手洗い石鹸しかない、エアコンは部屋によってはあるけど効かない、停電、洗濯ものが生乾きで返ってくるなど諸々ありましたが、そこはご愛敬です。

無茶なお願いも聞いてもらえましたし、バーもあるので満足です。

ロッジ

マラウイの街並みと文化

ザンビアでアフリカ童貞を卒業してしまっているので率直な日本人の感覚でマラウイを見ることができませんでしたが、マラウイの第一印象は"教科書的なアフリカ"です。

日本人がイメージしやすいアフリカの風景が広がっています。
端的に言うととっても田舎です。

リロングウェ市内の話になってしまいますが、中心部でも人は少なく、郊外に綺麗な建物がちらほらありますが、ちらほらです。

ザンビアでもよく見るショップライト(スーパー)やガソリンスタンド(コンビニのような売店付き)、業務用スーパーのようなお店(CHiPiKU PLUS)もあるので、首都で生活に困ることはあまりなさそうです。

街中は傾斜が多く、未舗装道路が主です。トゥクトゥクみたいな3輪車やバイクタクシーが使われていたり、ミニバスに行先が書いてあったりコンダクターがいなかったりするあたりがザンビアと違う点です。

ひとつ特徴的なのは、スーパーでは国産ビールは空き瓶と交換しないと購入できない点です。瓶の製造コスト削減なのか、SDGsなのか、そういうルールです。確かに輸入品のビールに比べて半額~1/3ほどの値段で売られていました。

地元民を対象にしたおもしろいマーケティングです。

街並み
最も人口密度が高そうなとこ
さかな
業務用スーパー的なところ

マラウイ人の印象

マラウイ人の印象を一言で言えば、”温厚”です。

ザンビア人と比べると、背が低い、顔が幼い、臆病?恥ずかしがりや?です。なんとなく自身がなさそうに見えます。

街を歩いていてもあまり声をかけられないし、商売についてもかなり消極的な印象です。総じて可愛い人たちです。

ローカル言語のチェワ語は、ザンビアのローカル言語の語源なので、ザンビアで覚えた赤子のようなローカル言語(ニャンジャ語)も通じました。

ザンビアでは「そんな古い言葉誰も使わないよ~」という言葉もマラウイでは現役です。

少なからずザンビアでの経験があるため、良くも悪くも「恐い」という印象は全くなかったですし、むしろ声をかけたら恐がられるかなと躊躇するほどでした。

最後に

だらだらと思いつくままに書きましたが、ひとりでも多くの人がマラウイ、ザンビアに限らずアフリカに興味を持ってもらえると嬉しいです。

当初、このタイミングで国外旅行をするつもりはありませんでした。

たまたまザンビアの同期隊員を含め各国の同期たちが旅行を計画しており、それに乗っからせてもらった形です。

世界最貧国の1つと言われる国がどんな国なのか、興味はありました。
ザンビアと文化的、物理的にも近いことから精神的ハードルが極めて低く、飛び込みました。

急遽決めた事ですが、トラブルも含めてめちゃくちゃいい経験になりました。

同期達や現地でお世話になったジョンさん、マイクさん、その他多くの方に感謝です。

Zikomo Kwambiri.(Thank you so much)

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