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私達のストレッチの施術にしてもそうですが、よく指導者の指導で「芸を盗め」というものを見かけます。

職人技の場合でよく見ますよね。
私も昔に言われたことがあります。

私はプレイヤーとしてトレーナー歴が10年を超え、現在はこうしてマネージャーとしても仕事をして、名実ともにプレイングマネージャーです。

これまでの経験があるからこそ、同業に関わらず様々なものから学びや気づきを見出して自分の要素にすることができると思っていますが、
初心者に対してこの「芸を盗め」というような指導は効果的なのでしょうか。

私の経験や考えからすると、それは「NO」です。

私はトレーナー駆け出しの頃、修行先で見習いとして入り、社長のコーヒー出しやかばん持ち、施設の清掃などをしながら先輩の横に付きメモ帳を手にして先輩の仕事を見ていました。

その時、私は何をメモして良いか分からなかった。先輩に感想を求められても、何を答えて良いか分からなかった。

今となればあの経験が現場の雰囲気を知ったり、あれこれ思考する癖となり良い経験だと思いますが、
反対に言えばもっと効率的な学び方があったと思っています。

現場の雰囲気を知るなら出た方が早いし、思考する癖をつけるなら経験からフィードバックした方が成長は早い。

効率的であることが全てではないと思いますし、回り道したからこそ分かったこともある。

ただ私は幸いにも今こうしてこの仕事を継続できてきますが、その回り道途中で挫折した人もたくさん見てきている事も事実です。

私はトレーナーの仕事で豊かに生活できる人を増やしたい。トレーナーの社会的地位向上を果たしたい。

だからこそ少しでも早く一人前になれて、そこから悩んだりしながら更に上へ登る努力をして、豊かな人生を掴んでもらいたい。

だからこそ初心者への指導は慎重にするべきだと思います。

指導を大きく分けると「ティーチング」と「コーチング」があります。

「ティーチング」とはやり方や考え方などを「教える」こと。

「コーチング」とは本人に答えを出させるように「導く」こと。

まずはティーチングでしっかりスキルやマインドを身に付けさせる。そして現場に出て、成功や失敗をしながら経験してもらう。
その経験をコーチングによって本人に考えさせ、意味あるものとする。
そして成果が出る出ないの要素が何かを見つけ、成果の出せるトレーナーになっていくことが出来る。

その後に他を見たりして「芸を盗み」、自分の要素に加えて更に魅力的な自分の型を作っていくのです。

いわゆる「守破離」ですね。

指導者たるもの、自分が教えることが出来ないことを初心者の責任にせず、順序を守りながら後輩とともに成長していきたいです。

参考になれば幸いです。