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映画感想『アバウトタイム〜愛おしい時間について〜』


ネタバレあり

今をどう生きるか、それに尽きますね。

タイムトラベルの能力を代々継承する家系の主人公が、やりたい放題をする映画ではありません。さらに驚くことに、恋愛でやりたい放題をする映画でもありませんでした。主人公と一緒にタイムトラベルの経験をすることで、タイムトラベルをできない僕たちに、つまらなく平凡な日々の重要性を伝えてくれる、人生についての温かい物語でした。

ただ、大きな出来事は変えられなくとも、失言をやり直しすなど、タイムトラベルで明らかに主人公が人生をいい方向にやり直している場面はあるので、最後に主人公がタイムトラベルをする必要がないとかほざいていたのは、金持ちが金は人生に不要だと言っているみたいで解せなかったですけど....。

物語の前半は恋愛コメディの風貌ですが、後半は家族ものでした。特に、父と主人公の関係に焦点があっていき、主人公にとっての父の偉大さと大切さが、僕たちにもわかっていきます。最初はただの脇役かと思っていましたが、主人公のことを常に気にかけ、友達のように無邪気に遊び、人生において重要なことを優しく教えてくれる、最高のパパさんでした。そんな父が死ぬ時がやってきた時の、タイムトラベルができるからこその感情の揺れがよく伝わってきましたし、主人公が子供の頃に戻り、一緒に海辺を散歩する人生の最後は、タイムトラベルという設定を多いに活かしたセンセーショナルな場面で、号泣です。このためにタイムトラベルの設定を作ったのかと思います。

海辺の映像も美麗で、思い返してみれば、絵のビジュアルが終始良く、主人公の色白の顔によく合う、淡い映像が流れていて心地よかったです。音楽の方も、コメディどころでさえ優しい音楽が流れていて、不思議な感覚でした。なんというか、逆に人生の恥ずかしいところさえも優しさで包んで見せられている気分にもなり、生々しさも結構あった映画なのじゃないかなとの感覚も持っています。

英語版の英語字幕で観たのですが、僕のレベルではまだ早かったですね。早口ですし、止めて字幕を追っても良くわからない表現が多くて、巨額資金のアクション映画よりも、台詞が自然で流動的でした。主人公と奥さんが会話している場面があり、僕は字幕だけ頑張って追って、この場面は喧嘩をしているのだと判断していたら、直後二人が笑い出したので、冗談まみれの会話を別の言語でされると、こうも間違った解釈にたどり着いてしまうんだな、とややビビりました笑
余談です。

いい映画でした。

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