食虫植物の罠にハマってみる? [1・秋編]
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執筆・写真 * 花咲 和奏(はなさき・わかな)
プロフィール
幼少期の趣味は「タネ集めとタネ採りのための植物栽培」という筋金入りのプランツラバー。
植物関連の施設に勤務し、1000種類を超える植物と向き合う日々。
たまにフラっと世界の秘境へ出かけ、野生植物の自生地を訪ねてリフレッシュ。
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子どもも大人も、食虫植物に夢中
「食虫植物」この言葉を聞くだけでワクワクしてしまうのは、子どもだけではないようです。
多肉・観葉植物のブームにより、食虫植物も人気が出ています。食虫植物の株姿や葉のかたちが面白く、最近では大人の興味も引いているようです。
私は子どものころから食虫植物が大好きで、罠にハマったまま大人になりました(笑)。
食虫植物といってもその種類はたくさんあります。
どのくらいあるのかといいますと…ナント600種!
世界中に分布しています。
そしてなんといってもすごいのは、虫を食べる植物だということ。
一風変わった株姿や、不思議なかたちの葉は、虫をおびき寄せて食べるために進化したものなのです。
虫を捕らえる方法も色々あるのですが、食虫植物について詳しく話すとかなり長くなってしまうので、それはまた別の機会にお話しすることにしましょう。
△ 個性あふれる姿形。特にこのウツボカズラは、ファンも多いのです。
秋からの食虫植物とのつきあい方
さて、前置きが長くなりましたが、
今回は、夏に手に入れた食虫植物はこれからどうなっていくのか?
ということについてお話します。
食虫植物は、ゴールデンウィークごろから夏のあいだ、
その多くが販売されます。
ホームセンターなどでも安価で手に入るため、誰でも気軽に楽しめる植物となりました。
1番人気の食虫植物といえば、もちろんハエトリソウ!
葉が動いて「パクっ」と虫を捕らえる様子は、
子どもも大人も魅入ってしまいます♪
ほかにモウセンゴケやウツボカズラ、
サラセニア、ミミカキグサが売られています。
植物園などでの展示も夏休みに行われますね。
食虫植物は虫が多く活動する夏にしっかり生育するので、
販売や展示は夏がメインになっています。
△ 植物園や公園で「食虫植物展」が開催されるのも夏。この時期、食虫植物はしっかり生育して、元気いっぱいの姿を見せてくれます。
さて、みなさんが手に入れた食虫植物。
夏のあいだ、虫を捕ってグングン育ちましたか?
ハエトリソウは、葉の数が増えて立派になり、
モウセンゴケも繊毛から出る粘液がキラキラしていましたか?
夏は、食虫植物の力強く美しい様子を楽しめたと思います。
食虫植物シーズンの夏が終わり、いよいよ秋となりました。
朝晩が涼しくなり、食虫植物の色合いが少し変化してきました。
サラセニアは発色の鮮やかな新しい葉を数枚出します。
秋の深まりとともに、ハエトリソウは葉の内側が赤く紅葉し、
モウセンゴケもほんのり赤く色づきます。
夏のような力強さはなくなり、
少しくたびれたような感じに見えるのは、
冬に備えて休眠の準備が始まっているためなのです。
△ 葉の内側が真っ赤に紅葉し、いっそう美しいハエトリソウの姿。
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△ サラセニア・プルプレア 上/7月 下/10月。新しい葉が出た様子がわかるかな?
注意したいのは、熱帯植物であるウツボカズラです。
ウツボカズラは、10月末までには室内へ取り込みましょう。
湿度と温度(12℃以上)を確保するために、
透明のビニール袋をかぶせたり、
半透明の衣装ケースなどへ入れるのも〇。
日中は日の当たる場所が理想的。
夜は冷えないように窓から離れた場所へ移動します。
鉢土が乾いて、鉢の重さが軽くなってきたら水を与えてください。
なお、ウツボカズラに関しては腰水厳禁ですのでご注意を。
△ウツボカズラを室内に取り込んだら、透明のビニール袋をかぶせ、日中は日当たりのよい窓辺に吊るします。夜は窓からの冷気で冷えるので部屋の中心部などに移動しましょう。
それ以外の種類は熱帯植物ではないので、
そのまま日当たりのいい戸外で管理し、腰水は続けます。
もっと秋が深まると…
霜が降りるころになると、耐寒性のある食虫植物
ハエトリソウ、モウセンゴケ、サラセニアなどは、休眠します。
紅葉した葉が黒く変色したり、傷んだりしても、
中心の芽が生きているので、枯れたと思わずに、
冬のあいだも水やり(腰水)は続けてくださいね。
実は、食虫植物は、この休眠期間中である早春(2~3月)が、
植え替えや株分けを行う適期なんです。
次回は植え替え(株分け)と、その後の管理についてお話しします。
次回更新を、お楽しみに!
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