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建設業ってやっぱり離職率高いんですよね?にお答えします。

1月も下旬、まだ進路を決めきれていない学生さんや先生達はそろそろスパートをかける時期だと思います。教育事業に関わり初めて意外に年明けから本格的に進路を考える生徒が多いことを知りました。
もともと大工上がりの工務店経営者だった私ですが、事業の本質の深掘りを繰り返した
結果、行うべきはものづくりではなく、暮らし作りである。とのマーケティングの基礎理論から派生して、地域の課題解決に向き合うように事業内容をブラッシュアップし続けてきました。その結果、社会課題解決の根本は、教育にあると気づいて、現在は建築と地域コミュニティーの活性化、そして教育事業の三本柱で事業活動を行っています。

オススメ出来ない業界

そんな一風変わった事業を展開していると、幅広い人からの相談や問い合わせをいただきます。特に、建設業界の職人不足が大きく顕在化してきたタイミングで、リクルートや採用関係の相談が最近非常に多くなってきました。
そんな中、先日とある教育関係の方から「建設業界と言うと、若者が就職しても、やっぱり定着率は悪いんでしょうね、」と言われました。やっぱり悪いイメージしかないようです。そういえば、と思い出したのは、高校卒業生の採用に、地域の工業高校の進路指導の先生に会社の案内をしたところ、「当校の卒業生も働いているし、是非子供たちに募ってみます。」と言われたこと。しかし、待てど暮らせど全く反応がなく、おかしいと思って卒業生であるスタッフに聞いてみると、「建築課の生徒も職人になる事は先生は基本的に勧めないです。多分来ないですよ。」と言われました。社員大工募集の会社に今は卒業生が残っているけど、どうせ若者が定着できる会社じゃないと思われていたようです。

就職先の選択肢に無い

子供たちが進路を決める際、自分で将来をしっかりと見据えて行く先を選択できればそれに越した事はありません。しかし、高校生ではやっぱり親や先生の影響が強く出ると思います。せっかく高校を卒業するのに不安定で、ブラックでグレーな建設業界にわざわざ就職して職人になってもらいたくないと思われているのは、これまでの業界が行ってきた悪習と悪行の証です。
私たちは20年も前から労働基準法を守って職人の正規雇用を行ってきましたが、そんなことを伝えたところで、業界全体に対するイメージが払拭されるわけではありません。会社としての認知不足、影響力が小さい事を反省するばかりですが、それでも建設業と言うだけで、就職先の選択肢から排除されてしまうのはほんとに悲しむべきことです。

本来、業界ではなく企業の問題

話をもとに戻して、「どうせ定着しないんでしょ」と言われた件については、若者が就職して定着する会社には定着するし、そうじゃない会社はすぐに離職してしまう。それは会社次第であり、しっかりとコミュニケーションをとり、不満や要望を汲み取るのと同時にキャリアパスを運用して未来を標榜できる体制を整えている会社も多く出てきています。ちなみに、私が代表を務める株式会社四方継では、毎年のように若者を採用していますが、ほとんど離職はありません。ときっぱりと言い放っておきました。
とはいえ、工務店経営者が自社はちゃんとしてる!と声を張り上げたところで何の信憑性もないのが実際です。残念ですが。

既に手遅れかも知れない

建設業界は現在、深刻な職人不足に陥っており、しかもそれは今後、加速度的にその深刻さを増していきます。現在、職人の平均年齢が60歳に近づいており、10年以内に現在活躍している職人は大挙して引退し始めます。その時になって慌てて職人の育成に取り組もうとしたところで、技術を伝え教える職人さえも居なくなっています。職人不足解消への取り組みは喫緊の課題であり、今すぐ取り掛かる必要があるのは業界関係者は皆知っており、何とか手立てはないかと模索しています。早くしないと手遅れになると誰もが知っていますが、根本的な課題に向き合う事業所は稀有なのが現実です。

変革の兆し

若者が集まらないのには、それなりの理由があります。離職も同じでせっかく入社した若者が離れて行くのは、ずっと居続けるに値しない、未来がない会社だと見限られるからに他なりません。
タイトルに建設業は離職率が高いのか?との問いを書きましたが、正直に答えると業界全体を見渡すと、その通りです。と答えるしかありません。しかし、それはあくまで全体的に労働環境や人事制度が整っていない会社が多いだけで、そうではなく、まともな体制を整えている事業所も確かに存在しており、そこではすぐに若者が離職する訳ではありません。そして、その様な企業が近年、増加傾向にあります。表面的な対処を繰り返していてもダメだと気づき、若者に働きたいと思える職人の働き方を実現しようとの本質的で善き意志を持つ、(勘のいい)経営者も確実に増えています。

職人不足問題の根本解決

私昨年、職人育成の高校を立ち上げて、現在、そのスキームを全国に展開しています。中学校を卒業した若者を受け入れ、テストの成績や内申書に囚われずにモノツクリの世界で活躍したいとの意志を明確に持つ若者を現場実務を通して教育します。また、座学では社会で活躍できる人間力を高める志教育やコミュニケーションを教えています。学生は見習い期間の給与を得ながら高校卒業資格を取得して、キャリアパスを兼ね備えた事業所にそのまま就職することができるシステムです。
今どき、職人になりたい若者はいませんが、同時になんの目的も目標も無く惰性で高校に進学する若者も多いのも事実です。モノツクリの世界に安心して未来を見つめて活躍出来る場所があるのだと、中学校などで伝える活動を熱心に行なっています。(しかも人気です。)
これが私が提案する業界のブラックでグレーな認知を変えて、若者が定着する職人不足問題の根本解決です。

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毎週月曜日にオンラインで事業説明を行なっております。ご興味がある方はお気軽にコンタクトください。

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