見出し画像

新入社員大工見習いに伝えた3つのこと

世界では怒りと悲しみと恐怖で満ち溢れており、恐れと狂気の連鎖によって核兵器の使用がなされないか、プーチンの暴走を世界中の人々が固唾を飲んで見守る状態になってしまいました。まさか世界の終末に突き進むことはないと信じたいと思いますが、何が起こるかわからないのが今の世の中です。1日も早くウクライナに平穏な日常が戻ることを祈ります。。

季節は巡り春は来る

世界が混乱に陥っていようと季節は巡り季節はもう春。新年度を控えた3月は様々な行事が目白押しです。今日は顧問先の新入社員オリエンテーションに参加して、4月から新たに大工見習いとしてプロ建築人の仲間入りする若者にエールを送りました。毎年、この時期になると同じような話をしておりまして、今年も学生から社会人になるにあたり、絶対に忘れずに心に刻んでおいてほしい事を3つ伝えました。新社会人に限らず、全ての若者等に知っておいて欲しい事なので、ここにも書いておきたいと思います。ちなみに、私の娘も先日入社式を終えてこの春、新社会人になるのでどこかで機会を見つけて話したいと思っています。

人生は自分で切り開く

まず初めに話したのは、部外者の私が顧問として新入社員オリエンテーションに参加している意味からです。私は神戸で建築と地域コミュニティの事業を行うと同時に、「職人の社会的地位の向上」をミッションに掲げた一般社団法人職人起業塾を運営しています。その活動の一環で現場改革顧問として職人の内製化とキャリアプランの構築、運営のサポートを行っており、数社の社外顧問としての役割を持っています。いわば、顧問先の職人たちの所得を高めて、やりがいを持って働ける環境づくりの為に会議に参加したり、個別にセッションを行ったりするのですが、私がいくら声高に叫んだところで彼らの給料が上がることはありません。職人の地位向上は職人自身が向上心を持って、自らの価値を高める取り組みを行ってこそであり、自助の精神無くして叶うことは無いのです。私は手伝いはしますが、自らの人生は口を開けて待つのではなく、自ら切り開くものだと認識して貰わなければなりません。

目に見えないものが大事

2つ目は職業人として最も大事なこととして、信頼と信用があらゆるビジネスの根幹であるということです。圧倒的な信頼を得るものが必ず商売的に成功するのがこの世の原理原則だと伝えました。そして、それは信頼出来ない人、その考え方から抜け出すことで「いま、かね、自分」だけが良ければ良いと考える人には絶対にならないでくれ、と頼みました。常に未来が良くなる様に考えて、目に見える価値(金)ではなく目に見えない価値(信頼)を重要視して、人のため、世の中が良くなるような選択を繰り返すことができれば、新人として社会に出て働き出した時に周りの人が皆、熱心に応援してくれるし助けてくれる様になる。自分一人の成長よりも人生の先輩たちの厚い手助けは大きな力になるのは間違いないし、それが自分自身の価値につながるのです。

大きなチャンスをモノにしろ

最後に伝えたのは本人はどれくらい気づいているのかわかりませんが、学校を卒業して大工として就職したのはとてつもない大きなチャンスを手に入れたという事実です。高校卒業後、専門学校に通って20歳で就職してきた若者は建築業界にとって非常に貴重な存在で、若年層(二十歳以下)の大工は全国で2000人を切っている現在、文字通り金の卵です。今は見習い大工のちっぽけすぎる存在ですが、十年後、彼がバリバリの職人の技術を身につける30歳になった時には今活躍しておる50歳〜60歳の大工の大半が引退もしくは法的には高所作業ができない年齢層になります。需要と供給のバランスから見ると非常にプレミアムな存在になるのはデーターが示す通り、火を見るよりも明らかで、しかも30歳で現場を知り尽くしていると、その後のキャリアの選択は幅広く、施工管理はもとより、設計でも営業でも建築業界のエリートとして活躍できるキャリアを身につけることになります。それも本人の意識次第ですが、そんな輝かしい未来が待っている事を理解して日々の修練に励んで貰いたいと思うのです。

混迷の争いが絶えない世界からの脱却

上述したのは大工として社会に出てきた若者に伝えた内容ですが、これは決して建築業界の中だけに止まる話ではなく、幅広い業界にデビューする若者に共通して当てはまる事だと思っています。大して珍しいことを伝えたわけでありませんが、学校で習ってきたこととは少し違う、この世界の真理に触れる入り口であり、人生も世界も自分達の手で切り拓けるし、作っていくものだと知るところから、人生の中でとても大きなボリュームを占める仕事、働くことに向き合って貰いたいと思うのです。そして、今の混迷を深める世界を少しでも良いものにして次の世代に引き継いで貰いたいと思うのです。私たち大人の役割は、これまで世に蔓延ってきた見えるもの重視の価値観を今一度、本質に引き戻し、本当に大事なのは目に見えないものなのだと、若者に伝える事だと思っています。新しく社会に飛び出してくる若者に心からエールを送ると共に、華々しい活躍を期待したいと思います。

_______________

本質を伝える研修事業を行っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?