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"ぬるま湯"にならない”心理的安全性”をつくる

「”心理的安全性”は素晴らしい組織には欠かせない」

この信念で、筆者は、創業したスタートアップの経営や前職の大組織マネジメントに、取り組んできました。

”心理的安全性”に向き合い、沢山の失敗と成功を重ねてきたなかで学んだことについて、以下ツイートをしたところ、多くの方から共感の声をいただきました。


”心理的安全性”は、ただの流行で終わらせるべきではなく、多くの組織が長期的に向き合うべき重要なテーマだと思っています。

しかし、安易に”心理的安全性”というキーワードやよくある施策事例に飛びつくと、その効果を全く得られず、逆効果として、ただの”ぬるま湯”ができてしまうリスクをはらんでいるとも感じています。

本記事では、パフォーマンスの高い強い組織をつくるための”真の心理的安全性”を構築する具体的な方法を紹介していきたいと思います。

簡単な自己紹介

本題の前に簡単に筆者の紹介を。

筆者である坂本が創業し、代表を務める株式会社HQは、「パフォーマンスワーク:社員一人ひとりから最高のパフォーマンスを引き出すこと」を専門領域としている会社です。
プロダクトとして、リモートワーク支援プラットフォーム「リモートHQ」も提供しています。

「働き方 X 生産性」というニッチなテーマにおいて、数十名のスタートアップから数千名の伝統的大企業まで、おそらく日本で一番経営者や人事役員と議論してきたと自負しています。
また、HQ創業前の前職はLITALICOという数千名規模の企業で取締役/CFOとして、人事、総務、経営企画などのコーポレート部門を管轄しており、大組織ゆえの組織課題に対しても必死にもがいてきました。

本記事では、学術的な研究結果や、コンサルタント的な論点整理ではなく、「経営現場で本当に機能する”実践知”」を紹介していきたいと思っています。

真の心理的安全性をつくるための5つの処方箋

心理的安全性を構築するための重要ポイントは、以下のような要素だと言われています。

  • 所属感の促進

  • 自由な発言と意見の共有

  • 失敗の許容

  • 信頼と相互尊重

  • 目的の共有

それぞれのポイントは、いずれも大切なものですが、
表層的な理解のまま、これらの表現から連想される施策を打つと、逆効果になることも非常に多いです。

各要素について、典型的な失敗と処方箋を以下の通り纏めています。

「所属感の促進」
典型的失敗:繋がり自体を目的とした単発施策を連発する
処方箋:繋がりを超えた”目的”をもつ施策を長い時間軸でおこなう

「自由な発言と意見の共有」
典型的失敗:いかなる場においても全ての意見も受け入れる。
処方箋:会議などにおける「場の目的」を明示する

「信頼と相互尊重」
典型的失敗:信頼構築を台無しにするEvilまで尊重してしまう
処方箋:腐ったリンゴを放置しない

「失敗の許容」
典型的失敗:どんな結果も許容されるため、”なあなあ感”が蔓延する
処方箋:安心 X 挑戦 の両利きになる

「安全性を構築する主体」
典型的失敗:会社がつくり、社員が享受する、という認識が蔓延
処方箋:一人ひとりが安全性をつくる主体者という習慣をつくる

*なお、上記のうち、「目的の共有」に関しては、非常に重要なものですが、私の知る限りは、典型的失敗ケースをさほど知らないので、今回の記事の詳細解説部分からは除外しています。


上記それぞれについて詳しく紹介したいと思いますが、その前に、心理的安全性の定義と概念が広まった背景を簡単におさらいしたいと思います。

そもそも心理的安全性とは? 沿革と課題

発端は、Harvard Business Schoolのエイミー・エドモンドソン教授の研究

心理的安全性(Psychological Saftey)は、Harvard Business Schoolのエイミー・エドモンドソン教授によって本格的に提唱されたもので、その簡単な定義は、以下のようなものです。

メンバーがリスクを取ることや失敗を恐れることなく自分自身を表現し、自分の意見、質問、懸念、あるいは間違いを共有できるようなチームの状態

よく勘違いされていますが、「単に受け入れてもらえていると感じること」「誰からも優しく接されること」「なんでも話せる関係があること」などの意味合いは決して強くありません。


”心理的安全性”が社会に急速に普及するきっかけになったのは、2016年のGoogleのProject Aristotle(2012年に開始され、数年にわたって続けられた大規模な研究プロジェクトで、このプロジェクトの目的は、成功するチームとそうでないチームの違いを理解することでした)に関する報道です。

「あらゆるチーム属性のなかでも、最もパフォーマンスが高いチームの共通項は、実は”心理的安全性”であった」というセンセーショナルな内容は大きな注目を浴びました。

  • 180以上のチームを対象にした調査

  • 結論ありきではなく250を超えるチームの属性を評価していた

  • 定量サーベイだけでなく、質的インタビューや行動観察も伴った本格調査

  • そして、なんといっても、実施者があのGoogle!

上記のような本格的調査であったことから、急速に注目を集めました。
日本にもすぐにアイデアが輸入され、一気に広がりを見せました。

Googleトレンドでも「心理的安全性」という単語が日本でどんどん普及しているのが分かります。最近では、心理的安全性を冠したセミナーや書籍も多くなってきました。

この5年間で一気に普及しているのが分かります。 出所:Googleトレンド

一方、急速に流行したことで、今現在、「心理的安全性の副作用」(正確には、副作用というより、誤用による大きな課題発生)が噴出してきていると感じています。

特に、場の空気や調和を元々重んじる日本においては、”心理的安全性”という概念は、非常に誤解を招きやすかったのだと思います。

「その場で安心を感じること」「つながりや信頼を常に優先すること」「言いたいことを言えること」それ自体を目的化してしまい、表層的な施策が横行するようになり、以下のような課題が噴出しはじめたのです。

  • ただただ部下に寄り添うための1on1(その場は安心だが、上司も部下も効果があると思えていない緩いだけの時間)

  • 所属感を増やすための交流イベント(自己紹介しあう、歓談するだけ)

  • 会議で全ての意見が出ても尊重されて、いつまでたっても決定できない

  • 「心理的安全性がない!」という一人社員の意見にふりまわされる管理職

  • 仲は良くなったが、肝心の重要な会議では、率直な議論ができない

本来、心理的安全性は「パフォーマンスの高いチームの共通項」として着目されたにもかかわらず、その手段に過ぎない、その場の調和や、社員への寄り添いに何故か力点が置かれすぎてしまいました。

心理的安全性は、一歩間違えると、イノベーションや主体的な行動が促進されるのではなく、ただの”ぬるま湯”になりかねないのです。
(このようなぬるま湯環境では、成果につながらないどころか、実は心理的安全性もさほど高まりません)

真の心理的安全性をつくるために

前述したととおり、心理的安全性を構築するための重要ポイントについて、典型的な失敗と処方箋について説明していきたいと思います。

  • 所属感の促進

  • 自由な発言と意見の共有

  • 失敗の許容

  • 信頼と相互尊重

  • 目的の共有


「所属感の促進」

帰属意識/つながり/所属感は、強いチームの共通項

「所属感の促進」
典型的失敗:繋がり自体を目的とした単発施策を連発する
処方箋:繋がりを超えた”目的”をもつ施策を長い時間軸でおこなう

所属感はとても大切です。
しかし、逆説的ですが、所属感それ自体を目的にした施策では、強い帰属意識は生まれないことが多いことに注意が必要です。
ただの懇親会や交流イベントで深く仲良くなることはめったにありません。

現在、自社(株式会社HQ)にて実際に行っていて効果的だと感じている施策のひとつとして「希望者制の読書会」というものがあります。
(希望者制・隔週開催・業務外にて、私が自社の経営に活用している書籍のなかから社員アンケートで選ばれた書籍について、参加者がサマリー共有とケーススタディを行っています。)

何気ない制度ですが、この施策が有効に機能している背景には三つのポイントがあります。

  1. 「自社の経営にも活かされている知見を学ぶ」という”明確な目的”があること

  2. 「一回で終わらず、ルーティン的な継続開催」であるため”頻度が高い継続施策”ということ

  3. 「単なる要約共有にとどまらず、深いテーマ設定で、社員一人ひとりが活発に意見を交換する」ため、”本質的な相互の意見交換がある”こと

この三点を理解するうえでは、仕事から少し離れてみると、考えやすいかもしれません。

「皆さんが過去何らかのイベントやコミュニティ参加を通じて、結果として大きな所属感を抱いた機会はありますか?」

帰属意識が発生する具体シーンを聞くとよく挙がる典型例は以下のようなものです。

  • 学生時代のインターンシップ仲間

  • 共通の趣味をもつ仲間との集い

  • 甲子園を共に追った仲間

  • 毎日一緒に残業して、毎週のように飲みのなかで仕事を語り合った仲間

これらの具体シーンに共通するのが上記の①②③です。
”皆が賛同している明確な目的”があり、”頻度・密度が高く””相互の意見交換がある”ことに気付きます。

逆に、①②③のどれかが大きく欠けていると、所属意識には結びつかないことが多いです。
明確な目的や趣旨のないPTAの会議に何回参加しても所属感はわきませんし、どんなに盛り上がってもたった一回の飲み会では心理的安全性は構築するのは難しい。

上記の①②③を満たすことを意識して、自社や自部署に合いそうな施策を考えてみてください。たとえば、専門知識を学ぶために参加するカンファレンスや展示会、四半期毎の目標達成の祝賀会など、①②③を満たすものであれば、なんでも大丈夫です。

所属感を高めよう、とすぐに施策に動くのではなく、
意義ある目的を設定したうえで、参加者同士が本質的な意見交換できるような取り組みを継続的にやり続けていくことが大切です。

「自由な発言と意見の共有」

日常の一つひとつのシーンで、心理的安全性ははぐくまれていきます。

「自由な発言と意見の共有」
典型的失敗:いかなる場においても全ての意見も受け入れる。
処方箋:会議などにおける「場の目的」を明示する

  • 誰もが意見しやすい環境や空気感

  • 自分の意見を聞いてくれると感じられる雰囲気

  • たとえ良くない意見であってもナイスチャレンジと言ってくれる感覚

自由な発言から自然にイメージできる上記のような状態像。
これらすべては大切なことですが、活用方法を一歩間違うと、驚くほどにチームの生産性を下げてしまいます。

よくある典型的な失敗シーンは以下のようなものです。

  • 週1の1時間のチーム会議。8名が参加

  • 会議で一番重要なテーマは今週の施策方針の意思決定。多数の議題

  • 一方、誰もが意見をいえる環境をつくりたいマネージャー。どんな意見がでても、まず「良い意見ですね」「コメントありがとう」のようなポジティブコメントしかしない。

  • 起きる事象:一時間で全然おさまらない。新人の全然的外れな意見についても数十分議論されるが、当然最終的には採用されない。辛辣な意見が言いにくい雰囲気があり、自分の意見は言いやすいものの、メンバーの意見に対する反論は非常に言いにくい。

  • つまり、仕事にならない。

いくら自由とはいえ、本当に何でも全て自由な発言が認められる環境はありえません。

自由が機能するには、超えてはならない境界線が必要です。
その場の趣旨に合った発言は自由に認められるべきですが、明らかに反することは制御されなければいけません。

そうでなければ、「限られた時間の中で売上をあげコストを減らし利益を生み出す」というビジネス成立の条件は満たされません。

そこで重要になるのが、「場の目的」を明示、共有することです。

言い換えれば、「共通の目的に向かって、自由闊達に本気で議論する」「その目的に資する意見以外は他の場で取り扱う」というメリハリをつけるということです。

たとえば、上記の会議のケースであれば、限られた時間での大人数会議なので、一人ひとりがだらだら話す場にすべきではありません。
まだ非常に未熟な段階の新人の心理的安全性を引き出す場所は上記の会議ではないかもしれません。
意思決定には直結しないタイプの創造的な議論はもう人の意見をどんどん言いやすい場は、1on1などで実現するほうが効果的でしょうし、少し頻度の低い会議でより少人数で行うほうがよいでしょう。

このように明確な目的(及びその裏返しとしてのやってはいけないことの共通認識)があれば、逆に、安心して自律的に意見を出しやすくなるものです。ルールを破るものがいない、という状態のほうが、一人ひとりの心理的安全性が高まります。

その場に貢献したい素晴らしい社員にとっては、何でもありの自由ではなく、目的や境界線が明確であることこそが現実的な条件なのです。

「信頼と相互尊重」

心理的安全性を脅かすEvil。その対応にこそ本質があらわれる。

「信頼と相互尊重」
典型的失敗:信頼構築を台無しにするEvilまで尊重してしまう
処方箋:腐ったリンゴを放置しない

「相手をリスペクトする」というスタンスは心理的安全性における大切な要素なのは明白です。尊敬の念をもって他者と接することに反対する人はいないかと思います。

問題は、この「皆をリスペクトしましょう」という一種の正論を、現実のなかでどう機能させるか、という点です。

この正論が本質を問われるのは、相手を全くリスペクトしない、相手から搾取することを全くいとわないような「いわゆる"Evil"」が出現したときです。

心理的安全性の醸成が一気に崩れる典型パターンが、というケースです。「明らかに安全性を脅かしている"Evil"を放置してしまう」

  • 突然持論を語り始めて、誰が意見をしても、絶対にこっちが正しい、と力で押し切ろうとしてくる人

  • 役職や年齢が上の立場で、反対すると、個室で3時間詰められ、意見を変えるまで帰してくれない人

  • 社長や権力者にだけ気に入られているが、他の社員はほぼ無視に近い。何か進言することがバレでもしようものなら全力で批判してくる人

一定の社会人経験があれば、一人くらい上記のような方に出会ったことはあるのではないでしょうか。

結論としては、これをリーダーが、見て見ぬフリをしてしまうと、どんな施策も効力を失い、無力感が組織に蔓延します。

明確な搾取が是となれば、安全性は消え去るのは当たり前です。
盗人がいると分かっていれば、財布やバッグを肌身離さず持っているようにする(リスクをとる発現や行動をしなくなる)のは当たり前の自己防衛です。

尊重という名のもとで、Evilまでも受け入れてしまうかどうか、はリーダーの芯の強さ・エッジが強く問われます。
チームメンバーは、このような瞬間にこそ、リーダーがどう振舞うかをよく見ているものです。

尊重の文化を整えるには、逆説的ですが、「逸脱する事例を許容しないこと」「その方針が揺るがないことを全員が認識していること」が大切です。

「失敗の許容」

真の心理的安全性は、試練の中でこそ培われる

「失敗の許容」
典型的失敗:どんな結果も許容されるため、”なあなあ感”が蔓延する
処方箋:安心 X 挑戦 の両利きになる

心理的安全性の定義に立ち返ってみましょう。

メンバーがリスクを取ることや失敗を恐れることなく自分自身を表現し、自分の意見、質問、懸念、あるいは間違いを共有できるようなチームの状態

上記から分かる通り、心理的安全性を体現するうえで「失敗の許容」は核となる要素です。

失敗が許されるから初めて自由に討議、意見が表明できます。
結果として、「挑戦、イノベーションの促進」「新しい施策や自律的な改善の自然発生」が生まれ、高いパフォーマンスをうむチームが形成されます。

一方、「失敗の許容」という概念を現実で運用するのは非常に難しいものです。

失敗の許容という”手段”に目がいきすぎると間違えることが多いです。

全く同じ「ナイスチャレンジ!」という声掛けであっても、文脈や背景、伝えるトーン次第で、全く違う結果(=チームの心理的安全性にもたらすインパクト)をもたらすからです。

着目すべきは、その許容がもたらす”結果”です。

「失敗の許容」という概念は、「失敗を認めること」という”プロセス”ではなくて、その行為がもたらす「本気で挑戦し続けるスタンスの促進」という”結果”にこそ本質が宿っています。

ある社員が目標に対して全然努力もせず、やると言ったのにさぼってしまったのにもかかわらず、チーム会議の場で、リーダーが「ナイスチャレンジ!」とフィードバックしているのを想像してみてください。
それは本当に「本気で挑戦し続けるスタンスの促進」につながるでしょうか?

このような場面では、頑張っているメンバーほど白けてしまいます。
リーダーの関心は、チームの結果ではなく、自分が優しく思われること、にあるとさえチームメンバーは感じるかもしれません。

結果として、”なあなあ感”が蔓延していきます。

一方、失敗の許容がもたらす「結果」がよく作用している例も見てみましょう。

甲子園を目指す名門校のなかで、非常に厳格な環境にもかかわらず、心理的安全性が極めて高い組織がよくあります。
そこでは、本気で取り組んだ結果として起こるエラーや失敗を責めるメンバーはだれもいません。先ほどの例と同様に、「ナイスチャレンジ」と声をかけあう雰囲気があります。

ここで注目すべきは、失敗の許容という行為それ自体ではありません。
全員が、「誰もが本気で目標を追っているし、自分もそうである」という確信を得ている、という点です。

本気で挑戦しつづけるなかで失敗はつきもの。
それを誰もが理解しているからこそ、意識することもなく、失敗の許容が自然にうまれているのです。

こういうチームでは、”なあなあ感”は全く生まれません。

まず本気で挑戦する。その過程で、起きた失敗が許容される。
この順番で考えることが大切です。

「全体の取り組み:心理的安全性に取り組む主体」

心理的安全性をつくるのはメンバー一人ひとりの仕事

「安全性を構築する主体」
典型的失敗:会社がつくり、社員が享受する、という一方通行の認識が蔓延
処方箋:一人ひとりが安全性をつくる主体者として取り組む

ここまで様々な典型的失敗と処方箋をご紹介してきたとおり、心理的安全性の追求は大変奥深いものです。
どんな会社にも適用できる簡単な解があるわけではありません。

そんな難しい挑戦に対して、マネージャーや経営者が孤軍奮闘していることがとても多いと思います。かつての私もそうでした。

しかし、そんな状況に追い打ちをかけるように、会社や上司が頑張れば頑張るほど、「心理的安全性をつくるのは会社側」という意識が社員に無意識的に芽生えやすくなります。

まずはリーダー自身が社員ひとりの力を信じること、適切に頼ることがスタートライン。
メンバー全員が心理的安全性を”共に”創っていく側という認識で、一人ひとりに貢献を求めていくスタンスを示すことが大切です。
(このスタンス自体が、リーダー自身の”弱さを認める”ことであり、本記事ではあまり触れていませんが、実は、心理的安全性の構築における大切な要素のひとつでもあります)

面白い現象ですが、チームで、心理的安全性について学んだり、取り組み方を検討したりする機会を設けるだけでも、心理的安全性は高まります。
共に取り組んでいく側であるという認識や、全員が心理的安全性の作り方について確かな知識を知っている状態であると信じられることは、仲間への信頼期待を高め、心理安全性が醸成されることにつながります。

一人ひとりが心理的安全性を”作る側”なのです。

最後に - 最高のチームを創るということ

背中を預け合うチームは強い。そんなチームで取り組む挑戦は最高の時間

ここまで色々と書いてきましたが、私が経営するHQ社でも、心理的安全性の高いチームができているかというと、完成にはほど遠いというのが事実です。

ただし、全然リソースもないなかで懸命に挑んできた、この泥臭い過程だけは本物だと自信をもって言えます。
この記事で紹介してきた典型的失敗の全ては、まさに私が踏んできた地雷の歴史であり、処方箋とは、実際にトライエラーを重ねながらも、何とか効果を得たと実感した悪戦苦闘から得られた学びです。(何か学術的に研究したわけでもありませんので、これを読んでいる方の状況に全て当てはまらないかもしれません。くれぐれもご留意ください。)

今回は、あえて”ぬるま湯”という少々過激な表現を使い、心理的安全性という概念の実践的進化を試みましたが、
この「心理的安全性」という概念がとても重要なもので、かつ個人的に好きな考え方だからこそ、注意深く向き合っていきたいと思っています。

以下のような書籍でさらに理解を深めるとともに、ぜひ机上の空論でとどまらず、ぜひ皆さんのチームで実践を通じて、トライエラーを繰り返していってほしいと思います。


”心理的安全性”によって創り出されるチームの躍動感は本当に素晴らしいと思います。

  • 一人ひとりが失敗を恐れず自律的に挑戦していく。

  • 目標にむかって真剣な議論がなされ、不格好ながらも、どんどん物事が進んでいく。

  • そのなかで起こる失敗も気にせず、成功に向かって突き進む。

  • 結果として、無理かもしれないと思っていた大きな物事が成し遂げられる。

  • 皆の目に自信が宿っていき、さらに大きな挑戦へと向かっていく。


このnoteが、素晴らしいチームが増えていくきっかけに少しでもなれば、心から嬉しく思います。

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