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忙しい相手もすぐ読んでくれる! 誰でも「好印象な文章」を書くコツ

こんにちは!

突然ですが、質問です。
「読みやすい文章」って、どんな文章だと思いますか?

ぼくは、これまでの編集経験からこう定義しています。

「見た目がいい文章」

メール、チャット、資料……言いたいことを漏れなく伝えるには、一瞬で意味が理解できる、相手にストレスをかけない文章を書くスキルが必要です。

そこでポイントとなるのが「文章の見た目」です。

「見た目のいい文章」は、パッと見ただけでも内容がなんとなくわかり、相手に負担をかけません。結果として、意思疎通のズレが減ったり、相手からの印象がよくなったりします。

今回は、すぐに実践できる「好印象を与える文章」の書き方をお伝えします。

1. 「改行」と「空行」を増やす


あなたのもとに、こんなメールが届きました。どう思いますか?

今週の定例mtgのアジェンダについてお知らせします。まず先週の議論を踏まえ、新しいプロジェクトの販促戦略について話し合いたいと思います。これまでの課題と成功例に焦点を当て、次のステップをどのように進めるかを決める必要があります。また、最近の顧客からのフィードバックに基づいて、製品の改善についても検討したいです。会議はいつもの時間に始めますが、今回は少し長引く可能性がありますので、スケジュールに余裕を持って参加してください。よろしくお願いします。

どうでしょう。文字文字しくてゾッとしませんか?

「改行」や「空行(1行空けること)」がないと、パッと見の印象が悪く、読む気が失せてしまいます。

そこで次のように修正してみましょう。

今週の定例mtgのアジェンダについてお知らせします。

まず先週の議論を踏まえ、新しいプロジェクトの販促戦略について話し合いたいと思います。これまでの課題と成功例に焦点を当て、次のステップをどのように進めるかを決める必要があります。

また、最近の顧客からのフィードバックに基づいて、製品の改善についても検討したいです。

会議はいつもの時間に始めますが、今回は少し長引く可能性がありますので、スケジュールに余裕を持って参加してください。

よろしくお願いします。

どうでしょう。改行と空行を入れただけなのですが、ぐっと読みやすくなりました。

1〜3文に1回、改行や空行を入れる。

これを意識するだけで、「文章の印象」はグッとよくなります。改行や空行を入れるのは、誰でも簡単にできるので、ぜひ取り入れてみてください。

コーマック・マッカーシーというアメリカの小説家をご存じでしょうか。
代表作『血と暴力の国』は、コーエン兄弟によって『ノーカントリー』として2007年に映画化され、アカデミー賞を獲得しました(この映画に出てくる殺し屋は最高にクールですよね。大好きな殺し屋の一人です)。

コーマック・マッカーシーの小説を読んだことがある人はわかると思うのですが、改行も読点もほぼないんです。ページに隙間なく文字が詰め込まれている。開いた瞬間、「わお……」と思うはずです。読み進めるうちにリズムがつかめてくるのですが、それまでは利き手と逆の手で箸を使っているような感覚でした。

文学作品なら「あえて改行も空行も入れない」というスタイルもあるでしょう。でもビジネスシーンにおける文章は、「改行・空行はマスト」と考えたほうがいいと思います。

2. 「かぎかっこ」「太字」「区切り線」を使う


「見た目のいい文章」をつくる方法は、まだまだあります。代表的なものを紹介しましょう。

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1. かぎかっこ
強調したい言葉、ないしは一文が長いときは「かぎかっこ」を入れてメリハリを出す。次項で紹介する「太字」と組み合わせてもOK。

【Before】一度で伝わらないとき、それでも伝えたいのであれば繰り返し伝えることが必要です。

【After】一度で伝わらないとき、それでも伝えたいのであれば「繰り返し伝えること」が必要です。

2. 太字
強調したい部分で使う。ただし、長すぎたり、数が多すぎたりすると、視認性が低くなるので要注意。「最大30文字程度、複数の文にわたって使うのはNG」を基本とする。

【Before】記憶力や集中力の差もあると思いますが、人はかなりの情報を忘れてしまう、もしくは最初から聞いていません。

【After】記憶力や集中力の差もあると思いますが、人はかなりの情報を忘れてしまう、もしくは最初から聞いていません。

3. 区切り線
「ここからは相談(質問)」など、本文と見た目を差別化させたいときに使う。この記事で使っているような「●-------------」も区切り線の一種。

【Before】
以下、ご検討いただけますでしょうか。

①次回日程、②準備すべきこと、③3月以降のアクション。

よろしくお願いします。

【After】
以下、ご検討いただけますでしょうか。

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①次回日程
②準備すべきこと
③3月以降のアクション
------------
よろしくお願いします。

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3. 「漢字とひらがな」の割合を「3:7」にする


漢字ばかりだと小難しく、とっつきづらい印象を与えます。感覚で構いませんので、「漢字は3割、ひらがな7割」を目安にすると、やわらかい印象を与えられます。

出版業界では漢字にすることを「閉じる」、ひらがな・カタカナにすることを「開く」といいます。

以下はビジネスシーンでもよく使う言葉で、「開く」のが一般的だとされている例をいくつか紹介しましょう。

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  • 「頂く」 → 「いただく」

  • 「為」 → 「ため」

  • 「所」 → 「ところ」

  • 「何故」 → 「なぜ」

  • 「無い」 → 「ない」

  • 「出来る」 → 「できる」

  • 「更に」 → 「さらに」

  • 「敢えて」 → 「あえて」

  • 「多分」 → 「たぶん」

  • 「更に」 → 「さらに」

  • 「下さい」 → 「ください」

  • 「一体」 → 「いったい」

  • 「大体」 → 「だいたい」

  • 「従って」 → 「したがって」

  • 「又は」 → 「または」

  • 「尚」 → 「なお」

  • 「即ち」 → 「すなわち」

  • 「且つ」 → 「かつ」

  • 「所謂」 → 「いわゆる」

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こんな感じで、「迷ったら、ひらがなにする」くらいの判断で決めていきましょう。

ただし、プレスリリースやニュースレターなど会社として公式な発表をする場合は、「漢字5割、ひらがな5割」くらいにするのがおすすめ。そのほうがかしこまった感じが出ます。


いかがでしたか。

「文章は見た目が9割」といわれることがあるほど、見た目の善し悪しが印象を大きく左右します。メールやチャット、日報、プレゼン資料などを書くときにぜひ意識してみてください。

では、また次回の記事でお会いしましょう。

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