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印象派 モネからアメリカへに行ってきた 一日一楽【3月28日】

chatGPTの登場でもはや人間だけが出来ることは少なくなった。もはや人間に出来ることは「楽しむ」ことだけだ。だから一日一楽。一日であった楽しいことを書いていく。

久々に有給をとり、上野へ。
なんとなく浅草に行こうと思っていたのだが、乗り換えミスったので急遽変更して上野へ。

「印象派 モネからアメリカ」という展示会がやっていたので入ってみることに。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_worcester.html

平日だというのに結構混んでる。

分かりづらいけど、奥の方に行列が見える

当方、美術の知識はほぼゼロ。世界史選考で、そこそこ得意科目だったので最低限の知識はあるが美術自体は特に興味なし。
というスペックです。

結論:めちゃくちゃおもしろかった

行ってみたら以外に面白いんですよ。これが。
なんでかを考えてみた。理由は主に3つ。

①普遍的なクリエイティブの歴史

私も10年近くクリエイターの端くれ(業界的には2流くらいのポジションです)だったんだが、私も確信しているし尊敬する諸先輩からも教えてもらったある金言がある。

作品というのは単体ではなく、前後の歴史から生まれる

映画も◯◯が生まれ、そのアンチテーゼとして△△が生まれる。みたいなことだ。例を上げればキリがないが、スピード漫才全盛で4分間にいくつ笑いを取れるか競争の中に尋常じゃないスローテンポ漫才で爆笑をとったスリムクラブみたいなことかな?あれって漫才に何の予備知識もない客相手だったらそこまで…だったんじゃないかな。

印象派とはなにか?

印象派とは、19世紀後半のフランスで誕生した芸術運動です。それまでの伝統的な芸術観、特にアカデミズムが優先していた理想化された主題や完成度を求める技法に対し、この芸術運動は新たな風を巻き起こしました。アカデミズムとは、美術教育機関で教えられていた、伝統的な絵画の制作手法や美的基準のことです。
印象派の画家たちは、瞬間的な光の効果、動き、そして日常のシーンをリアルに捉えることを重視。彼らは、細部を丁寧に描写するよりも、色彩や光の印象を大胆に表現することで、見る者に直接的な「印象」を伝えることを試みたものでした。そのために用いられた技法は、屋外での即興的な風景画を多く描くスタイルです。これは、スタジオ内で時間をかけて作り上げる従来の方法とは一線を画します。

日晃堂

間違ってたら申し訳ないが、私が聞きかじった知識だと、当時は宮廷で描かれたアカデミズムとしての絵画が主流だった。それに対し印象派の画家たちはもっと一般の、身近な風景や人々を主題にした。さらにそれを色彩や光を独特の技法で描くことで、ときの移り変わりを表現した。

絵画の知識はなくても歴史の動きと照らし合わせれば彼らの存在意義が見えてくる。19世紀後半のフランスといえばナポレオンがもたらしたボナパルティズム、フランス第一帝政の崩壊以後に活発化した政治運動で、国民の支持でフランスの支配者に選ばれたナポレオンとその一族を再びフランス皇帝に据えようとする運動が生まれた時代。

要は民主化の波がとめどなく押し寄せた時代だ。印象派が生まれた時代背景としてしっくりくる。

こんな感じで歴史と照らし合わせて見ると面白い。
感覚で絵は見れなくても理性で読むことが出来る。どうしても絵画というと才能や感性がない人はお断りに見えちゃうけど、意外とそんなこともないんだね。

②写真の勉強になる

写真が趣味で。この日も色々、写真を取りながら歩いてた。
絵画ってのは写真の勉強になる。よく言われていることなんだけど、改めて「なるほど」と感じさせられた。


山を下るボヘミアン


村の道

2枚の絵画を見ると共通点として奥に光があたっている場所がなり、そこに目が集まるようになっている。放射線構図と言われ、目線を一点に集めることができる。この場合、周囲は暗くして中央と明暗差をつけるのがコツだ。
写真の場合は周辺減光という周囲が暗くなる(一般的なマイナスな効果とされる)レンズの効果をあえて使うこともある。

また、光の勉強にもなる。
よくレンブラントが光の魔術師と言われるが、印象派の画家たちの光の使い方も本当にすごい(語彙力)

滝 ジョン・ヘンリー・トワックマン

奥の水には光があたっていて、全体的には薄暗い。写真をやっている人ならわかるが、これたぶん同じようなものを写真で表現しようとしたら相当に難難易度が高い。全体に明るさを当てて調整したら奥の光は完全に白飛びするし、表現として水は一瞬を切り取っているように見えるわけで、シャッタースピードを落とすわけにもいかない。

税関吏の小屋・荒れた小屋 クロード・モネ

これとか光の捉え方すごくない?(語彙力)
おなじ光の反射は一つもない。同じ場所でも見方によって光が変わっているように見える。

光の捉え方という視点だけでも、知的好奇心がそそられる。

私は印象派だったんだ!

最後は超個人的な話で恐縮。
小学5年生の時に描いた絵が東京都のコンクールまでいったことあって。その絵は白鳥が湖で魚をとったり飛び立ったりしている絵だった。なんかのモチーフがあったんだと思う。

今でも覚えているんだが、何を思ったか湖の動きを「様々な色を点で塗る」ことで光の反射を表現してたんだ。
もちろん、先生にそんなことも教わってないし、本を読んだわけでもない。何かのミスで青や水色以外の色で湖を塗ったら、殊の外良かった。ただそれだけだった。

でも、未だにその時の「お、いいじゃん」の感覚を覚えている。
私は印象派だった。

最後に。


画集といくつか本が売ってたので2冊購入。ニューヨークの五番街とか産業化したアメリカの印象派作品は本で見るだけでもグッとくるな。


五番街 チャイルド・ハッサム

このチャイルド・ハッサムさんが個人的には一番好きだったな。理由は説明できないけど心に残る作品が多かった。
今回の展示でもNO1はチャイルド・ハッサムの「花摘み、フランス式庭園にて」

花摘み、フランス式庭園にて チャイルド・ハッサム 

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