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「わがまま」は社会問題かも? 荻上チキ『社会問題のつくり方』の第1章を公開

不公正で、理不尽で、なのに当たり前になっているルールやシステム。自分にとってそれがどんなに苦痛でつらいことだと訴えても、「そういうもの」「慣れるしかない」「わがままだ」と諭される。

こうした経験は誰にでもあるものですが、多くの人は諦めてしまい、それこそ慣れることで乗りきろうとします。ですが、それは本当に個人の「わがまま」なのでしょうか。実は多くの人が同じ問題で悩んでいて、解消したいと思っていたら──。

そのとき、個人の「わがまま」は社会が解決すべき問題、すなわち「社会問題」として立ち上がります。しかし、どうやってそれが社会問題であると知ってもらい、解決できるのでしょうか。

そのための方法をやさしく解説した本が、評論家でNPO法人・ストップいじめ!ナビの代表、社会調査支援機構チキラボ代表などを務める荻上チキさんによる『社会問題のつくり方 困った世界を直すには?』です。

本書は社会のおかしな部分に「気づく」、一緒に活動する仲間と「つながる」、実際の声やデータを「調べる」、メディアを通して多くの人に「伝える」、そして政治家や社会を「動かす」という5つのテーマに沿って、社会問題を解決する道のりを示してくれます。

資金調達、組織づくり、広報活動、ロビイングといった一見難しそう・無理そうなことも、どうすれば一歩ずつ進めていけるのかを説明しているので、「何から始めればいいのか」がわかります。

年齢問わず、ソーシャルアクションの入門書としておすすめです。

今回は本書から「Chapter 1 気づく」を公開します。見開きページの画像で掲載しますので、画像をタップまたはクリックで拡大し、ぜひ一度読んでみてください。

◆著者について
荻上 チキ(おぎうえ・ちき)

1981年、兵庫県生まれ。評論家、ラジオパーソナリティー。NPO 法人ストップいじめ! ナビ代表、一般社団法人社会調査支援機構チキラボ代表。ラジオ番組「荻上チキ・Session」(TBS ラジオ)メインパーソナリティ。「荻上チキ・Session-22」で、2015年度ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞、2016年度ギャラクシー賞大賞を受賞。著書に『未来を作る権利』(NHK ブックス)、『災害支援手帖』(木楽舎)、『いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識』(PHP新書)、『もう一人、誰かを好きになったとき:ポリアモリーのリアル』(新潮社)など多数。

Chapter 1 気づく

◆本書の目次
Chapter1 気づく

絶望の「仕組み」に気づく/「絶望モード」から「解決モード」へ/「何も変わらない」のって、なんでだ?/「わがまま」を「社会問題」化する/無力から微力へ

Chapter2 つながる
チームを作って、存在を知らせる/ゴールを決めて、旗を掲げる/理念と意思決定方法を決める/誰にでも役割がある/活動資金を調達する/「反対意見」と「妨害」を想定する/メンタルケアを意識する

Chapter3 調べる
「調査」も社会運動だ/数字に広報してもらう/声を集める/資料を集める/比べる/「白書」を作る/話し合う、話し合う、話し合う

Chapter4 伝える
概念をつくる/メディアを理解する/議題設定をする/スポークスパーソンをつくる/記者会見を開く/メディアを活用する/デモって意味あるの?/解決モデルを提案する/いろんな角度から訴え続ける

Chapter5 動かす
ロビイングする/政治家とつながる/託す/つなげ続ける/法案を作る/法案を作る/傍聴する/結果を受け、発信する/休みながら、次、を考える/ 社会は、変えられる

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