ミュージカル「ジョジョの冒険 ファントムブラッド」あとがき

黄金の精神の物語の終幕から2週間

あれから事あるごとにドーヴの音楽が頭に流れてきて困ってるので、ここいらで一旦ロスを終わらせるために、思い出しながらジョジョについてを書いてみる。

台本の表紙には、ジョジョ役松下優也さんから差し入れで何度も頂いたジョジョウエハースのタルカスシール!

ブラフォード役の池田遼さんから頂きました


さて、
ここから作品に対する僕の想い、考え方、構築を語っていきますが、それらはあくまでも

※僕、個人の想い です!

漫画、アニメで受け継がれきたジョジョの世界、その世界に魅了され考察されてきた長年のジョジョファンの方たちに尊敬とリスペクトの念を絶やすことなく、
どうしたらミュージカルという表現に昇華出来るのかを模索してきた中の、たった一つアイデアをお話ししているにすぎません。

なので、どうか、お手柔らかに😁

北海道への飛行機

アステカの民達は一体どういう部族だったのか…?

老いたスピードワゴンが作中に言っています。

始まりは13世紀、鬨(とき)の声を上げる太陽の民アステカの一部族がいた

そして、仮面により永遠の命を手に入れたその一部族はこう言っています。

我ら太陽の子アステカ、太陽にAHHH嫌われた

このことから僕はきっとこの部族は何千年と信仰されてきた太陽崇拝のアステカ一部族の中でも異端派の強硬派だったのではないかと想像しました。
太陽の神に嫌われてでも永遠の命を求めた、哀れで勇敢な仮面に取り憑かれた部族だったのでは無いかと。

だからこそ儀式中の彼らの目は瞳孔が開き身体中から熱気が溢れた炎より熱いエネルギーが渦巻いていた。
そういうシーンだったのかな?と思いながら儀式の舞を踊っていました🕺
みんな本番を重ねるにつれ、ボルテージが異常に上がっていき、叫びまくりの熱狂しまくりのシーンになっていったので全アンサンブルキャストにリスペクトしっぱなしでした!

四神官が一人

そして、
食屍鬼街(オウガーストリート)のナンバー。
呪われた者が住む街。あらゆる伝染病はこの街から始まると言われている。
まぁ普通の人間はまず生きていけないよね。

だから、僕が演じる役がこの場所に辿りついた過程を考えてみました。

時代は産業革命の後、青年α(僕)は貧しい家の生まれでしたが、こう考えていました。
努力をすれば夢を叶えられるかもしれない。自分も大金持ちになって大切な家族に楽な暮らしをさせてやれるかもしれない。と、
日々安い賃金で危険な工場で働いていました。言われた事を断れば次の仕事が貰えないからなんでもやった。
結果、機械のトラブルで事故に巻き込まれて半ば生き埋め状態に。なんとか命は無事だったが、一日近く生き埋めになってしまい、助かった時には背骨が変形した身体になってしまった。そうなるともう思い通りに働けない。
仕事をクビになり、どこにも雇ってもらえず、ホームレスとして残飯を漁る毎日。
スラムで麻薬や、自分の臓器を売ってなんとか生き延びた。
そして後に食屍鬼街でスピードワゴンと出会い、あの街の家族となる。

こんな感じ。

食屍鬼街はどん底の人生の最後の受け皿だったのだと思います。そこに辿り着いてとても幸せだったと思う。
それに、青年αは後にスピードワゴン財団のトップの組織でその時身につけた能力を遺憾無く発揮してるはず!
そうであってほしい。

衣装が最高に良い

革命のシーンは歌詞の内容と動きに関して抽象的な部分がありました。
だから、どんな人物にしようか結構迷っていました。単純に革命に参加する人だと面白くないなと。
そこでやってみたのは、最初は街の雰囲気に流されてデモの行進に迷いながらも参加していた青年が、革命の波に呑まれていく仲間や、戦いの狂気に歪んでいく人々をみて悲しみます。
そしてある日、自分の妹が革命の衝突に巻き込まれ亡くなります。
その事件をきっかけに革命へ本格的に参加。
復讐の熱意に溢れ、先陣を切るまでに至ります。
(切り裂きジャックが出てきた瞬間から僕が演じる役の中でその変化が起こる)
そんな人にしてみました!
歌の後半、傾斜の円形の台上に上がっていく時。
きっと最終決戦前夜なのでしょう。日によって女性(町屋美咲さん)との芝居は変化していましたが、多くやっていたのは最後の時を一緒に過ごす夫婦でした(私の中の勝手な想像)
大千穐楽が近づいていたある日の本番で、今日はどう絡んでみようかな?なんて考えながらみーちゃん(町屋さん)をそのシーンで見ていたら、すれ違う男装のイケメン(住玲衣奈)に見惚れてるように見えて、
ああ!そっちで恋愛発生してるの!それなのに今まで野暮な事を🥺笑
自分勝手な芝居はダメだね笑
(後で聞いたら全然そんな芝居はしてなかったらしい…)

いくぞー!

ジョースター邸での警官役はアクション満載でした。
大変でしたが楽しかったですね。
ミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」以来のロンドン警察で懐かしかった。
アクションは全力すぎて、衣装の股を破るわ、膝を破るわで衣装さんに大変ご迷惑をおかけしました(笑)
結構必死だったからあんまり視界が定まらなくて感覚で槍に刺されてましたね!
僕がやってたゾンビさんは声の高い可愛いやつでした。
襲いかかろうとしたらジョジョが投げ飛ばしたゾンビに吹っ飛ばされ、また襲おうとしたらまたジョジョが吹っ飛ばしたゾンビに吹っ飛ばされ、また襲おうとしたら槍に刺されて吹っ飛ばされる、吹っ飛ばされ系ゾンビさんでした!
嬉しかったのが、警官からゾンビになった時の違いが視覚的なところでも何か欲しくて、考えた結果、上着の前を開けて乱す、帽子をとってボサボサ頭を出すなどしてたんですが、それをやってみようと思ってる。って他のアンサンブルと話してたらみんなが真似してくれて、シーンとしてより見やすくなっていった事ですね!

変身前
変身後

タルカスは難関でした!
それでも納得のいく自分のタルカス像を構築し、本番に挑むことが出来ました!
稽古が始まる頃、俳優の先輩に「僕、ジョジョ出るんです」っていうと、「そうなんだ!?おめでとう!タルカスとか出てくるの?」と言われるほどタルカスは人気のあるキャラクターです。
そのタルカスの生まれや幼少期、育った環境など具体的にどういう事象が起きたかを考えるのは困難を極めましたが、とても楽しかったですし、MUOOOOって言いながら思い切り殴れたのは、カイ、カン!でした!笑

僕の中で決めたタルカスを演じる上での設定はいろいろとありますが、皆さんの中のタルカス像と全く違う可能性もあるので、タルカスに関しては僕の胸の中に秘めておきます(笑)

首に巻いてるのは鎖です

今回のミュージカルジョジョは「冒険がテーマの作品」と、作家の元吉さんが教えてくださいました!
それはつまり、自分の身を危険に晒して行動をする事。
だそうです!
冒頭のスピードワゴンから冒険してます。
アステカの民も冒険してる。
ロンドンに住まう住人もなんらかの冒険をしてる人たちが舞台上にいる。
冒険をテーマにしたミュージカルだからこそワクワクドキドキの感動があり、それがお客様に伝わったんだと思います!

僕も、黄金の精神を胸に、これからも俳優として冒険を続けていきます!


※黄金精神とは
・恐怖に屈しない勇気
・大切な人を思いやる優しさの心
・いかなる困難をもはねのける精神力
・自分の責任に殉じようとする覚悟。

人間讃歌は勇気の讃歌!
人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ❗️

I LOVE JOJO

世界初演メンバー

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