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受験先の分野を意識した課題【小論文の戦略】  


【1】 各コースの考え方  

小論文.comでは基礎編から応用実践編まで、受講生一人ひとりの志望先、受験先の試験の種類、分野を強く意識した形で添削指導をしています。もちろん基礎完成コースの前半は基礎土台の構築が主題となりますから、ある程度本番の試験でどのようなイレギュラーな課題にも対応できるような広い範囲での実力を養成していくということでどの受験先にも共通するような論文の根源となる部分を学習していくことにはなりますが、各受験先で傾向が違いますから総論的な指導のみを行うということはありません。基礎完成コースは志望先の受験対策としての基礎完成コース、教材持込コースは志望先の受験対策としての教材持込コース、模試作成コースは志望先の受験対策としての模試作成コース、ということになります。

 基礎完成コースでは、もちろん受験先を意識しながら、まずは今の実力を最大限に伸ばすというアプローチで進めてまいります。その時その時の受講生の様子を拝見し、その時その時の実力から最終的な目標地点までの最短距離を見ながらその時のベストの課題・添削指導を行っていくという流れです。あらかじめカリキュラムや課題が勝手に小論文.comの都合で決まってしまっているわけではなく、その時その時の受講生の実力・ご要望に合わせたベストな対策をしていくということです。

 それに対して教材持込コースや模試作成コースでは、今の実力からのアプローチというよりも、受験する試験からのアプローチで学習を進めてまいります。ご提出いただいた文章で受験先に「合格できるか不合格になるか」という観点で見ていくということです。これらを順に訓練し組み合わせることで最大限に合格を近づけるという流れになっています。


【2】 最近多いご要望  

 近年は多様性が重視されていることもあり、各試験においてかなり特徴のある分野、種類の問題が出されることが多くなってきました。そのためか、最近は特に自分自身の試験に完全合致する課題設定と添削指導をご要望いただくことが多くなっています。

 もちろん小論文.comでは【1】のように、全てのコースにおいて受講生一人ひとりの状況に合わせて課題設定、添削指導を行いますから、そのようなご要望にお応えする講座になっているのですが、ただ最近は特に基礎編の基礎完成コースの前半から早速本番の試験と同じような課題設定、例えば芸術分野やスポーツ分野、看護医療の分野に特化した形での課題をご要望いただくことがあります。

 しかし、【1】でもご説明させていただいているように、そもそもの小論文の根源的なところの基軸を構築しておかないと、例えば芸術やスポーツなどに対するものの考え方を固めることができません。そもそもの総論である幸福の概念がなければ、何を求めながら生きていくべきなのかといったような各論で話をすることができません。例えば英語で言えば、主語の次には動詞が来るのだという固まっている文法を理解していなければ、どれだけ英単語を増やしイディオムを増やそうとしたところで、それらを言語として使いこなすことはできません。小論文は日本史や世界史のように1対1で問題と正解があり、それらを暗記すれば得点ができるという種類のものではなく、むしろ文法を固めておくことで少ない語彙でも立派な文章を書くことができるようにするという種類のものですから、その点は何とかご理解いただき、まずは基礎土台作りについてご信頼いただきながら課題に取り組んでいただきたいと思います。


【3】 総論を固めてからの各論  

 何とかご信頼いただき基礎土台がしっかりと構築されると、応用実践的な問題に取り組む際にたとえ自分自身の得意分野ではない種類の課題が出されたとしても、何とか合格ラインを越える答案が書けるようになります。それは各論でズレが発生したとしても総論がしっかりしている以上、ちょっとした範囲のズレで済むからです。逆に総論がグラグラとしていると各論がある程度書けたとしても、どうしても一貫性に欠ける文章になってしまうものです。知識教養のアピールとしては有効かもしれませんが、論理的思考能力、論述力、表現力を検査されている試験においては、知識教養だけで合格ラインを越えることはできません。まずは基礎土台作り、それと並行して知識教養を増やすことによってより分厚い、確実な合格答案を書けるようにしていきましょう。


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