見出し画像

そこそこ平均的な学力の新高校1年生(+その保護者)向けの大学受験の勉強のスタート法

インターネットの発達によって、個人でのYouTubeでの情報発信や書籍の出版などのハードルが下がり、多くの情報が広く公開されるようになりました。

大学受験の勉強法もその一つで、以前は有名進学校や予備校でしか共有されていなかった知識やノウハウに簡単にアクセスでき流ようになっています。

リンク先のCASTDICE TVはそうした受験情報発信の代表例で、私も多くの動画を視聴して受験指導の参考にしています。

マス層は関東、私立大学、上位層

しかしこうした受験情報の多くは特定の層に偏重した情報発信になっているのも事実です。

なぜならば受験情報を収集するマス層は地域的にも学力的にも偏在しているからです。

  • 関東在住の東京都内および近郊の大学を志望

  • 難関大学志望(早慶MARCH)

  • 高学力層(偏差値60以上)

以上のような条件を満たす層は九州にはほぼ皆無です。そのため、情報が氾濫している割には身近な情報に飢えている、不足しているケースは少なくありません。

したがって、九州に多いマス層、九州内の国公立大学や西南学院大学、福岡大学志望者に向けて参考にならないケースが多いのです。

ちなみに、上記の条件の偏差値60という数値は「大学受験」における数値です。これは「高校受験」では60後半から70に相当し九州においてはほぼ最上位層となり、公立の中学校における上位10%以上になりかなり少数の生徒しか該当しません。

したがってネット上に転がっている学習法の情報は、そもそものネットの特性として玉石混交な上に、対象が上位層に偏っているため多くの受験生にとっては利用が難しいということになります。

そこそこ平均的な学力層のスタート学習法

九州における大学進学を志望するそこそこ平均的な学力層は、大体は都市部の学区2、3番手校に通う生徒です。(地域によっては学区に1つの普通科高校でしょう)

彼らの学力は進研模試で偏差値45程度であり、高校受験をクリアしてはいるものの、実際には中学校範囲の内容の定着が不十分であるケースがほとんどです。

そこで、その層に一般的に当てはまる状況を踏まえつつ、高校1年生のスタートの時点からスムーズに大学受験の学習へ移行する指針をまとめたいと思います。

英語編

英語に関してですが、このレベルの生徒は中学レベルの単語が完璧ではありません。

まずはターゲット中学英単語1800などの中学英単語を5月中に完璧に仕上げます。

完璧とは、日本語⇔英語の読み替えが1秒以内にでき、綴りを間違えないレベルに覚えるということです。

また今後の高校単語の学習を考慮して、この時点で音を聞いて綴りが思い浮かべられるようにしておくと学習が捗ります。

さらに中学英文法を復習し、公立高校の入試問題は必ず満点を取れるところまでやり直しをしておきます。

それほど難しくない問題集をとにかく繰り返しやると良いでしょう。

数学編

数学も同様で中学数学の復習が必要です。

中学数学と大学入試は分野が重ならない事も多いため、基本的には因数分解や根号などの計算、関数分野、証明や作図以外の図形の知識問題を仕上げます。

こちらも該当分野の入試問題は必ず満点を取れる状態にしておく必要があります。

具体的には高校受験の分野別問題集を4月中に仕上げ、数学Ⅰの内容の学習に躓きがない準備をしておくことが重要です。

国語編

国語に関しても漢字と語彙を増やすことが最低限求められます。

「システム中学国語 漢字・語彙編」などの漢字、語彙を繰り返し行い、国語以外の他教科の学習や読解、解答理解に問題が出ないようにしておくことが重要です。

中学校内容を完璧に仕上げる重要性

ここまで上げた内容は全て中学校の復習でしかありません。

しかし、ほとんどの高校1年生は既に終えたはずの中学校内容の習得が不十分であり、そのために高校内容が理解できないというジレンマに陥っています。

実際、学区トップの高校に通っている生徒と一般的な学力層の生徒の、高校内容そのものを理解するための基礎能力自体はそこまで差があるわけではありません。

彼らの違いは中学校内容の仕上がり具合の差です。

そのため、どれだけ高校で勉強をサボっていてもトップ校の生徒は直前期や浪人の1年間だけで合格にまで到達するケースが多いのです。一方で中堅校の生徒は志望校まで到達せず、志望校を下げることになるのです。

授業の予復習ではない自学時間と習慣の確立

当然ながらこうした中学校内容の復習は、多くの学校の授業では行いません。また、それをする時間的余裕もありません。

だからこそ、自分でその時間を確保する必要があります。

一先ずは1学期の間は英数国の3教科の中学復習の時間を家庭学習、自学の時間として毎日や週末に確保し、その習慣を確立することが重要です。

それによって、基礎学力の地盤固めができるだけでなくその後の受験に向けての自学の時間へスライドさせることができるからです。

ここまでの事が半年以内に仕上がれば、あとはネット上に転がる目標大学向けの学習のほとんどに対応できるでしょう。

おそらく九州の大学受験を志す生徒の多くは中学段階の復習と定着が圧倒的に不足しています。

そのために授業を有効に活用もできず、また大量の課題や朝夕の課外による時間拘束で必要な復習をする時間を確保できていません。

とはいえ、最近は朝課外の廃止など、縛りが緩くなりつつあります。

だからこそ、この時期に必ず中学校内容の復習に手をつけるべきであり、それこそが間違いなく大学受験勉強の最良のスタートではないかと思うのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?