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福岡女子大学は九州の「お茶の水女子大学」:九州の大学別受験事情⑦

近年は女子大学の人気が低下しており、有名大学でも募集停止になるなどの状況になっています。

しかし、一方で未だに根強い人気を誇る女子大学も存在します。

特に国公立大学の人気はそれなりに高く、関東ではお茶の水女子大学、関西では奈良女子大学がその代表例でしょう。

九州最難関女子大学

九州の中で入試難度が最も高く、高いステータスを誇っているのが福岡女子大学です。

1923年に福岡県立女子専門学校として開校し、今年100周年を迎える伝統校です。

その人気は高く、国際文理学部の国際教養学科は河合塾の偏差値で52.5、共通テストのボーダーは64%と、九州内の国公立大学の中では比較的高く、熊本大学の法学部とほぼ同じラインとなっています。

文・教養系、環境系、食物被服系の比較的伝統的な女子大学の学部構成でありながらも、2倍の倍率を常に維持するなど人気のある大学です。

大学の所在地は福岡市東区香住ヶ丘、福岡市内の副都心に立地し比較的落ち着いた環境で、駅からは徒歩10分以上かかるため抜群の立地とまでは言えません。

しかし、博多や天神といった都心部へのアクセスも決して悪くはなく、福岡県内の国公立大学の中では便利な場所にある方と言えます。
(九州大学の伊都キャンパス、福岡県立大学の田川キャンパスなどと比較すると雲泥の差です)

こうした複数の理由から受験生の人気も高く、地域での評価や就職状況も良好で、まさに九州の「お茶の水女子大学」といったポジションの大学です。

男子学生の願書不受理訴訟

平成27年に同大学は男子の入学志望者から訴訟を起こされています。

内容としては、福岡女子大学への入学を希望する男性が願書を出願したが不受理処分となったことに対して、憲法上に禁止された不当な性差別であるというものです。

男性は栄養士を志望しており、学費の安い公立大学で栄養士の資格を取得することができるのは福岡女子大学のみということから出願をしたものの、願書が不受理とされたことが訴訟を起こした理由とのことでした。

男性は訴訟の継続が困難となったことから訴えを取り下げていますが、現在の男女平等やトランスジェンダーの受け入れにも関わる話題の嚆矢となった出来事でもあります。

最近はお茶の水女子大学をはじめとして、トランスジェンダーの受け入れを行う大学が増加していることもあり、福岡女子大学の今後の対応が気になるところです。

卒業生に会う機会は少ない

九州の中でも非常に規模の小さい大学の一つでもあり、九州内での大学の知名度の割には卒業生の数が少ないのが特徴です。

また現状では卒業生が女性のみであることや学部構成の都合上からも、卒業生の業種が偏る傾向にあるようで、九州内で生活していてもOGの方と会う機会はそれほど多くないように感じます。

しかし、歴史も古くその知名度や教育充実度の観点からもおすすめできる大学の一つと言えるでしょう。

実際、生徒にも積極的に受験を勧める大学の一つでもあります。

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