見出し画像

国公立大学を後期日程まで受験すべき3つの理由

先日、国公立大学の後期日程が終了しました。

日本中のほとんどの受験生はこれをもって一先ず今年の受験が終了となったのではないでしょうか。

本当にお疲れ様でした。

国公立大学の入試は主に2回

大学受験の知識がある人ならば当然の話ですが、国公立大学の一般入試には二つの日程が存在します。

2月25日に実施される前期試験と、3月12日に実施される後期試験です。

ほとんどの国公立大学のこの二つの日程で入試を行っており、この日の得点と大学入学共通テストの得点の合計で合否を決定します。

一般的には前期日程の試験は第一志望の大学を受験する傾向が高く、後期日程は第二志望以下の大学を受験するため、前期日程の受験者数は後期日程のそれを大きく上回ります。

また、出願自体は前期、後期を同時期に行う必要があるため、前期の結果を見て後期の出願先を選択できないという仕組みになっています。

ちなみに、公立大学の受験においては中期日程という日程も存在しますが、今回は話が複雑になるために割愛します。

後期を受験しない受験生は多い

出願時点では後期日程を出願する人は少なくありません。

しかし、実際に試験日当日に大学へ行き、試験を受ける受験生はそれほど多くありません。

その理由は複数考えられますが、主に日程がかなり遅めで高校の卒業式を終えて気持ちが切れていること、私立大学の合否がすでに出ている上に入学金を支払っていることなどがあげられます。

つまり受験生の間では、後期日程は全落ちの最後の砦であり、通常は受験しないのが当たり前という空気感さえあるということです。

後期まで受験を勧める理由

ところが、だからこそ私は受験生に対して後期日程まで受験をするように毎年強く勧めています。

その理由を以下に挙げていきます。

1.実倍率が低い

先ほどまで書いたように、多くの受験生にとって後期日程は受験に行かないのがスタンダードとなっています。

そのため、願書締め切り時点で判明した倍率に対して実際の受験生は格段に少なくなっています。

後期日程は見かけ上の倍率では5倍を超えるケースは少なくありませんが、実際には2倍程度になっており、試験場に入っても教室の半数以上の席が空席だったということが頻繁に発生します。

また、後期日程を実施している大学のいくつかは、前期合格者に辞退されるところがあります。

首都圏の中堅国立大学などの場合、難関私立大学との併願者から辞退者が多数発生します。

それゆえ、後期の合格者を当初の募集人数よりも増やすケースがあります。

つまり、事前発表の数字よりもはるかに合格可能性は高く、決して倍率で諦める必要がないということになります。

2.最後まで天秤に掛けて選択をする重要性

大学入学を考える上で、自分でいかに選択したか、という要素はその後の学生生活を考える上でとても重要です。

そこしか合格しなかった、親や先生に勧められた、ではなく自分で納得をして選ぶことで、進学先での学習や生活に責任を持つことができるようになるからです。

その意味でも、前期不合格、私立大学合格の生徒に対しては後期を受験し、可能な限り合格をした大学を複数持ち、その中から自分の行きたい大学を再度考えるように促しています。

3.浪人をする場合のステップとなる

この話は近年は浪人をする受験生は減少しているため、それほど多くの生徒が当てはまるわけではないということ断っておきます。

大学受験を成功できなかった場合、浪人という選択肢も発生します。

当然ではありますが、浪人をして成績が大きく向上することはそれほど多くはありません。

特に高校生活でしっかり勉強をしてきた生徒は言うまでもありませんが、逆にこれまでしてこなかった生徒が習慣を変えることもまた難しいからです。

それゆえ、浪人生の半数は現状維持か、わずかに上昇する程度です。

場合によっては下がることさえあるぐらい、浪人の一年間というのは
精神的にもつらい期間になります。

後期での合格を蹴ってまで浪人した、という覚悟や自信、プライドは精神状態を保つモチベーションともなりますし、最低限のラインの目安ともなるでしょう。

学校の実績とは関係ない

後期受験を勧める話をすると、生徒や保護者、あるいはこうした記事を読んだ人たちからも「勤務校や自分の実績づくりのためだろう」という批判を受けることがあります。

たしかに、私の勤務するような私立高校では大学合格者の実績は生徒募集の観点からも重要ですし、九州という土地柄では国公立大学の合格者数は大きな影響力を持つのも事実です。

しかし実際には、後期受験を勧める大半の生徒の受験するような大学は高校側から見てそれほどネームバリューのある大学というわけではなく、正直それほど実利を意識してのものではありません。
(少なくとも私の勤務校では、ということです)

ほとんどの場合、教員側の「善意」によって後期受験を勧めているのが実情ではないでしょうか。

もちろん、そうした教員側のアドバイスに対し不快な気持ちを抱く人がいることも理解はしていますが、多くの場合は教員側の算盤勘定よりも老婆心ではないでしょうか。

まずは合格してから考える

いずれにしても、自分で選択するためにはそれなりに学力を身につけなければいけません。

そして、選択を可能にするためには合格を勝ち取る必要があります。

まずは合格を手にして、その上でじっくりと腰を据えて自分の将来について熟考することを私は強く勧めたいと思うのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?