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WHO「2030年頃の人類 最大の敵は”うつ病”」

特に予定を入れなかったGW。家でビジネス系雑誌を読んでいると、「WHOは2030年ごろの人生の健康の最大の敵は”うつ病”と予想している」という一文が目に入った。

「うつ病」「発達障害」「いじめ」「自殺」等のキーワードに私は敏感に反応する。誰にとっても他人事ではないと思っているからだ。

なるべく周囲に迷惑をかけず、噓をつかず、誠実に働いている人がうつ病になる。他人にばかにされていた特性が実は発達障害だった。ちょっとしたイジりのつもりが自然といじめになっていた。自分には縁のない話だと思っていたのにふと消えたくなって一線を越えてしまう行動を取る。

大人になり色んな人と接するほど、こういうことがどこかしらで常に発生していると痛感する。気を抜くとやられる。私にとって人間社会とはそういう環境である。忍耐力、智慧を得る力、楽観性、笑い合える仲間をもち、しなやかに力強く生きていきたいものである。

WHOの件に話を戻す。ソースを調べてみるも、なかなか出てこず苦戦したがそれらしきものにたどり着いた。下記、そのことに言及しているサイトとWHOのレポートである。

取り上げられているのは恐らく下記部分(翻訳後)。

未治療の精神疾患は、世界の疾病負担の13%を占める。単極性うつ病性障害は、世界の疾病負担の4.3%を占める第3位の原因である。低・中所得国の推定値はそれぞれ3.2%と5.1%である。現在の予測では、2030年までにうつ病が世界的な疾病負担の主因となる。疾病負担の計算において障害要素のみを考慮した場合、低・中所得国では、障害をもって生活した年数の25.3%、33.5%を精神障害が占めている。

うつ病と聞くと、ズーンと重たく苦しい印象を受ける。そのため、こうしたレポートでは人類の将来が暗いことを示唆していると捉えてしまいがちである。それはある意味間違いではないのだろうが、あえて別の視点から述べると『メンタルヘルスの関心が高まり、重要視されるようになった証拠』と言えるのではないか。

キドリンの法則と呼ばれるものがある。あらゆるビジネス書あるいは自己啓発書でも時々取り上げられているのを目にする。

問題を明確に書き出せれば、問題の半分は解決したようなものだ

つまり、「2030年には人類はうつ病に苦しめられるらしい!まずいぞ!」となっているということは、前提にうつ病に対する問題意識があり、それをどうにか解決していくべきという主張だ。そう思えば、暗いニュースというよりもむしろ、明るいニュースと捉えられるかもしれない。解決に向けて50%はすでに達成されていると考えられるから。

そういう理屈はいったん横に置いて、じゃあ個々人はどう生きていけばいいのか。クリティカルな問題はそこである。

毎度同じような主張になるが、『一人ひとりが程よいコントロール感を持って生きる』ということになるのではないだろうか。

人間万事塞翁が馬といわれるように、人生には波がある。思い通りにいくこともあればそうでないこともある。そこで気をつけたいのは、順境なときは過度に調子に乗らず、逆境ではあまり思い詰めないよう意識すること。世の中にはコントロールできることもあれば、できないこともあるんだという前提のもと、一瞬一瞬を味わうことが大事なのではないか。健全に生きるには、むしろそれしかできない。

昔の人達はそういうことに気がついて、哲学や宗教などの智慧や文化を生み出し、積み重ね、引き継いできたのではないだろうか。だとすれば人間が生み出してきたものはどれも、一瞬一瞬を味わうためのツールと解釈できる。あらゆる概念、学問、文化、慣習、規則、行為、創造、消費等は、人間が各々の命を味わうための手段なのだ。

自分がどんな手段で人生を謳歌するか、程よいコントロール感で以て、選んでいきたいと思う。

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