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人生を変えた一冊

最近、岡本太郎の本を久しぶりに読んでいる。やはりとてつもなく強烈。

彼の本を最初に読んだのは19歳、大学2年生の頃だった。歯に衣着せぬ物言いとその過激さにすっかり心酔した。

印象深かったのは、「人生は積み上げるのではなく、積み減らしていくべきだ」という主張である。それまで、小学校から大学まで私立校で、部活やサークル活動、資格の勉強などに勤しんできた普通の学生だった私には、まったく理解不能な論説だった。

同様に連続して繰り広げられていく”岡本太郎ワールド”に私はタコ殴りにされ、自ずと形成していた価値観が一気に崩れた。私はめったに身体を壊さないが、この時は完全に参ってしまい三日ほど寝込んだ。

一冊の本で、人生が大きく変わった瞬間だった。それほど惹きつけられた。

私は彼の主張をアタマで解釈するだけではなく、自分のモノにしたいと思い、さっそくアルバイト先に相談し長期休暇をもらい、大学の講義もしばらく欠席して、一人東京に向かった。岡本太郎の記念館や美術館めぐりとお墓参りが目的。彼の存在を五感で感じ、エネルギーを浴びるためだ。

当時は本当に彼の思想に傾倒していて、他人から見ると少し狂気じみていたかもしれない。本当はアルバイトも大学も辞めるつもりだったが、いずれも周囲に止められた。

とにかく、猛烈に心が熱くなり、行動せずにはいられなかった。どちらかといえば静かで冷静な自分がそこまで熱くなることに自分でも驚いたし、人を突き動かす彼のパッションは紛れもなく本物だと、文章越しに確信した。

同じ時代に生きてみたかったと思う一人である。

彼の書籍は多数あるが、この二冊を特に薦めたい。

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