「APPLE VINEGAR -Music+Talk- Episode112 AVMA2024報告回」を聴いて

APPLE VINEGAR -Music Award- 2024の大賞が発表になりましたが、その報告会がかなり興味深かったので、踏まえて少し考えてみます。

まずは、選考会に関してですが、
この賞を君島大空にしちゃうかという率直な感想もありつつ、 議論の流れは全く違和感がないので、納得ではありました。

後述にも関係ありますが、Gotchや小熊さんのコメントにもある通り、この賞は「新進気鋭」と言いつつもその定義は難しく、一体何の賞なのか?誰に向けてやっているのか?という話は、自分としては良くも悪くも曖昧になっている部分があると思うのですが、
だからこそ、議論の余地もあり、その過程を経て、決まるアワードというのは価値があるんじゃないかなと思います。

選考会について、一つ気になることがあるとすれば、議論自体は良いと思うのですが、その議論の過程の部分です。
意識してかせずかは、いまいちわかっていないのですが、どうしてもGotchの意見がまずあって、それに対する意見という形で議論が展開されている印象を受けました。
そりゃ、Gotchの賞なのだからそうだろうと思いつつも、「APPLE VINEGAR -Music Award- 」としてやっているものであり、そのために選考委員もいるわけで、小熊さんが言う通り皆大人なのでうまく意見がまとまってはいるんですが、そのまとまり方にちょっと違和感がありました。

この違和感は記事の編集の影響なのかもしれませんが、もちろんGotchの意見が最大限尊重されて良いとは思う(し、1人で背負いたいのであればそれでもいいと思うんですが、それもしんどいんだろうなというのが↓で感じたことだったので)んですが、
議論のファシリテートという視点では、選考委員全体で議論して、最終的な意思決定はGotchの意向ベースで確定していく、というほうがリーズナブルなのかなぁとか思っていました。

ディスカッションというやり方は賛成ですし、寄り合いを思い出す流れでもあって、意思決定の仕組みを改善していくという動きはとても良いなと思ったので、多少いちゃもんつけましたが、今後も続けていってもらいたいなと思いました。

次に、パーティーやったほうがいいのかもと言う話は、本当にそう思います。前にもリアルイベントやったら面白いかもねみたいな話をしていたような気がしますし、個人的にそういう場でもないとなかなか音楽聴けなくなってきてるので。

その流れで、イベントなどでもオーディエンスからの意見をもらえるような双方向感があったほうがいいのでは?という話で、小熊さんとGotchの考えに差異がありそうな点は、今回特に興味深かったです。

この辺が、結局この賞はどういう賞なんだろう?音楽とどう向き合うのがいいんだろう?という点に繋がる気がしています。

個人的には、音楽をただ楽しむ場があったほうがいいんじゃないかというよりは、オーディエンスからの主体的な関わりも可能な場としての方向性に可能性を感じています。
設計次第とも思いますが、前者だけだと結局音楽をあまり広がらない気がしますし、APPLE VINEGAR -Music Award-が丁寧に音楽と向き合ってきた文脈を、ただ音楽を楽しむことに集約してしまうと、もったいないというか、この賞の流れでやる意味がどこまであるのだろうと言う感じがしています。
もちろん、それはそれで楽しそうなんですけどね。

答えを出すのではなく、みんなで音楽の話をして、音楽との関わり方に、日々の生活の中にはない、これまでとは何か違った一味を付け加えられるような何かを生み出す営みができたほうが面白いんじゃないか、それこそが社会的にも求められているんじゃないかと思います。

終盤にかけてのNPOの話の流れでは、「B-Side Incubator」のことを思い出しながら聴いていました。

やっぱり、場づくりが大事なんだろうなと思います。
「B-Side Incubator Launch Party」でのトークイベントでも思ったのですが、「Apple Vinegar Music Support」も含めて、音楽の話というか、コミュニティがどのように持続可能であるかという部分が重要な取り組みな気がしています。

「B-Side Incubator Launch Party」にてstarRoやマイカ・ルブテが、
音楽をやっていく上で、機能的な役割で関わるやり方ではなく、信頼できる人ともっと有機的な繋がりの中で一緒にやることの重要性を語っていました。
つまり、
インスタントなやり取りの利便性が上がり、そればかりになってしまった社会と時代にあってこそ、全人格的に信頼できる仲間とフィジカルも含めて繋がって持続的に営むこと、それを生み出す場づくりが、どうやったら実現可能なのか?
という話は「B-Side Incubator」にも「Apple Vinegar Music Support」にも共通した話であって、重要な話だなと思います。加えて、これは音楽に閉じた話ではなく、社会的に重要な話なのだと思います。

色々書きましたが、どんな形であってもリアルイベントは楽しみなので、最後にも話されていた流れの中で実現されることを期待したいと思います。


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