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「雇用調整助成金不正受給」「労働裁判」「妻のがん治療」50代男の誰も得しない話!【41】

妻の病気について
楽観視していたわけではないが
病状は想定より悪く開腹手術となった。

病院から帰ってからも
何もしてあげられることはなかった。
何の根拠もないが
2月に亡くなった妻の父が
「必ず守ってくれるから」
というのが精一杯でした。

その日から
家では妻の笑顔は完全に消えました。
落ち着いているかと思えば
「怖い」と言って震えだし
夜中も目が覚めれば
「怖い」といって震えていました。

自分が変わってあげたいが
そんなこともできるはずはなく
本当に何もしてあげられなかった。

家の中ではこのような状況が毎日続いた。

怖いと言って震えだす度に泣きながら
「大丈夫、大丈夫」と言ってはいたが
妻からすれば
何が大丈夫なのかは理解できなかったと思う。

時折
「家の中が暗くなってごめん」と言っていた。
自分は家が暗くても何でもいいから
「一緒に居てくれるだけでいい」と言った。

家のことお金のことすべて任せっきりで
自分は何もできない。
どこに何があるのか
貯金がどれくらいあるのかもわからない。

だからと言って自分の世話をするために
治ってほしいという訳ではないが
妻も理解しているのか
「あんたを残して先に死ぬわけにはいかない」
と言ってくれた。


涙が止まらない。


翌日からも見た目にはいつも通りで
何も変わりもなく妻は会社に行った。


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