動物の最期までの治療
先日、猫の慢性腎臓病の末期の子が来院されて
「最期の最後まで諦めたくないんです!」
「最後まで治療してあげたいんです!」と
ご相談があって、かなり難しい状況なので
最後まで治療することで、苦しくなってしまうことや
入院して治療してる間に亡くなってしまうことがあることを説明して
それでもお願いしたいと言うことだったので、当院で今できることを
最期の最後まで精一杯の治療させていただいた。
入院して静脈内に点滴して、ホモトキシコロジーやって、1時期的に回復したけど
そのあとから呼吸が苦しくなって、嘔吐して
舌が壊死しはじめて、ケイレンがはじまって、病院で亡くなった。
最期の最後まで治療することで苦しめてしまった。
申し訳ない気持ちでいっぱいになって、この子には謝るしかなかった。
あのまま治療せずにムリにでも説得しておけば、この子をこんなにも苦しめずに済んだのに!
ゴリ押ししてでも何もしないでおけば、苦しまずに済んだかもしれないのに!
って思って後悔した。
他の病院で「もう何もできることがない」と言われて
藁にもすがる思いで当院に来られて
「1%でも希望があるなら何とかしてほしい」
と言う言葉にぼくは答えたかった。
回復することを願って治療したけど、苦しめてしまった。
回復させようと思って積極的に治療して、体のキャパを超えると
バランスが崩れて苦しくなるから、バランスが崩れないように治療したんだけど、結局苦しめてしまった。
飼い主さんは1時的でも回復して「治療してよかった」と言っていただいたけど
苦しい思いをさせてしまった猫の姿を思い出すと胸が痛くなる。
猫のことを考えれば、積極的な治療をすべきではなかったと思うけど
飼い主さんの気持ちに答えたかった。
偉そうなことを言ってもぼくは無力だなと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?