獣医師シワ男

埼玉県新座市北野でふじわら動物病院を開業している獣医師シワ男です。 西洋医学もやりつつ…

獣医師シワ男

埼玉県新座市北野でふじわら動物病院を開業している獣医師シワ男です。 西洋医学もやりつつ、東洋医学やホモトキシコロジー、オゾン療法などの治療も取り入れた統合医療を軸に動物に優しい治療を心掛けています。 終末期医療や看取り、ターミナルケア、緩和ケアなどにも力を入れています。

最近の記事

時代と共に変わる動物の診療

ぼくの診察も獣医学の進歩や時代の変化、考え方によって変わってきてる。 例えば、獣医になりたての30年前は、犬猫には人の食べ物は与えない方がいいと思っていて 犬にはドックフード 猫にはキャットフード を与えるのがいいと思っていたけど 今は、手作り食でもいいと思っていたり CBDオイルも前は動物には使わない方がいいと思っていたけど 今は、思いっきり治療で使ってるし ハイシニアの治療では欠かせないものになってる。笑 若い時は西洋医学の治療以外の治療なんてクソ怪しい

    • 動物とのつらい別れを

      ぼくら飼主は動物とのつらい別れをがんばって乗り越えようとする。    今でもずっと乗り越えようとがんばって、何とか今まで生きてきた。 「乗り越えなきゃいけない」 「あの子のためにも乗り越えなきゃ」 「いつまでも悲しんでちゃダメ」 「前を向いて生きていかなきゃ」   「今でも思い出すと悲しいのは、ロスを乗り越えられていないからがんばらなきゃ」 って乗り越えようとがんばって生きてきた。 乗り越えようとがんばってきたのは 自分がつらい気持ちを感じないようにするた

      • 獣医師の就職先の裏側

        先日、懐かしい獣医師国家試験のフィード投稿をしたけど 合格した獣医師の就職先の話でおもしろい記事があったのでシェアしたい。 ぼくら飼主からすると衝撃かもしれんけどね。    獣医師の仕事はとても幅が広くていろんな就職先があるんよ。 動物病院や動物園の獣医だけが獣医じゃーない。 特に公衆衛生関係は獣医としては重要な仕事。 記事にもあるように実は国や地方の公務員として保健所などで 公衆衛生の担当する獣医が優秀な獣医。 他にも研究職に就く獣医も優秀な獣医。 で成

        • 動物の在宅での皮下補液

          今日の20:00からのわんにゃん保健室@wannyan_hokenshituの江本先生@koheiemotoとの インスタライブの質問を募集したんだけど いただいた質問の中に在宅での皮下補液の質問が続いてあったので、これはこっちで答えるね。 まず、皮下補液は脱水の改善させるためのもの と言うことを理解してもらう必要がある。 これが大前提なんよ。 食べないから皮下補液するとか、腎臓の値を下げるために皮下補液する と言うイメージがないかな? それは違うってこと。

        時代と共に変わる動物の診療

          動物との本当の幸せとは

          ぼくは幸せがどんなものなのかよくわからない。 子供の時に母親の優しさに包まれてとか いつも笑い声の絶えない家族団らんとか 母親に愛されてとか 記憶にないので 幸せに憧れがあって、ぼくら飼主と共に暮らす動物は幸せであってほしいと思っているけど じゃーどういうのが幸せで、どうなったら幸せなのか? 動物に幸せでいてほしいと思っていながら幸せがわからないなんて!笑 それじゃー動物をどうしたら幸せにできるのかわからない。 ぼくのように幸せを知らない人って大きな問題がな

          動物との本当の幸せとは

          動物がなぜ病気になったのか?

          ぼくら飼主は、動物が病気になると なぜ病気になったのか? どうして病気になったのか? と考える。 考えても正確な答えは出ないけど考える。 ほんとにそうかどうかもわからない理由をそれらしい理由をつけて 「これが悪かったんだ」 「あれが良くなかったんだ」 と思うようにするけど やっぱり「なんで?」「どうして?」と考える。 それって、ぼくら飼主は本能で考えちゃう。 考えても答えは出ないことはわかっているのに 無意識に本能的に考えちゃうよねー。 考えても答え

          動物がなぜ病気になったのか?

          動物の治療は動物のため

          動物の治療は、動物のための治療なんだけど ぼくら飼主のために治療することもあるのさ。 動物の元気も食欲もあって、1回下痢したり、1回吐いただけの時は 「何もしないでこのままみてもいいかな」って思う時もあるけど 飼い主さんが心配してたら下痢止めや吐き気止めを処方して飲ませてもらって改善するかみてる。 薬を飲んだから治ったのか 飲まなくても治ったのか わからない。 もしかすると薬を飲まなくても治ったかもしれないけど 飼い主さんの安心のために薬を処方することもある

          動物の治療は動物のため

          動物からすると旅立ちは

          ぼくら飼主は動物が旅立ってしまうことは、悪いことだと思ってしまうけど 動物からすると悪いことじゃーない。 ぼくら飼主は動物が旅立つと悲しいし、つらいし、しんどいし、苦しいし、寂しいし、立ち直れんし 一緒に逝ってしまいたいと思うのに 動物からすると悪いことじゃーないってどういうこと⁈    何言ってんの! 頭悪いんじゃないの! って思うよね。 それは・・・ 動物だから。 人はやり残した事があったり、後悔したり 恨みや憎しみ、妬みを抱えて、旅立ったりするか

          動物からすると旅立ちは

          動物のサプリメント

          今、健康食品の機能性表示食品のサプリが問題になってるね。 国が食品の機能表示を許可した健康食品には 保健機能食品とそうでないものがあって 保健機能食品は 特典保健用食品(トクホ) 栄養機能食品 機能性表示食品 の3つがある。 機能性表示食品のサプリが問題になってるね。 みんな健康食品って体に安全だと思ってる? 健康食品には副作用がないと思っている人、またはわからない人が半数以上いるんだね。 サプリは副作用なく安全って言うイメージがあるんだと思うけど こ

          動物のサプリメント

          動物の終末期の在宅医療

          動物が終末期になって調子が悪い時に 動物病院に連れていくことを躊躇してしまうことがあるよね。 獣医としては、連れてきてもらいたいけど ぼくら飼主としては 「キライな病院に動物を連れて行きたくない」とか 「イヤな思いをさせたくない」 「ムリな治療をされたくない」 「入院させられそうで怖い」 「終末期に家でゆっくり過ごさせてあげたいから病院に連れていきたくない」 などなどいろいろあると思う。 ぼくのところも往診はしてるけど 「今診てほしい」 「今調子悪そう

          動物の終末期の在宅医療

          獣医師シワ男の勉強会

          今の時代、ネットで検索すればいろんなことを教えてくれる。 合ってることも間違っていることも教えてくれる。 動物の病気についても検索すれば、いろんな情報が得られる。 病気のことも調べることはできるけど、医療系の話って結構難しくて 読んでもわからないこともあるよねー。 いろんな先生がいて、いろんな考えがあって、いろんなことが書いてある。 この病気はこういう検査して、こういう治療しましょうって言う ガイドラインがある病気もあればないものもある。 ガイドラインがないも

          獣医師シワ男の勉強会

          動物の終末期の輸液

          人の終末期でたくさん輸液を入れたからって、長生きできるわけじゃーないし たくさん入れ過ぎることで、症状が悪くなる可能性があると発表されてた 動物も同じだとぼくは思ってる。 論文やエビデンスはないけどね。笑 終末期になって食事を食べなくなったりすると入院して点滴したり 通院で皮下補液したり 在宅で皮下補液したりすることがあるんだけど 食べないからと言って、たくさん輸液をすればいいってもんじゃーなくて 輸液自体は脱水を補うことでしかない。 輸液に栄養があるわけで

          動物の終末期の輸液

          犬猫の高齢による脳障害

          犬猫が高齢になると脳に障害が起こって、認知機能が低下することがある。 人のように認知症がアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、血管型認知症など 詳しく分類されていなくて、認知症とひとまとめになってる。 人みたいにどのタイプの認知症なのかわからんのよ。 犬猫でも認知機能が低下してる子は 脳のMRI検査をすると 脳が萎縮してたり 脳室が拡大してたり 脳の異常がみられる。 ただ、その脳の異常がなんでかまではわかっていない。 血液の量が減っ

          犬猫の高齢による脳障害

          ぼくら飼主の幸せが

          ぼくら飼主は共に暮らす動物に幸せでいてほしいと願ってる。 ぼくら飼主と暮らして、動物が「幸せだなー」とか 旅立った時に「幸せだったなー」って思ってもらえるとうれしい。 その願いを実現させるためには・・・ まずは、ぼくら飼主が幸せだと思えること。 で幸せって自分で自分を幸せにしない限り、幸せにならんのよ。 白馬の王子様がさっそうと現れて結婚してもらっても 玉の輿に乗って金持ちと結婚できても 誰かに幸せにしてほしいと願っても誰かから幸せにしてもらえることはなく

          ぼくら飼主の幸せが

          旅立った動物から学ぶこと

          ぼくら飼主は動物と共に今生きているから 生きていることにフォーカスを当てて考えることは 当たり前と言うか、大事なことだと思う。 どうやって生きるのか? どう生きるのか? を考えて生きること 懸命に生きて、がんばって生きていると思う。 生きることとセットになるのが死になる。 死を考えることで、生きることにつながる。 生きてる以上、いつかは必ず死ぬ。 死ぬことから目を背けても逃げることはできない。 何十年か先のことでも必ず死ぬ。 「死にたくない」とあがいて

          旅立った動物から学ぶこと

          犬猫のリパーゼの値

          リパーゼって膵臓をみる値なんだけどこれが難しい。 質問の子のリパーゼがどのくらい高かったのか、わからないけど リパーゼの値が高いから膵炎ってわけじゃーない。 下痢や腸炎、腎臓病でも上がるのでぼくの場合は、嘔吐下痢などの症状がなくて 健康診断したらリパーゼの値が高かったら 白血球分類 犬猫膵特異的リパーゼの値 犬はCRP、猫はSAA、エコー検査の4つを確認する。 そこで腸に異常がないか? 膵臓はどうなのか? 腎臓は大丈夫か? などを確認してる。 CRP、

          犬猫のリパーゼの値