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晃洋丸で知床岬へ(2023/06/25,26)

知床ウトロの漁船『晃洋丸』で知床岬クルーズへ!
最低催行人数6名なので、「おひとりさま」のわたしは別グループに混ぜてもらわなければなりません。
同行OKの許可をいただき、憧れの知床岬へ行くことができました!

ウトロ港を出港

早朝5時、ウトロ港に集合。10分後には出港です。
がんばって早起きしました。

船内の様子

本日は、とある調査団を文吉湾まで送り届ける便に同乗させていただきました。
10年ほど前にも羅臼から知床岬まで漁船に乗ったのですが、その時も環境省の調査団に混ぜてもらったんですよね。一般の観光客で漁船クルーズって、グループの貸切(釣り客とか)じゃないと難しい。

観光船だと決まりきったコースしか行けないし、船長さんやクルーに話しかけるのも気が引けるし、漁船に乗せてもらえるのは嬉しいし楽しい。
晃洋丸にはトイレもあるのが助かります!

文吉湾。皆さんの手荷物を運ぶのはブルドーザー!

およそ2時間かけて文吉湾に到着。初めて来ました!
でも一般人のわたしは下船できません。
知床半島には、特別な許可がない限り「動力を使って上陸してはならない」との決まりがあるのです。

立派な港です

ここで1泊するって、どんな感じなんだろう。
船長さんが昔、滞在した頃はケータイ圏外でテレビも映らなかったそう。
いいなぁ、体験してみたい。

「クマ出るぞ」
脅さないで!(いや、ホントなんですけど)

天候が荒れて1週間も閉じ込められた事もあるそうで、そうなるとまさに陸の孤島。食料も尽きかけて難儀したそうです。

文吉湾方面を振り返って撮影

さぁ、客はわたし一人になりました。
文吉湾から知床岬まで足を伸ばしていただきま〜〜〜す!

知床岬

知床岬に到着したものの、羅臼側からもっくもくと霧が押し寄せてきます。
岬の先端は海流も急なので、しばし様子見。

ミズナギドリ

岬の周辺にはミズナギドリの群れが集まってきていました!
航行中にたくさん追い越して行ってたのは、ここを目指していたんですね。

しれ〜とこ〜のみさきに〜

ガスが晴れるのを、ただ待っているのも暇なもので…

大物が釣れた!

船長さんは、おかずを釣りま〜す。
「やってみるか?」と言ってくれたけど、釣り運がないので辞退しました(笑)

「あまり釣れてない」という前情報でしたが、竿を投げてすぐ釣れた!
それも立て続けに、大物も釣れました!
さすがプロです。あっという間にクーラーボックスがいっぱいに。

釣れてますか〜?

まわりにも2〜3艘ほど釣り客を乗せた漁船がいました。
おこぼれを狙って、カモメも集まる。

岬に到着してから1時間ほど経ったところで、羅臼側のガスも引きそうにないし後ろ髪を引かれつつ帰ります。

廃墟となった番屋も

帰り道も客は一人なので、岸に近づいてくれたり時間をかけてくれました。
「俺は漁師だから、説明はできないけどな」と言いつつ、色々と教えていただきました。

当たり前だけど、番屋は真水が手に入る場所に建てられています。
海上から見ていて「こんなところに?」と思うような場所でも、近くに水場があるんですね。

意外と脆い岩壁

自然は変わらないようでいて、徐々に姿を変えてゆきます。

観音岩

突出した岩の断片が観音様に見える?
「突出」と言うより「侵食により残された」と言うべきかな。

(上)硫黄山(下)イルカちゃん

イルカの群れにも出会えました!
これは動画のほうが伝わると思うのでYouTubeを御覧ください↓

スマホアプリで編集したのだけど、今パソコンから見たら画質が荒いなぁ。
最高画質でアップロードすべきだった。
動画編集はまだまだ勉強中です。

カシュニの滝

知床半島には、海に流れ落ちる滝がいくつもあります。

岩壁に横縞

地層・地質を見るのも面白い。
専門的なことは、ぜんぜん解らないんだけど。

地質好きな方は、こちらのサイトをご参照ください↓
日本の地質百選:知床半島[地質情報ポータルサイト]

タコに見える?

船長が教えてくれた「タコ」岩。
角度にもよるけど⋯ 犬(バセットハウンド)にも見える…?

チャラッセナイ(チャラセナイ)の滝と番屋

番屋のすぐ裏手に直瀑の滝が!
真水が手に入るとは言え、すごい立地。泊まってみたい。(こちらの番屋は現役)
滝の音、波の音より響くのかな?

船長さんによると、寝静まった頃に滝を石が落ちてくる「ゴロゴロ」という音が聞こえてくるそうです。
位置的に直撃はしないだろうけど、落ち着かないかもなぁ。
すぐ慣れちゃうかな。

肉眼では黒い点のようだった

「あれ、クマじゃねぇのか?」
船長さんが指差す方に目を凝らすと⋯
あっ! 確かにクマだ!

ズーーーーーム!!!

揺れる船上でズームすると、ちょっとした動作で目標がフレームから外れるんですよ。
船酔いするから酔い止め薬を飲んできてよかった!
何とか写真に収めることができました!
(カメラはNikon COOLPIX P900)

この知床半島で生活しているヒグマ。
のんびりとした仕草で地面の匂いを嗅いだり、ゆったりと移動してゆく姿が見れて、何とも言えない、あたたかな感動を覚えました。
自然と共に生きるのは容易ではないだろうけど、人間の生息地とは隔絶された土地がもっとあってもいい。

テッパンベツ川?

ところでグーグルマップに載ってる写真、「19号番屋」と「テッパンベツ川」、同じ場所が混ざってるみたい。

意外と色んな所に人工物がある

知床半島は秘境だけど、海岸沿いには意外なほどたくさんの人工物がある(写真:左下)

硫黄山の下流、岩が硫黄で黄色く染まってた(写真:右下)

ヨウシペツの滝

別名「硫黄川の滝」。
「ヨウシペッ」は、アイヌ語で「いつもそこで獲物を狙い突きするところ」という意味だそう。獲物はアザラシだとのことで、早春に狩りに来ていたのかなと想像します。

カムイワッカの滝

「カムイワッカ湯の滝(カムイワッカ川)」の終着点。

ここにも人工物が遺っていました

かつて採掘していた硫黄を運ぶのに、川を利用してここまで運んで落としていたそうです。
海まで流れていってしまわないように、砂利を積み上げてストッパーにしてあります。

陸路で知床硫黄山までガイドさんとトレッキングしたときに旧硫黄採掘地を通りました。
興味のある方は過去ブログ記事をご参照ください↓
・2019年08月30日【知床林道・カムイワッカから硫黄噴出口へ

少ないけど観光船も行き交う

写真向かって左が知床岬方面、右がウトロ港方面。
写真の中央、山に斜めに走っているのはカムイワッカ湯の滝の先の砂利道(知床林道)。

手前の船は「おーろら3」かな?

岸壁にはたくさんの穴が

岩尾別川を過ぎたあたり。

男の涙

水量が少なく、なかなか正面からは見えないことから「隠れて泣いているようだ」という、通称「男の涙」。
陸上からも行けますが道無き道を行くのでガイドさん必須です。

この滝が虹色に反射する神秘的な自然現象(大気光学現象?)が見たくて、ガイドさんにお願いすること3度目の正直で目撃することができました。

そのもようは過去ブログ記事にて↓
・2018年07月25日【男の涙オーロラフォールついに出現

乙女の滝

通称「乙女の滝」こと、フレペの滝。
知床自然センターから遊歩道が整備されているので気軽に行くことができます。往復40分くらいです。(男の涙と同様、下に降りることはできません)

ただ今年はヒグマが頻繁に出没しているので閉鎖されている日も多かったです。

ケイマフリ

楽しかったクルーズも終わり…と思いきや。
「明日、迎えに行くのに乗ってくか?」と!
いいんですか?! 乗る乗る〜〜〜!!!(遠慮しない)

「その代わり、どこにも寄れねぇぞ」
いいです、いいです! わぁ〜〜〜〜〜い!!\(^▽^)/

ダックスフント岩

お迎えはお昼に文吉湾なので、逆算して10時に出発すればいいのですが「知床岬リベンジしたいんだったら早起きしな」と言ってくれて、お言葉に甘えて7時半出港!

定置網の設置が始まった

昨日の今日で、あちこちで定置網の設置が始まってました。

鮭ではなくマス用

昨日はなかった場所に、たくさんのブイが並びます。
漁船も観光船も、引っかからないよう慎重に航行せねば。

この網に引っかかった魚を、ヒグマが泳いで捕まえに来ることもあるらしい!

距離感が伝わりますか?

朝は日暈が出ていたのでちょっと心配したけど…
雲ひとつない快晴! 会心の光景!!
知床岬が輝いて見えます!!!

知床岬灯台

あの砂利浜に、あの草原に、降り立ってみたい⋯
しかし遠浅の岩礁が広がっているので、たとえ満潮であっても近づけないのです。岬先端付近は波も高いですし。
(なので調査団は文吉湾から歩いて来ます)

知床岬にも人工物

写真:左上=羅臼とウトロの分岐点に立っている看板。
右上=何かは不明。ソーラーパネルがついてた。

夢の時間はあっという間。
でも快晴の知床岬が見られたことで、船長さんも安心したみたい。お心遣いに感謝。

時間は早いけど文吉湾に入って一休みします。

文吉湾

定置網の準備が着々と。
ここにロープやブイなどの荷物を置いていいのは先端部分の定置網漁師さんだけ。

文吉湾に咲く花

港の目の前くらいなら写真を撮っても構わないとのことで、岩場の植物たちを記念撮影。

たまたま撮れた野鳥

この鳥、なにかしら。

岩の隙間にもたくましく

こんな快晴だけど日暈が出てました。
夕方には雨かもね?

奇跡の一枚?

超すばしっこいアマツバメ。
撮りたくてもなかなかピント合わないんだけど、待ち構えて一枚だけ撮れた!

定置網のブイ

時は流れて一ヶ月後の7月28日。
連絡があり、今度は日帰りの調査団に便乗させていただけることに!
まさかの三度目!

三度目の文吉湾

この日もバッチリ岬が見れたんだけど、正直、同じような写真だからここには載せなくてもいいかな(笑)

ミズナギドリは、ほとんどいませんでした。
イルカは少し見れたけど潮吹きしないタイプ?だから写真には残せず。
(撮れても何だか分かりづらい)

アマツバメ

文吉湾を取り巻く岩場の裂け目にアマツバメが入っていくのを発見。この中に巣があるようです。数箇所でアマツバメが出入りする様子が見られました。

ちなみにアマツバメはスズメ目のツバメとは別の分類で、アマツバメ目アマツバメ科。
イワツバメはお腹が白く、スズメ目ツバメ科。

アマツバメの群を見ると、アイヌ舞踊の「アマツバメの舞(チャクピヤク)」はよく現しているなと思い出します。

こんなところに鉄橋

帰路、もう三度目だし眠くて油断してたら「あそこに橋があるんだよ」と唐突に船長さん。
えっ? どこどこ?
気づいてカメラを構える間に、どんどん過ぎ去ってゆく風景。
ギリ撮れました!

初日に「俺は漁師だから説明できない」と言ってたけど、まだ隠し球があるに違いない(笑)


今年は企画展もあって知床・道東に2ヶ月以上も滞在し、知床岬に3回も行けて、感慨深い体験をすることができました。

晃洋丸の知床岬クルーズは1名1万円となります(2023年8月現在)。
これから鮭シーズンですし釣り客も賑わいそうです。
いいポイントに案内してくれると思いますよ!

お問い合わせ先
 第十八 晃洋丸(こうようまる)菊池 090-1646-9120

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