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【プロボノ】児童養護施設に関わって

この記事は10年ほど前の経験を元にしています。児童養護施設に関する状況や取り組みは時間の経過とともに変化している可能性があります。その旨をご理解していただきお読みください。

プロボノで児童養護施設に関わったことがあります。

施設から依頼があって「体を動かす体感ゲームをやらせてあげたいので協力して欲しい」とのことでゲーム機とセンサー(XboxとKinect)をもって車で数名で向かいました。

事前に施設の方に2つをお願いされていました

・子供に連絡先を聞かれても教えないこと
・「また来るね」と簡単に約束をしないこと

施設にいる子たちは、大人に裏切られた経験を持ち、寂しさも強い。
だから、つながりを欲しがるし、また来ると聞けば、いつまでも待つ。
そう教えてもらいました。

聞いていた住所にある児童養護施設に到着しました。
(当然ですが)特に看板とかあるわけではなく、普通の大きな家の雰囲気です。

施設には20名くらいの子供達がいました。
小学生から中学生くらいの年齢だったかと思います。
また近所には、グループホームといわれる、一般の家に住んでいる子たちもいました。

施設に入って、壁に何か「表」が貼ってあるのに気が付きました。
よく見ると「風呂に入る順番と時間帯と名前」の表でした。
今までの私は風呂に入りたい時に入ってきてました。
集団生活なので当然なのでしょうが、小さい時からそんな自由すらない。

広い食堂みたいなところに通されて、体感ゲームを始めました。
みんな目をキラキラとさせて列に並んで順番に遊びます。

途中、順番の割り込みなどあって、軽い喧嘩が始りました。

施設の人が軽く「喧嘩はダメだよ〜」と言ったらすぐに止めました。

私は不思議に思いました。
子供たちがパッと喧嘩を止めたからです。

後で聞いたら、喧嘩をしたら遊びが終わるルールだそうで、子供達はそれを思い出して、慌てて止めたとのことでした。

遊びの時間が終わり、施設の方と別の部屋でお茶を飲みながら話をしました。

私は施設にいる子たちは、親が亡くなっている子が多いと思い込んでました。

そうしたら・・・

「鈴氏さん、子供達の半分以上には親がいます。
そしてたまに会いに来る親もいるのです。
一緒に住めない理由はそれぞれです。」

別れ際に私たちが
「今後も時々、ゲーム機をもってきて子供達と遊ばせてもらえませんか」
と申し出ました。

そうしたら、施設の方は、優しい表情で諭してくれました。

「鈴氏さん達は、週に何回、来ることができますか。いつまで継続できますか。気持ちはありがたいが、子供達は別れがつらい。来なくなることが寂しい。だから中途半端に関わらないでください。今日は特別なイベントの日だったのです。」

それに対して、きちんと答えられなかった自分を恥じました。

今回、この内容を書くか迷いました。
私は正しく伝えられるだろうか。
誤解を与えてしまうのでは無いか。

それができたか分かりませんが、私の経験を共有することで、あなたに何かが伝わるとうれしいです。

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