獅子まいこ@書く仕事

1993年生まれ。ゆとり・ポンコツ・ヘタレな新聞記者でした。 新聞記者▷▷雑誌編集者▷…

獅子まいこ@書く仕事

1993年生まれ。ゆとり・ポンコツ・ヘタレな新聞記者でした。 新聞記者▷▷雑誌編集者▷▷自由業。「他人に甘く、自分にも甘く」がモットーです。犬とアヒルとカオマンガイが好き。エッセイ書いてます。

マガジン

  • 私が新聞記者を辞めるまで。

    新人新聞記者時代の、いろんな阿鼻叫喚なできごとをまとめました。

  • 獅子まいこの今週の1冊

    頑張って、週に1冊読んだ本を紹介してみます。

  • 映画で学んだジャーナリズム

    映画に登場するメディアの描かれ方から、ジャーナリズムについて好き勝手考えてみました。(※意識は低めです。)

記事一覧

固定された記事

あ。私、新聞社辞めたくなかったんだ。

私も退職届を書いた。 そして、出した。 社会人2年目の冬のこと。 そして、私は会社を辞めた。 出だしの4行で心をつかまれ、あっという間に彼の世界に引き込まれた。 筆者…

初めて睡眠導入剤が処方された話<#11>

睡眠薬を飲んでいることは、わたしは全然恥ずかしいことではないと思う。 だけど、だけどさ。 ▼ 新聞記者1年目の6月末、過呼吸になり会社を早退した。 人事部から診断書…

記者失格なことを見抜かれていた話<#10>

2024年2月8日の朝。 朝刊の社会面を流し見していた目が止まった。 保育所で乳児死亡 遺族「うつぶせ、窒息」 警視庁捜査 東京・世田谷 私は「ああ、まただ」と思った。…

初めて取材依頼が来たねん!!!!

社会人になってこの方、新聞記者→雑誌編集者→フリーランスと、取材依頼をすることは多かれど。 つい先日、生まれて初めて某メディアから取材依頼をされました!!!!Twi…

「NHK取材ノート」さんに取り上げていただきました!

https://note.com/nhk_syuzai/n/n1c1fd1b53743

【エッセイ】実家大好き女

約1年前の年末年始は実家に帰省していた。 年が明け、とうとう迎えた帰京前夜のこと。 途方もない寂しさに襲われた私は、自室のベッドの中で人知れずしくしく泣いていた。 …

デスクに戦力外通告された話<#9>

勤務中にデスクからの電話で過呼吸になり、自分が担当している警察署に救急車を呼ぶという、前代未聞(自称)の失敗をやらかした。 夜討ち朝駆け(あんまりしてなかったけ…

【エッセイ】神頼みしない人

尊敬する人がいる。ここでは、Aさんと呼ぶ。 以前から知っていた人だけど、最近人柄を深く知ってから完全に心を掴まれた。どこをどう掘り下げても深みがある。信念がある。…

新聞記者を辞めるまでの日記について。
感想をいただきました。
手が震えて、心臓がバクバク鳴っています。

「自分に甘い」のは、本当にその通りです。

ただ「人間としてかっこ悪い」「元新聞記者を語る資格がない」「自分に向き合えないあなたの弱さ」は受け止めきれずにいます。

実名の新聞記者アカウントを数えてみた

獅子まいこです。 先日、このようなツイートをしました。 自分が思っていたより多くの反響をいただきました。 拡散してくださった方、ありがとうございました!! 起:社…

オーバードーズ気味の後輩。でも、私は止めない。

マスコミの仕事はタフです。 そんなこと、知っています。 覚悟の上で、目指したんです。 だけど、わかっていたけど、心と体は壊れてしまったんです。 新聞社と出版社でそ…

運転中に過呼吸になって救急車で運ばれた話:後編<#8>

前編<#7>のお話 地方新聞記者1年目、最もタフと言われる警察班ことサツ担に配属。 毎朝毎晩のサツ回りの疲れ、副署長ほか警察関係者からの心無い言葉や態度、デスクか…

デスクからの電話で過呼吸になって救急車で運ばれた話:前編<#7>

ゆとり・ポンコツ・ヘタレな新聞記者1年目の阿鼻叫喚な日記を、数回にわたって書いてきました。 4月の入社から配属、5月のサツ回りでのハプニング。 「数年前の今頃は、こ…

とっつきにくいけど、あえてとっつく価値がある。(半藤一利『昭和史』)

現在、『小学館版 学習まんが 少年少女 日本の歴史』がシリーズ全巻無料公開されています。 子どもたちの夏休みの自学サポートのためのようですが、大人が読んでもやっぱ…

あなたの原稿、担当編集が陰でブチ切れてるかも…【フリーライターさんへ】

獅子まいこです。 先日見掛けた、元TBSアナウンサーでタレント・エッセイストの小島慶子さんのツイート。 3つの意味で驚きました。 ①小島さんと全く同じことを言ってい…

「社会人1年目はみんな大変なんだよ」って言わないで。

※「は?」って思う方もいると思いますが、ぽんこつでゆとりでヘタレな新聞記者1年目の経験からくる個人的見解なので、優しい心で読んでもらえるとうれしいです。 獅子ま…

あ。私、新聞社辞めたくなかったんだ。

あ。私、新聞社辞めたくなかったんだ。

私も退職届を書いた。
そして、出した。
社会人2年目の冬のこと。
そして、私は会社を辞めた。

出だしの4行で心をつかまれ、あっという間に彼の世界に引き込まれた。
筆者である熊田さんと私の記者としての経験は似ていた。でもまったく違っていた。

熊田さんのnoteを読んで「涙をこらえきれなかった」とつぶやいているツイートも複数タイムラインに流れてきた。

私は「すごく面白い」とは思ったけど、「感動」

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初めて睡眠導入剤が処方された話<#11>

初めて睡眠導入剤が処方された話<#11>

睡眠薬を飲んでいることは、わたしは全然恥ずかしいことではないと思う。
だけど、だけどさ。



新聞記者1年目の6月末、過呼吸になり会社を早退した。
人事部から診断書を提出するように求められたため、土日を含めた4連休明けの朝、初めて心療内科を訪れた。
傷病名は「過換気症候群」。

慣れない環境で溜まったストレスや疲労があったにせよ、たった1回。たった1回、たまたま勤務中に起きてしまった過呼吸によ

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記者失格なことを見抜かれていた話<#10>

記者失格なことを見抜かれていた話<#10>

2024年2月8日の朝。
朝刊の社会面を流し見していた目が止まった。

保育所で乳児死亡 遺族「うつぶせ、窒息」
警視庁捜査 東京・世田谷

私は「ああ、まただ」と思った。

14年前のいくつかの映像が思い出される。
高校から帰宅すると、母はおらず、代わりにテーブルの上にスーパーの弁当が置かれていた。白い書き置きのメモには、悪筆な母のさらに震えるような字で「はるちゃんが亡くなったので 病院に行って

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初めて取材依頼が来たねん!!!!

初めて取材依頼が来たねん!!!!

社会人になってこの方、新聞記者→雑誌編集者→フリーランスと、取材依頼をすることは多かれど。
つい先日、生まれて初めて某メディアから取材依頼をされました!!!!TwitterのDMで。

ただ、この”取材依頼”には思うことが多々ありました。
初めて”される側”になったからこそわかった、フリーランスが取材依頼で相手の信頼を得るポイントを考えました。

①誤字脱字しない

初歩の初歩。明らかに日本語がお

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「NHK取材ノート」さんに取り上げていただきました!

https://note.com/nhk_syuzai/n/n1c1fd1b53743

【エッセイ】実家大好き女

【エッセイ】実家大好き女

約1年前の年末年始は実家に帰省していた。
年が明け、とうとう迎えた帰京前夜のこと。
途方もない寂しさに襲われた私は、自室のベッドの中で人知れずしくしく泣いていた。

実家を出た直後の大学1年の夏休みは「早く東京戻って遊びてぇぇぇ」「田舎すぎてつまんねぇぇぇ」なんて息巻いていたけど、3年生ぐらいから突如寂しさが上回るようになっていた。

とはいえ「26歳にもなって、家族恋しくて泣くなんておかしいんか

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デスクに戦力外通告された話<#9>

デスクに戦力外通告された話<#9>

勤務中にデスクからの電話で過呼吸になり、自分が担当している警察署に救急車を呼ぶという、前代未聞(自称)の失敗をやらかした。

夜討ち朝駆け(あんまりしてなかったけど)、毎朝毎晩の署まわり、副署長からのお説教、地取り、丸一日以上家に帰れない事案、遺族取材、深夜の呼び出し、オンもオフも関係なく鳴る社用ケータイ、アルコールを飲む予定は事前にデスクに報告、休日に管轄外に出るときも事前にデスクに報告(=プラ

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【エッセイ】神頼みしない人

【エッセイ】神頼みしない人

尊敬する人がいる。ここでは、Aさんと呼ぶ。
以前から知っていた人だけど、最近人柄を深く知ってから完全に心を掴まれた。どこをどう掘り下げても深みがある。信念がある。そんな人。

Aさんと自分を比べたとき、私は今まで積み上げてきた物もこれから積み上げようとする物も無いことに気付かされる。人間としての差を見せつけられて、かなり凹んだ。

そんなAさんは先日、絵馬に「俺の夢は 俺が叶える」と書いていた。

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新聞記者を辞めるまでの日記について。
感想をいただきました。
手が震えて、心臓がバクバク鳴っています。

「自分に甘い」のは、本当にその通りです。

ただ「人間としてかっこ悪い」「元新聞記者を語る資格がない」「自分に向き合えないあなたの弱さ」は受け止めきれずにいます。

実名の新聞記者アカウントを数えてみた

実名の新聞記者アカウントを数えてみた

獅子まいこです。
先日、このようなツイートをしました。

自分が思っていたより多くの反響をいただきました。
拡散してくださった方、ありがとうございました!!

起:社名と実名を明記=キラキラ記者?このツイートに対する感想を、DMでも送ってきてくださった方もいました。「私は実名と社名を明かしているけど、別にキラキラした記者なんかじゃない」といった内容でした。

私が上記のツイートで伝えたかったことは

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オーバードーズ気味の後輩。でも、私は止めない。

オーバードーズ気味の後輩。でも、私は止めない。

マスコミの仕事はタフです。
そんなこと、知っています。
覚悟の上で、目指したんです。
だけど、わかっていたけど、心と体は壊れてしまったんです。

新聞社と出版社でその苦しみを経験しました。仲良い同僚にもいました。
だからこそ、今、同じ苦しみで悩んでいる人には、精一杯寄り添いたいと思っています。
少しでも、読んでくれた人の心を軽くできたらと思って、今日はこんな記事を書いてみます。



東京でも緊

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運転中に過呼吸になって救急車で運ばれた話:後編<#8>

運転中に過呼吸になって救急車で運ばれた話:後編<#8>

前編<#7>のお話
地方新聞記者1年目、最もタフと言われる警察班ことサツ担に配属。
毎朝毎晩のサツ回りの疲れ、副署長ほか警察関係者からの心無い言葉や態度、デスクからの叱責や社内の人間関係諸々で心が疲弊していた。
そのストレスがピークに達した6月末のある日、運転中にデスクからの電話取った瞬間、突然過呼吸に襲われた。

人生で初めて、救急車を呼んだ。しかも、自分で自分のために。しかもしかも、自分の担当

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デスクからの電話で過呼吸になって救急車で運ばれた話:前編<#7>

デスクからの電話で過呼吸になって救急車で運ばれた話:前編<#7>

ゆとり・ポンコツ・ヘタレな新聞記者1年目の阿鼻叫喚な日記を、数回にわたって書いてきました。
4月の入社から配属、5月のサツ回りでのハプニング。
「数年前の今頃は、こんなことしてたんだ~」と未熟な自分に思いを馳せながら、実際の時期に合わせて投稿していました。

この<#7>は6月下旬のできごと。今日は7月30日。約1ヶ月のズレ。
1ヶ月の間、この話を書く筆が進まなかった。このことを思い出す勇気がわか

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とっつきにくいけど、あえてとっつく価値がある。(半藤一利『昭和史』)

とっつきにくいけど、あえてとっつく価値がある。(半藤一利『昭和史』)

現在、『小学館版 学習まんが 少年少女 日本の歴史』がシリーズ全巻無料公開されています。

子どもたちの夏休みの自学サポートのためのようですが、大人が読んでもやっぱり勉強になる!
小学生のとき、図書館で1冊ずつ借りてたなあ…。スマホやPCでも読めるのが最高にありがたくって、ちょっとずつ読み進めています。

あなたは、どの時代が好きですか?文系・理系問わず、歴史好きな人は多いと思います。
あなたは、

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あなたの原稿、担当編集が陰でブチ切れてるかも…【フリーライターさんへ】

あなたの原稿、担当編集が陰でブチ切れてるかも…【フリーライターさんへ】

獅子まいこです。

先日見掛けた、元TBSアナウンサーでタレント・エッセイストの小島慶子さんのツイート。

3つの意味で驚きました。
①小島さんと全く同じことを言っている編集者が周りにいる
②小島さんほどの著名な方のインタビュー原稿なのに、そんなレベル低いライターがついていること
③リプ欄に、「書き起こしのときに一字一句変えないのが誠実さ」と言っている人がいたこと

衝撃。

「小島さん、私が書く

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「社会人1年目はみんな大変なんだよ」って言わないで。

「社会人1年目はみんな大変なんだよ」って言わないで。

※「は?」って思う方もいると思いますが、ぽんこつでゆとりでヘタレな新聞記者1年目の経験からくる個人的見解なので、優しい心で読んでもらえるとうれしいです。

獅子まいこです。
もうすぐ7月。新社会人の人は、まもなく入社して3ヵ月。
今年の新入社員さんは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、これまで誰も経験したことがない社会人1年目を過ごしていることと思います。
まだ1度も出社したことがない人もいる

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