顎変形症の手術をした①


やっぱり三日坊主になった歯列矯正のnoteだけど、現実世界では2年ほど着々と術前矯正を進めていてこの度ようやく顎変形症の手術をした。

誇張なしに今までの人生で1番つらい出来事だったので日記代わりとして記録しておこう。誰かの役にも立つかもしれないしね。

手術の概要

メガネだけモザイク掛けると変な感じだな
手術直前に撮った写真だから顔がこわばっている
見事に上の歯と下の歯が逆

私の顔は顔面非対称と呼ばれる状態で、顎が左側に曲がっている。また、所謂受け口で下の歯が上の歯より前に出ている。ガミースマイルで笑ったとき上の歯茎が出るのも気になる。

今回行う手術はルフォーI型骨切り術+下顎枝矢状分割術(SSRO)と呼ばれるもの。

・上顎骨を歯根より上のところで水平に切って移動する→ガミースマイルの改善
・下顎の骨を分割して移動→噛み合わせと受け口改善

ルフォーI型骨切り術の概要図
下顎矢状分割術の概要図

想像しづらいとは思うけど、つまりは骨を切って前後左右いい感じに移動させてプレートで固定して噛み合わせを良くするってことです。
ちなみに手術時間は6時間くらい。

入院まで

1ヶ月程前に術前検査をし、輸血のための自己血を採ったりした。その際に入院についてのしおりを貰ったので徐々に持ち物を用意した。

百均でほとんどのものを揃えたけど、いざ入院してみると病院の売店(ファミリーマート)にありとあらゆるものが揃っていたのでそこまで厳密に揃えなくても大丈夫だった。

パジャマや洗面道具なんかは結局病院のレンタルセットで事足りたので持っていく必要なかった。

事前にフォロワーの助言を聞き、家から延長コードを持っていった。(これは大活躍、絶対必要!)

参考になる人がいるかもしれないので実際に持っていったもの一覧です↓

・食事用品(割り箸、スプーン、フォーク、ストロー、⭐︎紙コップ8個)(全部使い捨て)
・洗面道具(歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、カミソリ、オールインワンジェル、洗顔料)
・ティッシュ1箱
・下着類(前開きの肌着4着、エアリズム2枚、半袖ヒートテック1枚、靴下3組、パンツ8枚、ブラジャー3枚)
・パジャマ2枚
・かかとのついたスリッパ(楽天で買ったやつ)
⭐︎手鏡(折り畳むと自立するタイプのやつ)
・バスタオル2枚
・フェイスタオル1枚
⭐︎小児用歯ブラシ(0〜3歳用のやつ)
・冷却シート
⭐︎延長コード
・Nintendo Switch
⭐︎タブレット
・Kindle Paperwhite
・各種充電器
・ドライヤー
⭐︎お気に入りのぬいぐるみ
・コンソメキューブ
⭐︎梅肉チューブ
・ハチミツ
・お菓子

⭐︎マークは特に持っていってよかったもの

入院当日(4/19)

当日朝10時、想像以上に重たくなったキャリーバッグを引きながら病院に到着。
入院受付と病院着のレンタルセットを申し込んでいざ病棟へ。

ナースステーションにいた看護師さんに入院の旨を伝えると、「前の人がなかなか部屋から出て行かなくてまだ案内出来ない」と言われる。そんなことあるんだ。

しばらく待っているとようやく病室に案内されるも、テレビと冷蔵庫の説明だけ簡単にされて放置される。マジで説明が2分くらいしかなかった。隣のおばあちゃんは50分くらい掛けて説明されてるのに……それを耳をダンボにして盗み聞く。そしておばあちゃんがだいぶボケている人だとも気づく。

荷物を片付けて着替えたらやることもないのでゴロゴロしていたらいつのまにか寝ていた。

看護師さんの呼びかけで起き、顎変形症の手術を受ける人への説明を一通り受ける。めちゃくちゃサラッとした説明だった。

16時頃に教授回診があり、診察室へ向かうとそこには部屋に入りきらないほどのお医者さんと看護師さんがいてビビった。歩かないタイプの白い巨塔のアレ。人の多さに緊張して何言われたか覚えてない。

16時半頃に口腔外科に呼ばれて今の自分の口の状態とどういう手術をするのか説明される。
前述の手術の概要に書いたことをもっと詳しく説明されるわけで、手術に伴うリスクや後遺症などを聞かされるとただただ不安が募った。
顔周りはやはり神経が多いから後遺症も神経麻痺のリスクが高いらしい。

先生が持っていた私の所見が書かれた紙をチラッと盗み見るとガッツリ「ロングフェイス」と書かれていてちょっと笑ってしまった。面長って言うよりかっこいいから今後はロングフェイスと言っていこうかな。

とにかく不安だと言うことを伝え説明会が終わる。
夕食をモリモリ食べ21時消灯。こんな時間に寝れるわけがなかった。

入院2日目(4/20)

6時起床。こんな時間に起きれるわけがない。
ウトウトしたまま朝の検温や血圧測定を受ける。
朝食を食べたあと二度寝。

昼頃、看護師さんに流されるまま予約したシャワーに入る。汗かいてないと思ってたけど入るとなんだかんだ気持ちいい。

その後は昼寝したりYouTube見たり昼寝したりスイカゲームやったり昼寝したりファミマを散策したりして1日が終わった。

この日の昼食
このタイプの牛乳、中学生のときぶりに見た


入院3日目(4/21)

6時起床。こんな時間に起きれるわけがない。
ウトウトしたまま朝の検温や血圧測定を受ける。

病室にWi-FiがないのでわざわざWi-Fiスポットまで移動してコーチェラ2週目のBlurの配信を見る。
1週目があまりにも冷ややかな反応だったけど2週目はちょっと良くなっていて安心する。BeatlebumとTender、どうにかして私が作ったことにならないかな。いい曲すぎるよ。

固形物を食べられるのはこの日の21時までなので、ファミマでお菓子を買ったりして最後の晩餐を時間ギリギリまで楽しむ。

消灯したものの次の日が手術だと思うと緊張でなかなか寝付けなかった。参加しているDiscordサーバーの人たちの会話を聞いてちょっと心が落ち着いた。

入院4日目(手術当日(4/22))

6時59分に目が覚める。朝7時までしか水が飲めないと聞いていたので慌てて水を飲む。
二度寝しようと思うも緊張で無理だった。

8時頃、隣のおばあちゃんが手術室に連れていかれる。緊張感高まる。おばあちゃんも怖い怖い言ってる。わかるよ。

11時過ぎ、隣のおばあちゃんが手術から戻ってきた。病室が一気に慌ただしくなる。私の緊張感もまた高まる。

ここで麻酔科の看護師さんが来てブロック麻酔をするか聞かれた。
ブロック麻酔は顔の神経や神経の周辺に局所麻酔をして痛みをなくす方法のこと。これをすると全身麻酔だけよりも術後目が覚めたときに痛みが少ない人が多いらしい。副作用としては内出血があったり少しの間動かしづらくなると説明を受ける。

いや、なんで今言う??今まで散々時間あったじゃん!?なぜ当日のもうすぐ呼ばれて手術しますよってときに任意のこと聞いてくるんだよ!?!?絶対説明すんの忘れてただろ。

急な選択に優柔不断な自分が決められるはずもなく手術室まで回答を待ってもらうことに。

12時半頃、看護師さんが呼びに来る。うがいをしていざ手術室へ。

歩いて手術室へ向かう。まず歩いていくんだということに驚きだった。階段を一段一段登るごとに心臓の音がデカくなっていく感覚だった。手術室がズラーッと並んでて医龍じゃんと思った。

手術室に入ると真ん中にデカいベッド?みたいなのがあって、その周りにいろんな機械があってマジで医龍じゃんと思った。(医療ドラマの知識が医龍と白い巨塔しかない人)

端っこに座らされて麻酔科医の先生が来るのを待つ。ブロック麻酔をどうするのか結局決められないでいると「悩んでるの?」と上から声が。
顔を上げると、エリートの道をひた走ってきましたみたいなキリッとした女医さんがいた。この人が麻酔科医の先生で、そんなに悩むくらいならしない方がいいと言ってくれて、結局ブロック麻酔はしないことになった。

いよいよ手術台?ベッド?へ。
手術着を上半身全部脱いで横たわる。もうとにかく緊張と恐怖で顎ズレるんじゃないかってくらい歯がずっとカタカタ鳴っていた。これから顎ズラすんだが。
私はこんなにも怖がってるのに、お医者さんたちはみんな淡々と自分の仕事をこなしてどんどん手術に向かって進んでいく(当たり前)。今こんな気持ちになってるのは自分だけなんだと思うと怖いのと孤立感でいっぱいだった。

麻酔を入れるための注射を左腕にする。「弁が引っかかって上手く入らない」みたいな言葉が聞こえて違う箇所でやり直していた。

なぜか手術室のBGMがBoAのメリクリで、恐怖心でいっぱいの中ずっとBoAが歌い上げていた。令和6年にBoA??時代も季節感も違いすぎないか??いや、いい曲だけど。めっちゃ歌うな!!

そんなことを思っていると遂に麻酔が注入。
なんだか甘いともスーッとするでもない、本当になんともいえない独特な匂いが漂ってきて「あ、これが麻酔ってやつか」と思ったのはハッキリ覚えている。(よくよく考えると麻酔は注射のものを使うって言ってたからあの匂いはなんだったんだろう)酩酊でもないけど少し浮き上がるような、なんだかちょっと不思議な感覚がした。ドラッグとかってこんな感じなのかな。そしてまだBoAが大熱唱していた。メリクリ最後まで聴けるかな……と思いを馳せたところでテレビの主電源を消すかのようにプツリと記憶が終わっている。



思ったより長くなったので一旦ここまで。
果たして手術はどうなった!?ご期待下さい。

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