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「タクシー呼んでください」

母の日の前日である昨日、母に会いに実家に行った。
コーヒーを飲みながら昔話をしたのだが、その中で聞いた自分に関するたわいもないエビソードについて書いてみようと思う。


僕は子どもの頃、幼稚園が好きじゃなかった。

僕は子どもの頃のことについて断片的にしか覚えていない方なのだが、それでも送迎バスに乗るのがものすごく嫌だった記憶だけはしっかりとある。

母によると、ある日僕は幼稚園で突如、

「たくしーよんでください」(タクシー呼んでください)

と言い出して、先生を困らせたことがあったそうだ。


子どもの頃の僕は今よりもかなり内向的でおとなしく、人前で自分のことを主張したり、大きな声を出したり、泣きわめいたりできなかった。
そんな僕がタクシーで帰るの一点張りで、その場から動かなくなってしまったらしいのだ。

ちなみにその頃の僕は、もちろんタクシーになど乗ったことはなかったので、おそらくテレビか何かの影響を受けて言ったのだと思う。

大人からしたら笑っちゃうような発言だ。
現にこれを聞いた今の僕も、自分のことながら何じゃそりゃと思ったくらいだから。
案の定、先生も母も大笑いしたらしい。

でもたぶん当時の僕は本当に帰りたかったんだろうし、真剣だったんだろうと思う。


だって大人になった今でも、僕はしんどい時

「あー、タクシーで帰りたい」

と本気で思うことがあるのだから。
さすがにもう口には出さないし、やることやってから電車で帰るけれど。


ーーー
ちなみに母もよく幼稚園を脱走していたらしいので、幼稚園嫌いは遺伝かもしれない。

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