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木造耐震診断に使いたい3つの道具

 木造耐震診断に必要な道具は、一般財団法人日本建築防災協会(略称 建防協)の「木造住宅の耐震診断と補強方法」に紹介されています。それだけでも良いのですが、より省力化・高精度化するために、他の道具を使うことも考えられます。省力化・精度アップのために利用したい道具を紹介します。以下の3つは私が実際に使っている道具です。

両方向レーザー距離計(VH-80)

 レーザー距離計があると、室内の距離、天井高を手軽に正確に測定することができるので、診断者の多くが利用していると思います。VH-80は、両端からレーザーが出るので、部屋の真ん中などで更に手軽に測定できるので更に効率的になります。天井高もしゃがまずに測定できます。間取りを取るのが非常に楽になります。後継機のVH-80SEもありますが、どちらも入手難なのが欠点。使いやすいので購入できるときに購入しましょう。中国製で更に小型で安価なものも販売されているようですが、メジャーメーカーも早く商品化してほしいものです。(VH-80SEのMAKUAKEのページ

360度カメラ Insta360 ONE X2

 360度カメラは構図を考えず、部屋全体を一発で撮影出来、撮影漏れがないので重宝します。リコー製のTHETAを愛用している方も多いと思います(私も愛用しています)。静止画中心ならTHETAが国産で操作性も良好なのでお勧めですが、動画も撮れるInsta360 ONE X2はパソコン性能やスマホの性能が高ければという条件付でお勧めできます。

静止画がある程度キレイに撮影出来るのはTHETAも負けてはいませんが、動画で撮影して、それをアプリから静止画を切り出すという汎用性の高さはTHETAには難しいのですが、Insta360 ONE X2なら楽勝です。そのぶん動作が重いので、性能の高いパソコンとスマホが必要になりますが、それがあれば非常に快適になります。
しかし360度カメラを更に運用するためには、THETAもInsta360 ONE X2も自撮り棒を併用しないともったいないです。3m超の自撮り棒も販売されています。これを併用すると屋根の調査が驚くほど楽に正確にできるようになります。また短めの自撮り棒を併用すれば、床下や小屋裏の調査範囲が飛躍的に広くなります。特に動画で撮影が手軽にできるInsta360 ONE X2なら動かしながらベストポジションを撮影後に動画から探して静止画に保存が手軽に出来るので感動物です。しかも単体で防水仕様になっているのもポイント高いです。どちらもレンズが出っ張っているため保護するものは必須です。(Insta360 ONE X2のホームページ



コンパクトなサーモグラフィ(FLIR C3)

サーモグラフィーは温度差を測定してグラフィカルにその差を表現できる優れた調査機器です。建築系では、断熱の調査、防水の調査などで利用できます。個人的には雨漏りの予備調査や耐震診断でも応用できると思っています。壁の中の筋かいを発見出来たり、雨漏り箇所を特定できたりします。ただし昔は高価でした。しかし現在は性能があまり高くないものは10万円以内で買えるので、持つ方も増えてきました。私が持っているFLIR製のものは、比較的安価なものからプロ仕様まで幅広くラインナップがあり、目的毎に選べるので良いです。またFLIR製は、MSXという機能がついていて輪郭がわかりやすいので精度が低い機器でもわかりやすいので重宝します。私が持っているC3は小型デジカメ程度の大きさで小型軽量。操作性も良好なのでお勧めです。最近は後継機もでていますので、そちらが良いでしょう。調査内容によっては性能不足になりますので、よく考えて購入しましょう。(私の持っている機種の後継機 FLIR C5のページ

今回紹介したものは、耐震診断の調査技術をある程度習熟したうえで、よく研究してから導入することをお勧めします。道具を買ったからといっていきなり精度があがるわけではありません。それぞれ基本知識が必要な道具ですし、使い方を誤れば判断も間違える危険性もあります。ただ使い方を熟知すれば目視調査の効率が上がるうえ、目視調査ではわからないことを調査できますので、ある程度腕が上がってきたら、導入を検討してみると良いでしょう。

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