「喉から手が出る」←なにこれ

 「首を長くして待つ」←わかる。実際待ち合わせしてる相手が遠くから歩いてきた、みたいな場面で軽く首伸ばしたりするし。首が伸びた人間のビジュアルのキモさは別にして、気持ちはわかる。

 「顔から火が出る」←わかる。顔に血液が集まって温度が上がると、確かに火が出るんちゃうかと錯覚することある。火の温度なめんなよって話だけど、言いたいことはわかる。

 「喉から手が出るほどほしい」←まっっっっっったく理解できん。なんか慣用句として広まってるし私も話の流れで使ったりするけど、でも冷静に考えたら、人生で一度も味わったことないよ、喉から手が出そうって感覚。

 「腕が伸びるほどほしい」なら理解もできるのよ。元からあるパーツが大きくなるだけだからそこまで突飛な感じもしないし。腕が伸びる人間くらいなら某ゴムゴムの実の能力者で割と見慣れてるから、絵的にめちゃくちゃキモくもならないし。

 でも喉から手生やすのはわからん。本気でわからん。まず言うまでもなく、見た目が最高にキモい。元から人体にあるパーツを伸ばしただけのろくろ首ですら妖怪扱いなのに、喉から手が出ちゃった奴が人間扱いされる訳ない。

 んで、そこまでして喉から手を出したところで、言うほどリーチ伸びなくね問題。強いて言うなら、上の方の物取る時はちょっと便利……かな? ってくらい。その場合も顔を90度上に向けなきゃいけないから結構苦しいし。キモがられるリスクに対してあまりにリターンが少ない。

 そもそも論なんだけど、まず自前の手を伸ばせよと。……伸ばした上で言ってんのかなそれとも。肩甲骨の両側という扱いやすいベストな位置に二本も腕を持っておきながら、三本目をよりによって口から生やしたい! ってなる状況is何。

 この表現を作った人は、腕が三本ないと得られないような何かを求めていたのかもしれない。それが何なのかは……私の貧困な想像力では、「三刀流の才能」くらいしか思い付かないが。かの剣士、ロロノア・ゾロに憧れながらもアゴの力に恵まれなかった少年が、「僕の口から三本目の腕が生えてくれば……」と……ならねえかな、ならねえよな。

 やだもんな、口から生えた腕で剣持って戦う化け物。背中の傷よりもっと恥じるべきポイントありますよってなっちゃうもんな。……ダメだ、どう考えても三本目の腕を生やせる、って状況でわざわざ口を選ぶ意味がない。食事の時とか絶対邪魔だし。その状況じゃ喋るのも難しくて、常にふがふがほがほがと入れ歯の抜けたご老人みたくなりそうだ。

 生まれてこのかた(誇大表現)ずっとこの表現に対しては疑問しかなかったから、ついガーッと喋っちゃった。本当に思うままに書いてるからオチとか特にないんよな。どうしよ。

 ……ああ、この記事を綺麗にまとめる能力が喉から手が出るほどほしい。


ここまでお読みいただきありがとうございます。普段はボカロPとして活動する傍ら、このような記事をnoteにて毎日投稿させていただいてます。よろしければ曲も聴いていってください。

今日の作業

なし

運動〇(ランニング)

 働け。

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