#22 四十才、「不惑」になった?日
「不惑」
孔子先生曰く、わたしも本日ついに「何事にも惑わない年齢」になったらしい。
しかし、不思議なことに朝からこの「不惑」を試されているかのような出来事が続いたのだ。
まず午前一番、チャイムが鳴り、ベビ子(娘)からわたしへのサプライズプレゼントの配達か何かがきたのかと思いきや、玄関先に立っていたのは某乳製品をすすめる女性販売員であった。
彼女は「試供品なのでよかったら飲んでみてください。無料ですから」と、目を細めて瓶に入ったヨーグルトドリンクをわたしに見せたのである。
今日も元気にスエット姿のわたしは、清潔感のあるピシッとした身なりの彼女に対して「朝から本当にご苦労様です」と思った。
しかし彼女はまた、このボロアパートのピンポンをおす前に、自分の飛び込み営業のターゲット分析が適当であるか見直すべきだろう。
オーディブルのサブスクもやめようか悩んでいるのに、自分でも買えるヨーグルトを家まで運んでもらうサブスクというのは、わたしにとってなかなかハードルが高い。
そしてわたしは、これでも無駄に四十年人間をやってきており、この企業の営業作戦が、初回は警戒心を持たれないためにドリンクを置いて立ち去り、再び瓶を回収に来る際に勧誘するというものであることが容易に想像できたのだが、ちょうど花粉症対策のために買っているヨーグルトドリンクを切らしていた事情もあって、こう思った。
ゴクリ(唾)……。
1本、のみたい…。
あぶない、あぶない、わたしは「不惑」なのである。
わたし「あ…もうすぐ長期で国外に出てしまって買えないので、結構です」
ボロいアパートに住むスエット女が世界を股にかけて(?)仕事をしているとは思えないのは当然だ。
彼女はキョトンとし、わたしに何かやばい事情がある、または外国人であると考えたのか、深追いせずにそそくさと去っていったのだった。
こうして、なんとか一つ目の「不惑」は守られたのである。
昼。
わたしは不意に「くら寿司」で、ちいかわコラボ第3弾(最終)が本日からスタートしたことを知った。
お恥ずかしながら、立派な中年女であるわたし、ちいかわのような丸くて可愛いものが大好きなのだ。
なんでも、第3弾のプレゼントはちいかわたちが幸福そうな顔で寿司を食べている、「くら寿司」とのコラボ下敷きで、なくなり次第終了するとのことである。
ほ、欲しい……。
しかしまた、ちいかわ下敷きをもらうには2500円分の寿司を食べなければならないというのだ。
いやーそれはさすがに一人では無理やろ。
太るしやめとこ…。
でもちいかわ可愛いしな…。
お酒とか頼めば2500円いけるんじゃないか?
よし…無理してでも寿司食うか……。
いかん、わたしは今日より「不惑」なのであった。
2つ目の「不惑」を泣く泣くクリア。
夕方。
仕事の休憩中、サボってオンライン麻雀をするわたし。
南場、オーラスあがりトップの局面。
上家が開始早々「発」を切った。
ゴクリ……(唾)。
その「発」、鳴きたい……。
でもまだ2シャンテン以上ある…。
そうだ、わたしは「不惑」である。
だから、今は面前で待つべきだ。
その後、発はツモれず、二チャにまくられて終了…。
……
そもそも自分が仕事中に麻雀をしている時点で「不惑」が破られていたということに、夜になってからようやく気付いた、四十になっても相変わらず愚かなわたしであった。
おわり
追記📝
こんなしょうもない四十の誕生日を憐れんでか、note公式が今日のおすすめに記事をピックアップしてくれた。
なんて良いタイミングなんだ…誕プレかい…
ありがとうよ…noteさん…
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