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🇨🇳#2 旅立ち前日〜二日酔いの断髪式〜

なんということだろう。
旅立ちの前日に、激しく二日酔いである…。

起き上がれない…

昨夜、わたしはサアヤ(わたしが居候させてもらっている友人)が日本人の食事会に参加するというのでホイホイついて行き、いつも通りの貧乏キャラに徹して気のいい方々にご飯やお酒をご馳走してもらったのだ。
四十にもなって人に与えるでもなく、人からのほどこしをあてに生きている恥の多いわたしは、人様のマッカランとラフロイグを遠慮なくいただいて、翌日、この有り様だ。

キ モ チ ワ ル イ…

しかし、わたしには吐き気に耐えて本日中にしなければならないことがある。
それはズバリ、断髪だ。

なぜかと言うと、前回お伝えした通り、わたしの入念に組まれた「仕事関係者にバレないで中国一周する計画」では寝台列車をフルに活用し、2日に一度しか風呂に入れないため、長い髪だと邪魔くさいのである。

いざ、断髪へ

ということでやって来たのが上海・虹梅路にあるmatinee Private Hair Salon、通称「マチネ」だ。

泰豪大厦の6階にある

マチネは、安東さんという人あたりの良い日本人のお兄さんが営む人気美容室である。

わたしはシラフではおよそ人見知りであるため、日本にいると半年に一度しか美容室に行かない。
美容師さんとのファッションやエンタメのトレンドを意識した小噺の掛け合い、お世辞・謙遜合戦みたいなのが苦手なのと、あとは、単にカネがなくてケチなのだ。

しかし、わたしはこのマチネの安東さんにだけはなぜか気を遣わず、A.Tフィールド全開で接することができる。

安東さんは、例えどんなに愚かな客が来ても、また、おそらくはどんなに地位と名誉がある客が来ても、あくまで自然体で接し、媚びたり、さげずんだり、会話を無理強いすることはなく、カネさえ払えばみな平等に素晴らしいカットを施してくれるのである。

そう、安東さんはカットが異常にうまいのだ。
美容室に半年に一度しか行かないことを豪語する人間に何がわかるのかといわれたら押し黙ってしまうが、やっぱりどう考えてもうまいのだ。
長ささえ伝えれば、期待以上の「似合う髪型」にしてくれるのである。

ちなみにわたしは今回、十数年ぶりに20センチカットしてボブにしてもらったのだが、このニュースタイルも大変気に入っている。
きっと安東さんは、センスが良いのだと思う。

マチネのシュールなロゴデザイン…

しかし、そんな安東さんが営むマチネで一つ謎なのが、このロゴデザインである。
いつも看板や小物を見るたび気になるのだが、なんとなく怖くて、どういう経緯でこういうことになったのか聞けないでいる。
美容室のロゴなのに、坊主が王冠をかぶっているのだ。
まさか、頭を丸めたやつが一等賞というメッセージではあるまい…。

というわけで、マチネはロゴデザインがおかしなこと以外は非の打ち所がない美容室なので、上海にいる方はぜひ利用してみて欲しい。

店名:matinee Private Hair Salon
住 所:虹梅路3211弄泰豪大厦605室(x 程家橋支路)
電 話:158-0061-6139
営業時間:10:00-19:00(最終受付)

後輩に先輩づらで昼メシを奢る

断髪後は編集及び大学の後輩であるエムオくんに上海の中心地・淮海路で会って昼飯を奢った。

昨夜、気前の良い人生の先輩たちにさんざんご馳走になったわたしも、下の世代に対しては先輩づらをしていかないといけないのだ。

上海のB級グルメ「排骨年糕(スペアリブとお餅)」

ただ、わたしがエムオくんにご馳走したのは、マッカランでもラフロイグでもなく、ローカル中華、790円の定食である。

忙しい昼時に酒臭い先輩に呼び出されて、大したものを奢ってもらえなかったエムオくんには同情するが、貧乏な先輩を持ったエムオくんもまたエムオくんで、自分で自分をのろうほかないだろう。

ちなみに現在、80~90年代の上海を舞台にしたドラマ『繁花』がヒットした影響から、劇中でピックアップされたこの「排骨年糕」が上海の若者の間で大流行中なのである。

迎え酒のビール

それでは明日より長い長い旅に行って参ります✈️

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