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#10【楽曲考察】白キャン_SHOUT_描かれる空虚な実像

はじめに

今回は白キャンのSHOUTについて楽曲考察していきたいと思います。前回作成したアイデンティティと双対をなす、初期楽曲です。

初期でこういう名曲を作れる作曲家と作詞家を見つけて、グループに合った楽曲を手に入れられるというのは何よりもかけがえのない資産というか、重要なファクターだなと思います。


SHOUTが収録されている「pure white atelier」のジャケット写真


LiVE MVしかないこの楽曲

純粋なMVというものは公開されておらず、2018/04/23に公開された冒頭のみ実施のライブ音源で、楽曲が始まると音声は音源となり映像はライブのもの。
そしてもう一つは2022/07/09に公開された河口湖ステラステージでの音声と映像で作られたものとなります。
この双方をみると、楽曲ってライブを積み重ねて熟成して洗練されていくということが良くわかります。

2018年に公開された映像の、冒頭の小野寺梓により煽りが、魂こもりまくっていて、当時の熱量や必死さが時間を超えて伝わってきます。

2022年に公開された映像は、”キャリアも積んできたメンバーの実力””野外会場という広がりのある音響”もありライブでの迫力に圧倒されます。

SHOUT歌詞のここが好き

全部叫んで誤魔化したの(1サビ)
独り部屋で僕は叫ぶ(2サビ)
全部叫んで諦めたの(落ちサビ)

まず一つ目はこちら↑
アイデンティティと同様に主人公は苦悩を抱えながらストーリーが展開されています。そしてタイトルの「SHOUT」とあるように、行動して悩んでぐぬぬとなって、「叫ぶ」という状況が繰り返されています。

曲が進むごとに、微妙に異なる”叫び”が細やかに表現されていてて映画を見ているように、情景が頭の中で描かれます。

誰しも僕らは 自分の人生の主人公だろう(小野寺/三浦パート)
脇役でいい君の映画の(麦田/鈴木パート)
エンドロールに僕の名前があったなら(全員パート)

SHOUT  Cメロ

1番、2番と叫び葛藤していく中で、Cメロでの歌詞がこちらです。
歌割りも、いつもメインボーカル的な役割をしている、「小野寺/三浦」が”自分の人生の主人公だろう”と、ここにきて強い決意をした歌詞で表現されています。
それに続いて、”脇役でいい”と少し控えめな内容を「麦田/鈴木」が歌い、そしてその後に「エンドロールに僕の名前があったなら」を全員で歌いあげます。

この20秒間がSHOUTの中でたまらなく好きな部分で、ライブ映像も繰り返しここの部分を見ます。
この直前までギターソロやダンスパートがあり、高まりに高まり。
そしてこのCメロではドラムと薄くシンセサイザーが支えて、楽曲の主人公・メンバーが直接語りかけてきます。

何回会ってもどんなに思っても変わらない想い
言いたいことが積もり積もるんだ

SHOUT 落ちサビ

初めて会って初めて想った あの日の思い出
言いたいことは全て言えないけど

SHOUT 大サビ

とCメロで高まりに高まった後の落ちサビ・大サビも非常に良いです。
ピアノとギターのブリッジミュートが小気味よく響くパートからの、ドラムのテンションを底上げしてこ最後だぞ感が満載な展開へと続きます。

歌詞的には、繰り返しぽいというか、韻が踏まれているようなものが増えて情景をより鮮明にイメージできます。
あとはシンプルに口ずさみたくなるような、フレーズなのも魅力的です。

まとめ

アイデンティティと共通する部分もあるSHOUTについて書いてきました。
音源とライブで、捉え方・印象が変わる楽曲がやはり好きです。

歌詞だけ見ると、恋愛ソングのようにも捉えられるけど、楽曲や全体を見ていくと抽象的な苦悩や葛藤の要素が多く感じられます。
一言で表現すると、SHOUTの魅力は「空虚な実像」が表現されていることかなと。


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コールも愉快で、合わせて聞いてみると違う印象もあるので、よければ!

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