鍋島の苦悩【表お題:ドローンの課長 #毎週ショートショートnote】
ドローンの発展が目覚ましい。農業用から軍事用まで何でも御座れだ。そうしたなか、鍋島課長は苦悩していた。新用途の開発プロジェクトを任されたが方向性すら固まらないからだ。
焦る鍋島は、赤ちゃんを高い高ーいするドローンの開発を独断で決めた。安全性には万全を期し、常に最初の被験者であり続け、最終プレゼンも社長の前で不惑の中年の高い高ーいを披露。衆人監視の赤ちゃんプレイは会議室に沈黙を生んだが、捨て身の姿勢が功を奏して販売が決定した。
当初の売れ行きは悲惨なもので鍋島はまたもや苦悩を抱えていたが、ほどなくして奇跡が起こる。マンションから誤って転落した赤ちゃんをドローンが空中でキャッチし、その命を救ったのだ。しかも高い高ーいをして泣き喚く赤ちゃんをあやしている。
「ファンタスティックなオプション付きの救命ドローンが開発された。」というニュースが駆け巡り、世界中から注文が舞い込んだ。
鍋島は今、部長の椅子に座っている。
おしまい。(409字)
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